栄通記

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2010年 08月 13日

1333) エッセ 「澁谷俊彦・展 ーコンペイトウの隠れ家 2010ー」 終了・8月3日(火)~8月8日(日)


○ 澁谷俊彦・展
   ーコンペイトウの隠れ家 2010ー
   

 会場:ギャラリー・エッセ
     北区北9条西3丁目9-1 
       ル・ノール北9条ビル1階
     (南北に走る片側2車線道路の東側。)
     電話(011)708-0606

 会期:2010年8月3日(火)~8月8日(日)
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(8.3)

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     ↑:(外からの風景。)


 大人の玩具のような世界だった。

 黄昏時の光も作品には悪くはないだろう、そんな気持ちでの遅い訪問だった。この選択は少し失敗だったようだ。強い光を白い板が力一杯吸い込み、その白地に小道具の色付いた影を映す。さらに四角い板の黒い影を床に投影し、浮遊感を際だたせる、そんな光景が今展にはふさわしかったようだ。

 つまり、「見るー見させる」展覧会だ。
 副題にある「コンペイトウ」を作品に紛らわせて、「見つけて遊ぶ」という参加型の展覧会ではなかった。そう予測したのが間違いだった。


 とにかく綺麗な展示だった。
 四角や丸や三角という幾何学模様、白をベースにして黄・ピンク・緑などをはわせて、遊び心を演出している。光と影が浮遊感と色付いた闇を作り、全体が未来都市のようにやさしくやさしく収まっていた。


 何だかんだと言っても始まらない。拙い写真だが、そのムードぐらいは伝わるでしょう。
 以下、展示空間へ!


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 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 (長い小休止でした、スイマセン。そして、以下長い文章が続きます。)

 デザイン性とうるささと肉筆感、この3拍子が澁谷ワールドの特徴だ。都会的センスと自己主張と言い換えてもいい。

 デザイン性は今展の作品でも充分に発揮されている。写真を見て頂ければ一目瞭然だ。

 デザイン感覚と自己主張をつなぐのが「白」だ。氏にとっては目に見えない下地の「白」ではない。額装や装飾の白であり、他を引き立たせる脇役なのだが、うるさいくらいに「白」が目立つ時がある。
 今展の良さは「白」をしっかり主張していることだ。白という大海の中で全てがコンパクトに場を占有し、色輝く中で灰色ゾーンや闇色ゾーンを表現している。
 だから、氏の特徴である「賑やかな絵画」が入る余地が無くなった。以前のインスタレーションは部分部分の総和という印象があった。個々の関係であり融和であり調和であった。今展は「初めに全体ありき」である。

 氏は遊びや鑑賞者との触れ合いを求めてインスタレーション作家になった。枠からはみで、壁からはみで、空間を追求する人になった。その一里塚において、結果的には静かな自分のイメージ世界を「見せる作家」になってしまった。
 素晴らしい展覧会ではあるが、元々持っている氏の特徴が先祖返りをして拡大復活したともいえる。肉筆感無き強き自己耽溺ともいえる。
 「作品を見せる作家」から「時空の流れで関係性を模索する作家」を求めて、これがインスタレーションの出発であった。まだまだ続く「澁谷玩具の世界」だ。

by sakaidoori | 2010-08-13 11:33 | エッセ


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