栄通記

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2010年 04月 16日

1268) ②市民ギャラリー 「’10 第37回 北海道抽象派作家協会展」 4月13日(火)~4月18日(日)

○ ’10 第37回
    北海道抽象派作家協会展


 会場:札幌市民ギャラリー 
     中央区南2東6(北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2010年4月13日(火)~4月18日(日)
 時間:10:30~18:00
   (初日は13:00~、最終日は~17:00まで。)

 【出品作家】
 同人:石川潤(新同人・七飯) 今庄義男(岩見沢) 岩田琿(七飯) 後藤和司(札幌) 佐々木美枝子(札幌) 鈴木悠高(札幌) 外山欽平(函館) 名畑美由紀(新同人・札幌) 林教司(岩見沢) 三浦恭三(小樽)・・・以上、10名。

 一般:甲斐野弘幸(札幌) 甲斐野市子(札幌) 笹岡素子(江別) 鈴木薫(札幌) 能登智子(札幌) 横山隆(札幌) 吉田英子(札幌) 風間虹樹(帯広)・・・以上、8名。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・14)

 どういうわけだか、2人一組で見てしまった。
 A室の離ればなれの壁で向かい合った、今庄義男×外山欽平
 A室B室の床を女性的ムードで侍っていた、笹岡素子×吉田英子
 方向性は全く違うが、僕にはお気に入りの、甲斐野市子×名畑美由紀
 一心不乱の若手コンビ、鈴木悠高×石川潤
 画質とコンパクトな充実感で訴える、後藤和司×三浦恭三
 ・・・、などなど。無理して2人一組で見る必要はないのだが、そういう形で紹介していきます。

・ 外山欽平×今庄義男

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     ↑:同人(函館)・外山欽平、「MOVE ON」・F100×12枚組み。

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     ↑:同人(岩見沢)・今庄義男、「古里 (イ)(ロ)」・180×240㎝×2組。


 外山欽平氏の個別作品は先週の個展の折りに紹介済みです。そもそも個別の作品はこの会場でいかに展示するかという雄大な構想の一部なのです。だからどうしても今展を見なければ外山・ワールドは完結しない。その応えがこの展示です。
 巨大な水槽の中に、大きな箱を静かに順番に沈めて律儀に積み立てていく、一つ一つが身動きできずに重たく重なる・・・そんなイメージです。そして、ズルイというか巧妙なのは今庄義男氏の作品を反対壁にびっしり並べて相対しているのです。これはたまたまではないでしょう。どちらのおしくら饅頭が愉快かを競っているのです。外山氏は積み木タイプで、今庄氏は豪華絢爛たる帯として。

 今回の今庄氏はきらびやかです。いえ、渋い郷愁が隙間無く並べられ、巨大な帯に変身した。身にまとう麗人が連想される。氏は大ベテランの画家です。枯淡というものからは遠い存在だ。

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・ 甲斐野市子×名畑美由紀

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 ↑:一般(札幌)甲斐野市子、「何かのためのウエイティング」・90×90㎝。


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     ↑:同、「クレイ」・90×120㎝。

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 作品は他の方に比べれば小さいが、中味は密度が濃くて気力充実している。特に「クレイ」は緩む事を拒否して、どこまで限りなく美しく。蕾のような木くずはパリパリして気力を妊んでいる。
 作家は決して若い年齢ではないが、作品はすこぶる若い。乙女のような清々しさと寄らばトゲが刺さりそうな緊張感がある。そう、緊張しっぱなしだから、作品としてはどこか拙さがあった方が見る方は遊び心が触発されて、作品に埋め込まれた執念を忘れてしまう。今作、あからさまなミスはあるのだろうか?木くずという素材は美しく作品の中でたたずんでいる。形も心地良い。色も木色を損なわなくてシックだ。だが、何という努力・懸命さ!敷き詰められた木くずは陽に当たる水面のよう。カールされた木くずと絡めてみれば、カーテンを開いて朝陽を素肌で浴びているよう。ロマンそそる晴れやかな作品だ。

 この2点で今回は充分だとは思う。だが、この会場は広い。広さを生かしたより大きな作品も見たいものだ。


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     ↑:同人(札幌)・名畑美由紀、「綴り」・100号×2。

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 名畑美由紀にはいつも驚かされる。好きな画家だから大いなる期待をして見に行くのだが、見ない事には何も言えないし他人にも勧められない不安。仮に変な作品であっても(実際変な作品も多々あるのだ)、不思議な満足感を覚えてそくそくと作品から引き下がる。
 早い話が、名畑美由紀は「これで勝負」という創作態度ではないと思う。上手い下手とか、失敗成功とかには構っていないと思う。インスピレーションを受け取ったら、とにかく仕上げきる。そこまでは他の画家もするだろう。彼女の凄さは、出来上がった作品は有無を言わさず独り立ちさせる。あたかも推敲とか反省とか添削とかはしないが態度なのだ。・・本当の所はわからなし、そんなはずは無いと思うが、そんな感じで作品はあるのだ。

 僕はそういう潔いというか、過去は振り返らずに、「今」出てくる物をつかもうという姿勢に感心している。だから、作品には残念に思う時は確かにあるが、作家行為に裏切られた事がない。心配しながらも常に満足させてくれる作家である。

 今作、良い作品か不出来な作品かはそれぞれで鑑賞して下さい。僕は、ピンクや色が飛び交う部屋で「こう来たか!」と思わず笑ってしまった。


・ 笹岡素子×吉田英子

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     ↑:一般(江別)・笹岡素子、「無題」・500×300㎝。

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     ↑:一般(札幌)・吉田英子、「being(重さと儚さ)」・300×250×高さ75㎝。


 笹岡素子は伸びやかに伸びやかにどこまでも・・・、天女が衣を引きずりながら、まろやかにだらしなく思えるほど伸びていく。
 吉田英子もピンクや色の淡さは同じだが、素材がビニールで鏡面も利用していて、少しばかり才長けている。それでも両者のピンクが目に痛い。どうしてこんなに素直に乙女気分を出せれるのだろう。違う部屋なのだが期せずして共通の空気を醸し出してくれた。


・ 佐々木美枝子

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     ↑:同人(札幌)・佐々木美枝子、「作品」・S60×2点 F60×2点。


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 二つの部屋の出入り口の壁の展示。なぜだかここにもピンクがあり、次室の吉田ピンク作品に繋がっている。

by sakaidoori | 2010-04-16 18:21 | 市民ギャラリー


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