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栄通記

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2010年 08月 16日

1339) 函館 「ハコトリ ~若手作家による青函交流美術展出品作家展」 終了・8月3日(火)~8月8日(日)


○ ハコトリ PRESENTS
   21st CenturyArtists in Hakodate

    若手作家による青函交流美術展・出品作家展



 会場:NHK函館放送局ギャラリー彩(あやどり)
     函館市千歳町13-1
     電話

 会期:2010年8月3日(火)~8月8日(日)
 休み:無休
 時間:9:30~17:00

 【出品作家】
 第1回出品作家:石川久美子(陶芸) 井上千尋(絵画) 佐藤志帆(彫刻)
            隅田信城(絵画) 安田祐子(絵画)
 第2回出品作家:秋元美穂(絵画) 石川潤(絵画) 高橋亜希(写真)
            滝花保和(絵画) 向川未桜(彫刻
 

 主催:アートフェスタ・ハコトリ実行委員会 

ーーーーーーーーーーーー(8.5)

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 「若手作家による青函交流美術展」とはーーー2008年より開催された青森、函館の若手作家による合同展です。出品作家に「第1回ー」とあるのは、2008年度の函館作家。「第2回ー」とあるのは今年度の作家たちです。今年は10月に青森、11月に函館で予定されています。
 誰が選んだかが知りたいところです。残念ながらその辺の説明はない。地域興しと地域交流、若手の美術家の発掘・育成を目的にした展覧会と思いますが、「責任・中心の主体説明」がない。実に非現代的で寂しいところです。重複作家はいないし、作家自身の発案・設立ではないかもしれない。青森や函館で広い視野に立って人選できるのはお役所的な人間・美術館関係者以外には考えにくい。かれらが中心になっているのか?

 ところで主催の「アートフェスタ・ハコトリ実行委員会」とはーーー2008年から活動開始。アートの力で函館を盛り上げようという団体です。2012年からの「函館トリエンナーレ展」開催に向けて準備中とのことです。
 そして、「函館青森交流美術展」の函館主催をこの団体が担うことになった。その契機としての今展が在るのです。・・・実にわかったようでわかりにくい美術展背後関係です。

い主宰者ではありますが、美術の中味を紹介します。


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 写真を見てもわかるように会場は狭い。そこでの10人展ですから顔見せ的な小品展になっている。その代わり、詳細な作家説明キャプションが会場を賑わせている。ワーク・ブックも用意されていて親切だ。

 作家数が多いので、好みに任せて簡単に書き進めます。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 まずは入り口の立体作品から。

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     ↑: 1974年 函館生まれ・石川久美子、「音色~ギターの旋律」・陶磁。

 ちょっと小太りで腰回りの大きな女性を連想させる。工芸的な美しさにも関心が強そう。



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     ↑: 1982年 函館生まれ・佐藤志帆、「大気の枷」・石膏 150×150×600㎜。

 コンパクトに良くまとめている。小さな誇張あり、写実あり、質感ありと過不足無い。


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     ↑: 1985年 愛媛県松山市生まれ・向川未桜、左から、「歪念」 「抱想」・テラコッタ。

 遊び心とリズム感のある女性的作品。若い感覚がストレートに出ていて好ましい。


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     ↑: 1875年 函館生まれ・秋元美穂、「パターン」・パネル ジュート布 石膏 アクリル M20号。

 以前、「サッポロ未来展」に参加していた。その時よりも今展のほうがよく目立つ。小品なのにいろんなことを細かく楽しく詰め込んでいる。色あり、布あり、糸あり、線あり面あり凸凹ありと好きな作品。


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     ↑: 1984年 函館生まれ・高橋亜希、「everyday」より・モノクロバライタ紙 279×356㎝。

 なぜかしらこの2枚組が強く印象に残っている。日々の普通のスナップ写真なのになぜだろう?
 何でもないものを軽く撮るという撮影者のスタンスだが、結構対象を強く撮っているようにみえる。どうでもいいことを、強くないように強く大きく撮る。そんなことを感じた。


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     ↑: 1975年 函館生まれ・滝花保和、「JUNK」・左から 550×400㎜ 900×900㎜。

 一人古風で重厚な作品。こういうのをジャンク・アートというのだろう。ガラクタだけど、芸術家が関わるとガラクタでなくなる。あるいは、ガラクタに見えるが愛おしい物・・・などなど。
 夢多き100均はガラクタ拡大再生産店ともいえる。鉄類の錆には美学がある。さて、廃プラには何があるのかな?


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     ↑: 1973年 函館生まれ・隅田信城、「GIGA N0.5(仮題)」・アクリル ボード 1930×728㎜。

 グラフィック漫画感覚で「愛とオドロオドロ」を表現している。
 いつの日かその時の近未来、楽しくも哀しい物語の一コマ。



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     ↑: 1982年 七飯町生まれ・石川潤、「micro cosmos」・木製パネル アクリル。

 一人気を吐く量の出品だ。出てくる出てくる石川パワーだ。
 石川風水玉模様に、石川風ムカデ虫の饗宴という感じ。要するに石川風「男と女」だ。うごめいているんだ。何が?そこんところの自覚がだんだんと問われるところだろう。
 とにかく10月の青森での本展を期待しよう。今年は国内旅行をしていないので、ついでがてらに見に行きたいものだ。



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     ↑: 1984年 旭川生まれ・安田祐子、「呼吸する樹」・パネル 油彩 600×1200㎜。

 額装には神経が行き届いてはいる。人物画自体はいかにも学生が描いている感じで面白味に欠ける。
 昨春、道教育大学・大学院を修了されたばかりだから、仕方がないのかもしれない。これからの人だ。


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     ↑: 函館生まれ・井上千尋、左から 「爬虫類」 「両生類」・紙にインクジェット 160×230㎜。

 版画に見えた。インクジェットとあうからパソコンを利用しているのか?それならば「版」作品でもある。
 こういうグループ展では弱い感じだ。個展なり、彼女に合ったムードの仲間展で見てみたいものだ。


 全体にアッと驚く作品には出会えなかった。しかし、函館でこういう展覧会を期待していなかったので、大いなる収穫であった。

by sakaidoori | 2010-08-16 15:32 | [函館]


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