栄通記

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2010年 07月 27日

1315) らいらっく 「三人展 ~流れ~ 山下あつこ・辻本ふさえ・久藤エリコ」 7月20日(月)~7月24日(土)



 三人展  ~流れ
   山下あつこ(オリジナル・キャラクター) 
   辻本ふさえ(水彩画・アクセサリー) 
   久藤エリコ(切り絵)
   

 会場:らいらっく・ぎゃらりい
     中央区大通西4丁目北海道銀行本店ビル1F
     (大通公園の南側。ギャラリーは入り口直ぐの左側。)
     電話(011)233-1029

 会期:2010年7月20日(月)~7月24日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:10:00~17:00
     (最終日は、~16:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーー(7・24)

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 明るく元気の良い女性3人展。
 一見、お祭りやイベント会場での若者アート・ブースのようなにぎわい、小品の販売を目的にした催事場に見勘違いしそう。狭い会場でのびっしり作品が夏祭りの雰囲気だ。ところが、それは「展覧会」としてのムードづくりで、お客との語らいが大きな目的のようだ。
 そして、「明るく、楽しく」が共通の空気なのだが、それぞれの作品に対する態度がかなり違うみたい。それが見事に作風に反映されていて、「ポップにアートに、明るく明るく、ワッショイワッショイ」の中に、それぞれが「もっと大きく拡がりたい」、「出てくる出てくるウーマン・レディースパワー」そんな心意気を感じた展覧会だった。

 そんな訳で、肩を凝らさずに3人を紹介していきます。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


○ 辻本ふさえの場合

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 ↑:左側、「情熱と平静」・アクリル 水彩 F10。右側、「あいたいというキ・モ・チ・」・水彩 F8。

 会場のプロフィールによると辻本ふさえは看護師だ。その言葉を知ってしまったから、どこかカラー・セラピー的な作品に思えた。
 色と感情表現とが一体なのだろう。しかも、感情はさわやかに明日を感じるというもので、「色が大好き、色の流れが大好き、心地良い雰囲気に包まれて、皆なと輪の中で触れ合いたい」、そんなことを目指しているみたい。 
 水彩画とアクセサリーに取り組んでいる。さわやかにまとめている。作品自体が少なかったのが残念なところ。


○ 山下あつこの場合

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 「エビフライの山下あつこ」です。もっとも、彼女は新道展にも絵画を出品しているし、重たい写真も撮っているし、「ポップに、アートにモダンに」何でもこなすマルチ表現者でしょう。「重なる重なる、膨らむ膨らむ、拡がる拡がる」作家だ。

 無手勝流にボンボン並べるのを得意にしている。とにかく溢れるパワーをてきぱき処理していく。今回、写真や言葉や絵を交えながら、ベタベタ沢山貼っている。
 確かに無手勝流なのかもしれないが、膨らむ世界を沢山の作品量で見せるのはなかなか大変なものだ。特に、若い表現者達のグループ展で、スキッパーな美学を目にする時がある。「過剰展示」を覚える前に、「過小展示」を愛し過ぎたからだろう。山下あつこの溢れる根性と膨らむ展示には感心した。


○ 久籐エリコの場合


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 切り絵の久籐エリコだ。
 過去の作品を含めて、小品中心主義。明るいムードと似た画題で統一している。
 今展に関しては小品をまとまって見れて良かった、これに尽きる。小さい世界に黒と色とが、巧みに乱れて心地良い。
 以下、今展に直接は関係しない久籐エリコ・メモ。

 久籐エリコには三つの制約があると思っている。

 一つは「切り絵」という技法と、その北海道での表現者の薄さ。
 一つは、画題の「アイヌ風」というロマンと古さ。
 一つは、画題であれ、展示方法であれ、他者との交流であれ、表現の幅であれ、チャレンジ精神の弱さ。

 前回の個展でようやく尻尾に火が付いた。次は大いなる失敗展が見れるだろう。


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          ↑:「Living roots」。


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     ↑:左側、「(少女?」。右側、「夏の名残」。

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by sakaidoori | 2010-07-27 18:16 | 道銀・らいらっく


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