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坂東宏哉・展
~かけがえのないものへ~
会場:札幌時計台ギャラリー 2階B室
中央区北1条西3丁目
札幌時計台文化会館
(東西の中通りの北側にあるビル)
電話(011)241ー1831
会期:2010年8月2日(月)~8月7日(土)
時間:10:00~18:00
(最終日は、~17:00まで)
ーーーーーーーーーーーーー(8.3)
30mのロール紙が壁をぐるりと走っている。
その部屋の様子を真っ先に載せよう。
(以下、敬称は省略させて頂きます。)


もうこれで、展覧会概要は充分分かると思う。
後は会場に行き、空間に身を置こう。画家の意図する「大地」を共感できるか、あるいは鑑賞者固有の趣向が湧いてくるかどうか?
今展の魅力は「流れ」だ。
流れの中央に画家が立っている。黒い直方体として、己の世界と行為とに問答している。
我々は、途切れることなく淡々と歩んでいく。赤と黒の強い作品だ。血の凝固した色を思う。黄色もある、青もある、緑も・・。気になる図柄に出会っては歩みを止める。
作品は30mで終わる。それは水平的な終わり無き世界であり、垂直的な終わりへの歩みかもしれない。
30m、素晴らしい流れだと思う。何より、作品のエネルギーと緊張感が心地良い。
一方で、氏の画風の特徴なのだが、収縮的でもある。あまりに画家が「大地」を愛しすぎているからだろう。粘着的な抱擁さが絵を収縮的に見せるのだろう。
今展の流れと大きさ、いつも工夫している見せ方の一つなのだろう。だが、「一つ」と言い切るには物足りない。「あっぱれ」だ。

↑:一番気になった図柄。
「洞窟と、そこに出入りする人間」を想像した。背中に銃か弓矢を背負っているみたい。
ぽっかり空いた「黒」、「穴」だ。
