2010年 07月 26日
○ 交差する視点とかたち vol.4 会場:コンチネンタル・ギャラリー 南1条西11丁目 コンチネンタルビル・B1F (西11丁目通の西側) 電話(011)221-0488 会期:2010年7月16日(金)~7月25日(日) 時間:10:00~18:00 (最終日は、~17:00まで) ※ イベント ⇒ ○内田鋼一ワークショップ&スライドショー 7月18日(日) 10:00~ 13:30~ ○伽井丹彌クロージングパフォーマンス 「傀儡」 最終日 於・当会場 15:00~15:40 ※ 同時開催 ⇒ 内田鋼一・展 於・ギャラリー門馬 【参加作家】 伽井丹彌 内田鋼一 下沢敏也 阿部典英 ーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・24) 昨日、「伽井丹彌クロージングパフォーマンス 『傀儡』」を観劇、なかなか見応えがあった。その報告もしたいが、何はさておき、残りのお二人の話から。 (以下、敬称は省略させて頂きます。) ○ 阿部典英の場合 「ユーモア 宗教性 女」の三つを阿部典英の切り口にしている。最近は「土根性精神」が加わった。「もー、やるっきゃない。これしかない。これで行くんだ」、そんな開き直りとも思えるような骨っぽく太い精神だ。 今作もそうだ。タイトルは「飛べない始祖鳥」だが、僕には「飛ばない始祖鳥、飛ぶ必要のない始祖鳥、常にここに居る始祖鳥」だ。 それは作家自身の気構えの反映だろう。だれに対しても非難や揶揄はない。だが、美術作品とは不思議なものだ。これだけユーモア混じりで強く存在されると、「オレはこれで良い。オマエはどうなんだ?共に仁王立ちするのか?しないのか?」、阿部典英の独り言が聞こえる。 始祖鳥というよりもカフカの「変身」のような巨大わらじムシだ。伽井人形・「精霊」たちを下僕のようにして守っている。 ○ 下沢敏也の場合 下沢敏也が明快な「形」を持ってきた。明らかに「人体」だ。ミイラの「陶棺」だ。 形は全て丸みを帯びている。当然だ。「人体」に直線は無いのだから。 その人体が大地から生まれるのか、崩壊して還るのか・・・祈りとして循環(revolve)がテーマだ。 氏は形をなすものと、その崩れに関心を寄せる。その形成と崩壊を循環として捉える。「土」による陶を媒介にして、循環する世界を儀式として象徴的にドラマ化する。物語作家だとも言える。 だが、氏は明快な形(具象)を避けている節があった。「美術作品における具象性の忌避」というのだろう。だから、明らかに「人体」と捉えたくなる姿を「抽象的」に、あるいは「抽象化」し、インスタレーション空間の地場を利用しつつ、物語を展開していく。だが、個々の単純な形に反して、その表面は鉄錆色をふんだんに使い、あまりに具象的で生々しい。だから、肉感性というか、具体的「物」の存在から離れられないタイプだと思っている。そういう人が抽象化に取り組む姿に、時々不自然さを感じる時がある。「人体を思うのなら、一度人体を作ったら良いではないか!!」それが僕の単純な考えだった。今その創作過程を垣間見ることができた。嬉しい限りだ。 だからと言って、具象陶作家になるべきだ、などとは思わない。もっともっといろんな事に攻撃的になったらと思うだけだ。折角、「土根性・阿部典英」と毎年コンビを組んで企画展をしているわけだ。時には「ネェ ダンナサン あるいは下沢女神」、そんな作品があっても良いのではないいだろうか。
by sakaidoori
| 2010-07-26 14:45
| コンチネンタル
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丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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