2010年 03月 05日
○ 2010年 行動展北海道地区作家展 会場:札幌時計台ギャラリー 中央区北1条西3丁目 札幌時計台文化会館 (東西の中通りの北側にあるビル) 電話(011)241ー1831 会期:2010年3月1日(月)~3月6日(土) 時間:10:00~18:00 (最終日は、~17:00まで) 【参加作家】 (DMを拡大して確認してください。) ーーーーーーーーーーーーー(3・2) (個人的記録の為に撮影をしたのですが、撮れば載せたくなり、急遽関係者の承諾をえての記事です。記録の不備や、いざ載せるのなると不向きな写真も多くて、不本意なところです。) 全国公募展もたくさんあるのだが、やっぱり団体によってかなり違うものだ。僕の見るのは道内作家展だけでの判断だが、全国展はどうだろう。一度集中的に東京で見たいとは思うが、無理だろう。金が無いのはひとまず置くとしても、公募展だけに意識を集中する時間がない。時既に遅しの感がある。 さて、北海道作家による行動展だ。 一人一人が絵筆一本で勝負というムテカツさで、まとまりはほとんどない。渡世人集団とは言はないが、「君は君、僕は僕、互いにあっち向いて山を登ろう、すれ違ったら挨拶ぐらいはしよう」。独立展が「人間探求型情熱集団」と言えるとしたら、「朴訥型マイペース集団」か。 それと、絵のインパクトの強度にかなりの差がある。会員クラスと一般クラスの質の差なのだろう。 (以下、敬称は省略させて頂きます。) 肉片のような薄気味悪い絵を描く近藤みどり。肉塊という物質的なものと、肉無くしては成り立たない精神世界、その狭間を探求されている方と思っている。女性特有の「肉」への迫り方だ。今作、その「肉」が花弁になり、「花」が生まれた。 最近は「肉」のグロテスク的表現は薄れ、美しさに傾斜していた。それが一気に「花」になった。 鎮魂歌ムード一杯の富田知子。上部のラグビーボ-ルの大きな半割が、色が大胆だ。赤が絵を押さえ込んでいる。背景の十字も画面中央ラインを貫いて、安定した構図だ。羽根の表現がちょっと普通すぎて、物足りない。 絵を「綺麗にとか、美しく」とからは離れた作家のようだ。メッセ-ジ性の強い絵だろう。 「復活」と言えばキリストで宗教色が強いが、そうではないだろう。「大地の復活、男根性の復活」、要するに「力」を求めているのでは。 画面中央には「鏡」のような反射板がコラージュされている。それは作家の得意とする遊び心だろう。鑑賞者にのぞき込ませるように強いているのだ。 好きな作家だ。 以前にも見た絵と思うが、どうなのだろう。すくなくとも、氏の「凶女」は見たことがある。その時の印象と違うのは、背景の黄色だ。こんなに具体的な炎だっただろうか?似て非なる新作か、描き足しか、全く同じ作品か・・?。 氏はベテラン作家だ。誇張満点の人物、乱雑な室内風景、色が背景で荒れ狂う。精力盛んな画家だ。 とにかくエネルギッシュに描く青年だ。その量は相当なものだ。沢山描けるということは、それだけで画家としての才能があるということだろう。実際、この2、3年の成長は著しい。 さて、石川・抽象画、無手勝流の今展の中では一際(ひときわ)おとなしかった。円環風の画題ではあるが爆発することなく内に沈んでいる。発色を抑えられた色は薄く淡い。右の絵は黒が命だが平板すぎたようだ。黒の探求は続くのだろう。左の絵は形を生みたいのだろうが・・・、もっと失敗した大胆な絵を見たかった。ともに綺麗に収めたいという無意識的美観から逃れられないようだ。それは石川青年の性格だろう。 小さなまとまりは実に残念なことだ。画家の描きたい意志を連想すれば、いったんは外にエネルギッシュに拡がって、優しく内に収斂される、そういう絵でなくては。 描きなぐりの壁画を描きたいと言っていた。本当にするべきだ。そうすれば意識がもっと外に行くだろう。人に見せるというよりも、自分の為に体験すべきだろう。 可愛いく楽しい絵だ。 もう少し色や構図が踊ったら楽しいのに。丹念に線に取り組んでいる。
by sakaidoori
| 2010-03-05 12:33
| 時計台
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アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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