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栄通記

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2010年 03月 17日

1227) ①時計台 「第9回 サッポロ未来展 ~Forum~」 3月15日(月)~3月20日(土)

○ 第9回 サッポロ未来展
     Forum
  

 会場:時計台ギャラリー 2階3階全室
    中央区北1条西3丁目・札幌時計台文化会館 
    (中通り、北側にあるビル)
    電話(011)241-1831
 会期:2010年3月15日(月)~3月20日(土)
 時間:10:00~18:00 
 (最終日は、17:00まで)

1227) ①時計台 「第9回 サッポロ未来展 ~Forum~」 3月15日(月)~3月20日(土)  _f0126829_17172490.jpg◎ レイヤあーと 「参加型作品」
    当ギャラリー・G室

◎ ギャラリーツアー (日程等、パンフを拡大して確認してください。) 
  

 【参加作家】
 秋元美穂 風間真悟 カトウタツヤ 河崎辰成 河野健 菊谷達史 北田依知子 佐々木ゆか 佐藤志帆 佐藤仁敬 佐藤舞 鈴木秀尚 竹居田圭子 中川治 波田浩司 久山春美 福森崇広 前田健浩 三上曜 宮地明人 谷地元麗子 渡辺元佳 ・・・以上、22名。

 【招待作家】
 高松和樹 棚澤寛

 主催:当実行委員会
 共催:当ギャラリー
 協力:札幌武蔵野美術学院

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・16)

 今年のテーマは「フォーラム」、つまり「公開広場」だ。作品、作家、訪問者が一緒になって、今までとは違う会場作りにチャレンジ。
 そのテーマに関わりたかったわけではなかったのですが、ギャラリー・ツアーの時間に完璧にぶつかり、共に一時を過ごすことができた。参加者はなぜだか二十歳前後の女性が多かった。
 作家の肉声や創作の裏話なども聞けれて良かったのだが、なぜだか司会者がプロのアナウンサーだ。違和感を覚えた。司会者は「司会・トークのプロ」だから流れを仕切っていてよどみがない。かえって、「作品ー作家ー聴衆者」の関係に意外性が生まれず、盛り上がりに欠けたようだった。普通に未来展関係者が司会というか、進行役で充分だった思う。その方が打ち合わせもしっかりできて、描き手同士の質疑が聞けれたかもしれない。


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 以上、2階A室の会場風景。今回は他の部屋の会場風景を撮り忘れてしまった。個別作品の紹介をします。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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     ↑:竹居田圭子、「人の居場所 2010 本」。

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 白い手袋でわかるようにデッカイ本だ。中は切り取られ重なり合っているのでよく分からない。仕方がないから手袋をはめて、本を閉じて1頁から開いていくことにする。一枚目を裏返すと、子供の姿が裏表紙の水色に浮き出た。つまり、子供のシルエットを切り抜いて重ねた本なのだ。

 本の中に子供が居る。そこが彼の居場所だ。そこを居場所として指定・強制したのは母親であろう竹居田圭子だ。そこがもっとも安全だからだろうか?作家が本を愛し過ぎているからか?

 分かりにくい仕掛けだが、その気になれば直ぐに分かるトリック本だ。
 作家は「本」が好きだ。さわやかに「本」を遊ぶ。セルバンテスは「本」に狂ってドン・キ・ホーテを生んだ。遊びと狂気の狭間を浮遊していた。
 「本」が好きで、「子供」が好きな竹居田圭子だ。狂気には縁がなさそうだが、妖しげな処をさまよう作家だ。
 僕には「子供」にとって「本」が安全とは思えない。愛玩物のような「本」と「子供」だ。


