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栄通記

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2010年 03月 20日

1232) STVエントランス・ホール 「矢元政行 『記憶の中の情景』」 3月8日(月)~3月28日(日)

○ 矢元政行
    「記憶の中の情景」


 会場:STVエントランス・アート
    中央区北2条西2丁目
     STV北2条ビル 1階ホール
    (南進一方通行の西側のビル。) 
    電話(011)207-5062

 会期:2010年3月8日(月)~3月28日(日)
 時間:月~金 9:00~18:00
     土・日  9:00~16:00

ーーーーーーーーーーーー(3・13)

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     ↑:①「陸に上がった船 Ⅰ」・F130。以下、この絵の部分図。

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 いつ見ても驚いてしまう絵だ。何と言っても精緻に描かれた悪たれ小僧の数の多さだ。何をするでもなく、ただ群れて足や顔をだしているだけ。遊んでいると言えないことはないが、「群れている」という以外に言葉がでてこない。濃密な色合いといい、とにかく画面に巣くうエネルギーに圧倒される。

 こういう絵ばかりを矢元政行さんは描いている。
 縦長、横長、真四角と変化はするが同じようなものだ。色合いもパターン化していて、茶系のヨーロッパ宗教色?が全面を覆い、煙の白さや子供服の色が散りばめられている。
 画題も旧約聖書を連想させるものが多い。「陸に上がった船」は「ノアの箱船」だ。
 子供の群れは、ヨーロッパ北方ルネサンスのブリューゲルを思う。
 それらが作家の着想にあるのは間違いないだろう。だから、矢元絵画に象徴や暗喩を駆使した、現代文明への批判を見ることができるかもしれない。工場群の絵もある。出身地でもある北海道伊達市の伊達火力発電所が原点なら、氏の批判精神は具体的な事柄が隠されていると言えなくもない。

 ですが、もしかしたら矢元さんは工場やビルや船などの近代建造物が大好きな人かもしれない。目の前に新たな建造物が生まれるのを新鮮な気持ちで眺めて育った人かもしれない。人の多さは団塊の世代に関係した時代性かもしれない。批判精神よりも、期待に反して何かが鬱積し続ける好きな「現代」を「どうしたらいいんだ~」と判断の停止ととまどい、一方で作家自身は外に向かう強いエネルギーの持ち主で、その板挟みの結果が「矢元ブリューゲル」を生んだのかもしれない。
 氏は1953年生まれだ。団塊の次代の世代だ。否定形を身にまとった世代ではない。学生運動に積極的に荷担するかどうかは別にして、大学にエネルギーの塊を夢想していたことだろう。だが、先輩にその影を感じても現実はあっけらかんとしたものだったろう。

 氏は外に向かうエネルギーを絵という内向きの世界に投入した。絵という夢に生きているのかもしれない。そして、「これでいいのか?これでいいのか?」と、もの言わぬ鑑賞者にエネルギーをぶっつけているのかもしれない。


 (もう少し写真を載せる予定。)

by sakaidoori | 2010-03-20 11:49 | STVエントランスホール


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