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栄通記

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2010年 02月 17日

1201) 大丸藤井セントラル 「札幌大谷高校美術科 第21回卒業制作展」 終了・2月1日(火)~2月7日(日)

○ 札幌大谷高校美術科 第21回卒業制作展

 会場:大丸藤井セントラル 7Fスカイホール
    電話(011)231-1131
    中央区南1条西3丁目
     (東西に走る道路の南側)

 会期:2010年2月1日(火)~2月7日(日)
 時間:10:00~19:00
    (最終日は17:00まで)

ーーーーーーーーーーー(2・4)

 おおむね、高校生展は終了しました。多くは会期中に載せれませんでした。おいおい載せていきます。「大谷高校」、「北海高校」、「旭丘高校」、「道展 U21」などです。

 今回は「大谷高校」です。

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 絵画部門、立体部門、デザイン部門の3部構成です。毎回同じ展示方法です。入り口側の壁面に絵画作品。残りの壁面にはデザインというか、非絵画作品の展示。中央の空間に立体作品です。いつものように、絵画と立体作品のみの紹介であり、文章です。

 絵画は個性バッチリで充実しています。
 フワーッとした作品も多くあり、それらは瞬間的にはインパクトは少ない。不思議な感じで見ていると、「何を画きたいか」が明快で、「フムフム」と見続けてしまって、なかなか楽しい時間でした。

 立体作品、個々はおもしろいのですが、全体の印象はどことなくコンパクトな感じ。「小さな幸せ、小さな表現、だってオンナノコダモン」そんなつぶやきが聞こえそうです。男子学生不在だからでしょか、もう少しオテンバ娘振りを発揮してもらいたいところです。
 原因の一つに、作品の大きさ制限が足かせになっているのではと思いました。全員がバカでかい作品では関係者も困るでしょう。その辺はケースバイケースで対応して、より大きな作品にチャレンジする学生がいてもいいのでは。

 それでは、個別作品を何点か紹介します。
 まずは絵画で、インパクトの強い三羽ガラスから。

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     ↑:左側 ①岳田ななつ、「quill」。
     ↑:右側  ②渡辺ちはる、「ロマンチック」。

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     ↑:③小島小夜、「ゆりかご」。

 どうですか、このギラギラ振り!それぞれの視点はかなり違いますが、主張が明確・明快・爽快。しかも、単に元気良いばかりでなく、「絵」というものをかなり操り、「絵」に対して自由なのが良い。

 ①の羽根の絵が特に気になるります。「自分の好きなもの、画きたいものを詰め込みました」と学生は語っています。
 その詰め込まれた物がマジシャンの不思議袋の中で顔を出しているみたい。一見すると何なのかは判りにくい。一つ一つの部分を、元気よくたくましく描き上げ、それぞれに好みの順番をつけない。その平等精神が、かえって何を画いてるかを判りにくくして、絵の魅力を増している。

 ②の人物画も目を惹く。人物を白い点線で囲っているのが注目だ。この部分が強く目に飛び込んで、個別の物の強さを減らす効果になり、全体で3D的な立体画になっている、「渡辺ちはる風・遠近法」だ。
 「目」が飛び込んでくる、女の子の「顔」が迫ってくる、「帽子」の中の生き物たちも負けずに追っかけてくる。「赤いリボン」が凛々しく眩しい。背景の色の縦縞もセールス・ポイントです。

 ③の「手」、ただの大きな大きな「手」です。「この中は安全だよ。でもずっと居ちゃいけないよ。白い小鳥へ」、学生の言葉です。
 「手」を鳥のゆりかごに見立てている。
 ここに二人の小島小夜さんがいる。力強い自分という「手」。卒業、18歳を過ぎる宣言かもしれない。その手は、か弱き小鳥という「自己」にもなる。二人の自分、大きな存在、小さな存在。卒業する自信と不安・・・、タイトルと重ねて見た時に、もう一つの鑑賞ができる作品です。

 次に静かな作品です。

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     ↑:左側 ④・吹田侑華子、「めいてい」。
      ↑:右側 ⑤・佐藤しおり、「こんばんは」。

 両作品とも、学生の説明文には感心します。

 ④吹田さんの「めいてい」、高校生なのに変なタイトルです。
 吹田さんの高校3年間は酔っぱらっているかのような楽しさ一杯とのこと!でも、「絵」にかんしては低迷時代で辛かったと!そんな「酩酊(めいてい)」で「低迷(ていめい)」な気分での作品です。
 絵が描けなかったと彼女は言う、モヤモヤしていたとも言う。青春を本人の代わりに「絵」が苦しんでくれたのでしょう。カンパイしましょう、メイテイさんに!

 ⑤は暗い作品だ。高校生のブルーな心象風景なのかな?
 「静かで生命感のない建物を描きました。建物の奥行きや寂しげな所をみてもらいたいです」
 あー、何て正直な言葉なのだろう。「空気感を出したかった」、そんな言葉でなくてよかった。しっかりと、その寂しげさを僕は見た。


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     ↑:左側 ⑥戸叶愛理、「蛹」。
     ↑:右側 ⑦姫野やよい、「BOX」。

 ⑦のボックスが良い。もう、完全な抽象画と言ってもいいかもしれない。画いた人が「四角を描いた」と言えばいいのです。それにしても、何もないBOXだけを描こうという心根がいいですね。何がしかの気分を伝えようとする絵でしょう。物に囚われないで、色と形と組み合わせだけで絵にする。絵画のスタンダードをしっかり実践しています。

 他にも面白い絵画が沢山あります。残念さを理由にして、この辺で立体に移ります。直ぐに移りたいのですが、疲れてしまったので、後日ということで。ゴメン!

by sakaidoori | 2010-02-17 17:45 | 大丸藤井スカイホール


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