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     ↑:谷地元麗子、「いつか見た夢」。

 大作だ。久しぶりにデッカイ谷地元ワールドに会えて、ファンとしては大満足だ。

 構図の模索、真上からの目線、裸婦の研究などは以前からの傾向だが、「白い世界」に取り組んでいるのには驚いた。四角い座布団も模様を拒否して抜けた感じ。抜けた部分のある絵は好きなのだが、それによって谷地元ワールドのドロドロ感が強まるのならば嬉しいのだが、作家の試みはその辺にはなさそうだ。
 構図と色による立体遠近法を試みているみたい。座布団やソファーや裸婦は方便だろう。その立体感で「何を」求めているのだろう?続々とアイデアが作品化されて欲しい。

 左の人物が全体の中では小振りだという意見がある。確かにそうだ。小振りなことよりも、情感が薄いのが気になる。風俗という情感を取り込みたい時期のあった作家だが、その辺の意識も薄くなったようだ。
 ドロドロしたところから「美」を追求したい作家と思っていたが、「美」そのものの追求に軸足を移動しているみたい。


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     ↑:佐藤仁敬、「paranoid」・パネル 油彩 194×162㎝。

 昨年の全道展の最高賞だったと思う(間違ったらすいません!)。
 変にぼやけた部分や見えにくい部分もなくてスッキリした感じ。暗黒の浮遊感だなくて、暗いがしっかりそこにいるという力強さを感じた。


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     ↑:招待作家・高松和樹、「味付け」。

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     ↑:高松和樹、「今週のエコロジスト」・パネルにテント生地 屋外用顔料剤ジクレー アクリル絵の具 アクリルガッシュ その他 162.1×162.1㎝ 2009年。

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     ↑:高松和樹、「」。

 普段見ることのできない興味深い作品。ある人が東郷青児と語っていた。確かに遠くからの印象はその通りだ。青児はシルエットや色の濃淡で都会人のメルヘンを醸し出していた。

 メルヘンに生(食)と死(解剖学的描写)を解け合わせ、疑似宗教的な神秘と妖しさを味付けしたような作風だ。前提にあるのは都会という「虚」と「理」であり、画家自身の若さから来る「遊び」だ。

 CDスキャンで人体を輪切りし、その一枚一枚にグラデーションを付けて重ね合わせたような絵だ。そんな風に画家は語っていた。
 背景の高層ビルは各階毎にも輪切りにされて、砂上の楼閣のような静けさだ。


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     ↑:招待作家・棚澤寛、「飛職俯会図」・アクリル パネル。

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     ↑:棚澤寛、「行方不明」・アクリル パネル。

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     ↑:棚澤寛、「振乱女学生鳥瞰図」・アクリル パネル。

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     ↑:棚澤寛。「空と大地の狭間で」・アクリル パネル。

 同じく本州からの招待作家。見た目は違うが、「緻密さ」と「遊び心」、そして仕上げは「綺麗」にということでは共通している。
 幸い個人的に作家と何点か聞くことができた。作家は旭川に親戚があるので、それなりの数で北海道と本州の空の旅を経験している。その空から見た風景が多く作品に反映されているようだ。もっとも、風景自体は写生ではなく作家好みのアレンジや空想が入っているのは当然だ。
 「以前は風景ばかりと仰るが人は描かなかったのですか?」との問いに、何気ない親族の言葉で人が入り出したという。
 だが、今の絵は風景が従で人が主だ。絵の意味が変わったのかもしれない。人を描くために多くの労力と時間を「風景」に注いでいる。精緻な風景があるから、絵としての人が生きてくるのだろう。
 漫画やイラストでこういう作風と出会うことがある。それに比べると何たる壮大さ!大いなる浪費!今やコンピューター加工で似た絵も創作可能だろう。肉筆で精緻な「風景」という嘘に、更にコミカルに「空飛ぶ少女」という嘘を重ねて、観念としての「実」が生まれるのかもしれない。
 従の鳥海図を一心不乱に立ち上げる、作家の姿を堪能させてもらった。


 (より若手の②の紹介に続く。)

by sakaidoori | 2010-03-17 21:47 | 時計台


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