栄通記

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2010年 04月 22日

1276) ③市民ギャラリー 「’10 第37回 北海道抽象派作家協会展」 終了・4月13日(火)~4月18日(日)

○ ’10 第37回
    北海道抽象派作家協会展


 会場:札幌市民ギャラリー 
     中央区南2東6(北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2010年4月13日(火)~4月18日(日)
 時間:10:30~18:00
   (初日は13:00~、最終日は~17:00まで。)

 【出品作家】
 同人:石川潤(新同人・七飯) 今庄義男(岩見沢) 岩田琿(七飯) 後藤和司(札幌) 佐々木美枝子(札幌) 鈴木悠高(札幌) 外山欽平(函館) 名畑美由紀(新同人・札幌) 林教司(岩見沢) 三浦恭三(小樽)・・・以上、10名。

 一般:甲斐野弘幸(札幌) 甲斐野市子(札幌) 笹岡素子(江別) 鈴木薫(札幌) 能登智子(札幌) 横山隆(札幌) 吉田英子(札幌) 風間虹樹(帯広)・・・以上、8名。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・14)

・ 甲斐野弘幸の場合

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     ↑:左右の作品は、「跫(アシヲト)’10」・M150×2。

 前回は2人一組の紹介。今回もそのつもりですが、たった一人の紹介にみえます。実は、甲斐野弘幸さんは前回紹介した甲斐野市子さんと結婚されて、彼女との一組なのです。おめでとうございます。
 特に祝儀の言葉を述べたくてプライベートなことを語ったわけではないのです。結婚によって、明瞭に画風が一つの方向を向き始めたみたい。一言で言えば明るくなった。チョット失礼な表現ですが、以前の絵は何を描いているのかわかりにくかった。タイトルの「アシヲト」が象徴的で、おそらく心象絵画と理解して良いと思う。どこかモヤモヤした気分を未整理な状態で色にして、何かが生まれるのを期待するという感じだった。良くも悪くも自分自身との格闘をアシヲトのように潜ませていた。
 今回、とても素直な絵だ。あまりにも分かりやすいとも言える。

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 水平線か地平線か真一文字のアンダーライン。手前は草原にしよう、線の上方は海か空だ。右側に虹のような円弧が恥ずかしそうに描かれている。見開き2頁の絵本と言えなくもない。決して物語り作家ではないから絵本的な仮想世界を思い描けれないのだが、伸びやかな作家心には違いない。もともとこういう「風景」を描きたかったのだろうか?幸せな気分の反映だろうか?きっとそうかもしれないが、こういう絵を描きたかったのかもしれない。そう、素直な絵を!
 こうなると、タイトルはそぐわない。「跫(アシヲト)」、余りに意味深で今後の方向性と合うのだろうか?


・ 石川潤×鈴木悠高

 ともに実直かつ直(ひた)向きに絵画に取り組んでいる。ともにおびただしい制作量だ。「これしかない」という目的意識で真一文字に前進している。眩しい姿勢だ。
 一方で、不問にしていた事、気にしていた事、排除していた事があっただろう。今すぐにではないが、敢えて見なかった事がドーンといつかは押し寄せてくるかもしれない。

 さて、2人の実直なスタイルを見よう。

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     ↑:同人・石川潤(七飯)、「呼吸」・S100他沢山。

 決して悪くはない。悪くはないが不満だ。
 このスタイルは昨年も見た。新味は床にも作品を置いている事。これはグッド・アイデアだ。そして、絵の世界に今までにない模様を描き込んで、いろいろと実験をしている事。それは画家として当然な精進だろう。
 ここは広い。「アッと驚く為五郎!!」ではないが、広い市民ギャラリーでしかできないことをしてもらいたい。彼は才能の人ではない。努力の人、情熱の人、描くなと言っても描き続ける絵の人だ。そして若い、怖い物知らずではないか。その執念とも言える絵に対する情熱が、より一層の石川・絵画を産む事になると思う。とりあえずは量だ!空間美や消去美などは数年先の課題にして、与えられた壁全部を埋め尽くす算段で抽象派展に取り組んで欲しい。
 もし可能ならば、来年はライブ・パフォーマンスでもしたらどうだろう。


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     ↑:同人・鈴木悠高(札幌)・「Yellow A~E」・F50。

 「黄色の人・鈴木悠高」が変化した。
 切れ目のような模様、穴に吸い込まれるような具象風景、何だかわからい形態が黄色の画面に浸入してきた。黒系の色が浸入してきたので、強い黄色が更に更に黄金色になった。輝やいている。だが、おっかなっびくりでもある。というのは、この作品は比率を変えて小品でも充分通用する。否、小品としてのぎりぎりの拡大絵画と理解した方が良い。つまり、計算絵画とも言える。どんな模様を入れようか?どこに描こうかは前もって決まっている。油彩を塗り重ねて、そのキャンバスとの語らいでこの絵はできてはいない。自分の中に思い描いていた「思想」をどうやって視覚化するかが最大のポイントだ。黄色や浸入した形の明瞭さは「思想」の強さの反映だろう。だが、それは願望に近いかもしれない。というのは、「こういう思想だ」という中味を絵からは汲み取れない。なぜなら、余りに具体画に近い絵ではなかろうか?それは彼の目指す「絶対抽象画」と離反しているようだ。もっとも、理念とのズレが生まれたのが今展の最大の収穫だ。
 「うごめき悩む黄色い鈴木悠高」なのだろう。

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 もっと紹介したかったのですが、おそらく今回で今展は最後です。

by sakaidoori | 2010-04-22 22:50 | 市民ギャラリー


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