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栄通記

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2010年 03月 17日

1226) 円山・CAI 「第14期 CAIアートスクール卒業作品展」 3月14日(日)~3月20日(土)

○ 第14期 CAIアートスクール卒業作品展

 会場:CAI現代研究所
     中央区北1条西28丁目2-5
      (環状線から北海道神宮方面に曲がり、直ぐの左側の中小路に入る。
      50mほど先の右側、コンクリートの一階建て。)
       電話(011)643-2404 (13時以降)

 会期:2010年3月14日(日)~3月20日(土)
 休み:
 時間:13:00~19:00 

※ オープニング・パーティー:3月14日(日) 19:00~

 【出品学生】
 渡辺千恵 若井ちえみ 吉井見知子 松山幸代 澤山淳 佐藤翼 北上由理 神崎剣抄 川上大雅 加藤望 片山亜耶 浦田弘幸 伊藤直美 ・・・以上、13名。
    
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・14)

 当然と言えば当然なのだが、今年も例年とは一味違う。全体の印象を一口に言えば、「野暮ったくてストレートな表現」だった。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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 階段を降りた半地下の一室が情景の会場風景。
 他の展示ブースは奥の階段を上がった狭い部分と、左側の黒い暗幕でふさがれた部屋だけ。


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     ↑:若井ちえみ、「脈」・雲竜柳。

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 雲竜柳の枝を「脈」のように束ねて壁に取り付けただけだ。この枝で巨樹の生命力に思いは馳せているのだろう。単なる「装飾」でもあろう。単純にして明快なる主張、力勝負の根性の入れようが気に入った。
 緑の若葉が見える。今年も春が来た。


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     ↑:片山亜耶(彩サクラ)、「(?)」。

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 元気一杯の大作だ。性と暴力と遊び心と七色の世界だ。
 被写体の女性軍は作家を含めて6名、七色のスナップ写真にそれぞれの迫真の演技?がひしめいている。スケベ度を求めれば「もうチョット」と檄を飛ばしたくなるが、なかなかの演劇空間だ。
 今回のエネルギーはチョットやソットでは収まらないであろう。もちろん、エロスばかりが作家の関心事ではないだろう。だが、内なる「生命力」をボンボンと外に出したくてたまらない時期なのだ。他人から「静かにセイ!」と言われるまで、いや言われようがとがめられようが「片山亜耶軍団」が街を闊歩してもらいたい。

 絵はイラスト的で色をちりばめるのが好きなのかもしれない。詩も用意されていた。
 絵と詩と写真と演技の片山亜耶。


[#IMAGE|f0126829_151232100.jpg|201003/17/29/|mid|     ↑:川上大雅、「depth.」・ミラーボール。

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 小部屋だが、実質個展空間。
 昨年もミラーボールを使っての個展をCAI02で開いていた。その時は動きもあったり意外性を演出したりと、個展を開くことのできた喜びで充満していた。
 今作、前回のネオンチカチカというノーテンキな外への放出をぐっと押し止めている。自分自身を見つめている。「表現者(アーティスト)になるんだ!」という宣言のようだ。前回は目くらましのにらみだったが、今回は見る見られるの対等性がある。
 その姿勢は頼もしい。真摯でもある。だが、発表は始まったばかりだ。ノーテンキになったり羽目を外したり、時には天然居士にアクロバットにと、普通でないことをしてもらいたい。

 ところで、作家は創世川の右側に小さな展示ギャラリーを構える予定だ。プロデュース的なことにも関心が及んでいるみたいだ。具体的にどう機能するかはわからないが、期待しよう。様子が分かり次第報告したいと思う。


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     ↑:澤山淳、「ノン・タイトル」。

 全くのナルシストの世界だ。上映時間は10分ほど。その間作家の顔だけが流される。パソコン画面に、モニター鏡面に、写し出される水面の表面にと作家の三つの顔をただただ見るだけの作品だ。
 自己を見る作品ではない。自己に魅入っている場に、鑑賞者はたまたま居合わせたにすぎない。それは作品以前と言ってもいいかもしれない。だから「悪い作品」と言い切れないのが美術の面白さだ。

 作品の最後、大きめの顔が更に大きくなった。変だなと思って見ていると、作家青年は感極まって説明してくれた。「実は泣いているのですよ。涙なんです・・」
 あー何と言うことだ。この自己耽溺!!うらやましい限りだ。次は彼が涙を流さざるを得なかった「何か」を僕は見よう。延々と10分間、たとえそれが退屈でも付き合おう。作品ができたら連絡して欲しい。


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     ↑:渡辺千恵、「imag」・アクリル ガラス等。

 半階段を登った物置のような空間での展示。綺麗に綺麗に見せる空間を作っている。完結度の高い作家だ。最後に見るのは鮭の卵が眠っているような水槽。その水槽の上にイラストがあるが、中味はちょっと怖いストーリー。イラストによるその怖さは、全体の雰囲気と合っていない感じで余り怖くはないのだが、このアンバランスが作家の持ち味かもしれない。

by sakaidoori | 2010-03-17 16:27 | CAI(円山)


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