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栄通記

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2010年 03月 06日

1220) ミヤシタ 「守分美佳・展」 3月3日(水)~3月21日(日)

○ 守分美佳・展

 会場:ギャラリーミヤシタ
    中央区南5条西20丁目-1-38 
    (西向きの民家)  
    電話(011)562-6977

 会期:2010年3月3日(水)~3月21日(日)
 休み:月曜日(休廊日)
 時間:12:00~19:00 
     (最終日は ~17:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーー(3・5)

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

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     ↑:会場風景・①
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     ↑:会場風景・②
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 大きい絵がでてきた(②の2点)。見ていてすっきりしてとても気持ちが良い。
 初の試みであるモノトーンに徹して更に良い・・・と言いたいが、色を描いてしまった。作家は自分の好み・主張を優先して絵画の可能性のを開け損ねた。


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     ↑:①の左側の作品。

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     ↑:上の作品の部分図。


 一番上の会場風景写真①を、遠くからズーッと眺めて少しずつ近づいていく。ハッとしてしまった。つまり、この絵は地図なのだ。縁取りの茶色の線は輪郭線ではない。「これは輪郭線ではないね!、えーとー、えーとー・・・」と言葉を探していたら、「道です」と間髪入れずに応えがきた。更に絵を説明して、全体は畑だと言う。つまり、具体的実景があって、それのイメージ化なのだ。抽象化と言っても構わないのだが、画家にとっては「抽象」という実感はないだろう。(もしかしたら、女性の辞書には「抽象」という言葉が無いかもしれない。)

 画家は白黒に初めて挑戦したという。描けれない「モノトーンの世界」。画家の心から何故だかこだわり気分が消えて、白黒を描いた。それは昨年の夏だ。
 なぜ守分美佳が畑を描くか?それは知らない。(聞きもしなかった。)なぜモノトーンの世界を描けれなかったか?人にはそれぞれ理由があるだろう。だが、畑を愛して素直に夏の畑を見れば、緑の間にふっくらとした香しい「黒」が見えるはずだ。それを絵にした。ただそれだけのことだ。ただそれだけのことを、人はあれこれの理由で素直に受け入れられない。何て面倒な生き物だろう!

 ここまでは実景と絵との関係だ。素直な関係だ。だが、絵には絵自体の問題がある。犯すべからざる絵の世界があると思っている。
 畑のみの「白黒」の世界にした。ここには絵画としての大胆な飛躍がある。道を「茶」にした。これは、そのまま万人の「道」のイメージに追従する姿勢だ。絵としての格闘がない。可愛いネコを可愛く描いただけの話だ。
 色があることによって、確かに絵は優しい。たった3色なのに春爛漫だ。あぜ道に咲く野の花を思う。畑が田んぼになり、レンゲが咲いているようだ。僕には郷愁の世界だ。だが、いつでも色を添えれるのだから、今回はどうしても色なしの「道」を描いてもらいたかった。その絵が成功か失敗かは別の問題だ。それをするのが画家だと思っている。


 そうは言っても、何年か前の袋小路の絵を思うと、とても嬉しい。大きさ以上に広がりを感じる。今は囚われの心を一枚一枚脱いでいく過程なのだろう。そして裸になった「守分美佳」。天真爛漫のオテンバ娘になって、白も黒も緑も黄色も、直線、曲線、乱れ線とグイグイ行くかもしれない。いや、行って欲しい。


 今回は2階にも展示している。なんて意欲的なのだろう。

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 春夏秋冬の世界だ。色を楽しんでいる。面と面の境がしっかりしていて迷いが無いように見える。スッキリしている。

 会場の守分由香さんはピンクの上着を着ていた。眩しかった。これは何かあると思った。2階でピンクを発見!充実の半年だったのだろう。

by sakaidoori | 2010-03-06 23:50 | ミヤシタ


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