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栄通記

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2010年 07月 26日

1313) ②コンチネンタル 「交差する視点とかたちvol.4 (4名参加)」 終了・7月16日(金)~7月25日(日)


○ 交差する視点とかたち  vol.4

    
 会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1条西11丁目 コンチネンタルビル・B1F
    (西11丁目通の西側)
    電話(011)221-0488

 会期:2010年7月16日(金)~7月25日(日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

※ イベント ⇒ ○内田鋼一ワークショップ&スライドショー
           7月18日(日) 10:00~ 13:30~

          ○伽井丹彌クロージングパフォーマンス 「傀儡」
            最終日  於・当会場   15:00~15:40

※ 同時開催 ⇒ 内田鋼一・展 於・ギャラリー門馬

 【参加作家】
 伽井丹彌 内田鋼一 下沢敏也 阿部典英  

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・24)

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 昨日、「伽井丹彌クロージングパフォーマンス 『傀儡』」を観劇、なかなか見応えがあった。その報告もしたいが、何はさておき、残りのお二人の話から。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

○ 阿部典英の場合

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     ↑:「ネェ ダンナサンあるいは飛べない面長始祖鳥」・2010年 219×326×120㎝ 木 柾 黒鉛 酢酸ビニール 他。


 「ユーモア 宗教性 女」の三つを阿部典英の切り口にしている。最近は「土根性精神」が加わった。「もー、やるっきゃない。これしかない。これで行くんだ」、そんな開き直りとも思えるような骨っぽく太い精神だ。
 今作もそうだ。タイトルは「飛べない始祖鳥」だが、僕には「飛ばない始祖鳥、飛ぶ必要のない始祖鳥、常にここに居る始祖鳥」だ。
 それは作家自身の気構えの反映だろう。だれに対しても非難や揶揄はない。だが、美術作品とは不思議なものだ。これだけユーモア混じりで強く存在されると、「オレはこれで良い。オマエはどうなんだ?共に仁王立ちするのか?しないのか?」、阿部典英の独り言が聞こえる。

 始祖鳥というよりもカフカの「変身」のような巨大わらじムシだ。伽井人形・「精霊」たちを下僕のようにして守っている。
 

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○ 下沢敏也の場合


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     ↑:「RE-volve」・2010年 75×230×180㎝。


 下沢敏也が明快な「形」を持ってきた。明らかに「人体」だ。ミイラの「陶棺」だ。
 形は全て丸みを帯びている。当然だ。「人体」に直線は無いのだから。
 その人体が大地から生まれるのか、崩壊して還るのか・・・祈りとして循環(revolve)がテーマだ。

 氏は形をなすものと、その崩れに関心を寄せる。その形成と崩壊を循環として捉える。「土」による陶を媒介にして、循環する世界を儀式として象徴的にドラマ化する。物語作家だとも言える。

 だが、氏は明快な形(具象)を避けている節があった。「美術作品における具象性の忌避」というのだろう。だから、明らかに「人体」と捉えたくなる姿を「抽象的」に、あるいは「抽象化」し、インスタレーション空間の地場を利用しつつ、物語を展開していく。だが、個々の単純な形に反して、その表面は鉄錆色をふんだんに使い、あまりに具象的で生々しい。だから、肉感性というか、具体的「物」の存在から離れられないタイプだと思っている。そういう人が抽象化に取り組む姿に、時々不自然さを感じる時がある。「人体を思うのなら、一度人体を作ったら良いではないか!!」それが僕の単純な考えだった。今その創作過程を垣間見ることができた。嬉しい限りだ。

 だからと言って、具象陶作家になるべきだ、などとは思わない。もっともっといろんな事に攻撃的になったらと思うだけだ。折角、「土根性・阿部典英」と毎年コンビを組んで企画展をしているわけだ。時には「ネェ ダンナサン あるいは下沢女神」、そんな作品があっても良いのではないいだろうか。


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by sakaidoori | 2010-07-26 14:45 | コンチネンタル


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