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栄通記

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2010年 02月 15日

1197) ト・オン・カフエ 「武田浩志・作品展」 終了・2月2日(火)~2月14日(日)

○ 武田浩志・作品展

 会場:TO OV cafe(ト・オン・カフエ)
     中央区南9西3-1-1
       マジソンハイツ1F
     (地下鉄中島公園駅下車。
     北東に徒歩2分。北東角地。)
      電話(011)299ー6380

 会期:2010年2月2日(火)~2月14日(日)
 休み:会期中は無休
 時間:10:30~22:00
      (日曜日・ 10:30~20:00)

ーーーーーーーーーーーーーーー(2・13)

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     (↑:屋外からの風景。)


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     (↑:屋内風景。)


 特に総合タイトルはない。こんな名前を付けたくなった。「タケダクンチと仲間達」、あるいは「誰かが居るのか居ないのか、僕の心」。

 今展は武田浩志にしてはいつになくしっかりと強い展覧会だ。

 絵画作品は薄塗りの淡い色に覆われて、輪郭をごまかしているようだ。「弱さ」を越えて「柔(やわ)」過ぎる。その力なく思える態度に、「どうしたタケダ君」と、エールを贈る仲間がいるかもしれない。
 だが、描ききることを拒否した態度は強い意志の表れかもしれない。淡い絵画作品が何もない空間中央をス透かし見つめている、会場全体を一つにまとめようという強い意志が働いているのも事実だ。その決意のような態度に、「どうしたタケダ君!」と、笑みを浮かべてウインクを贈りたくなってしまった。

 彼は「器(うつわ)」を作っているのかもしれない。器の機能性と形の美学が、彼の狭い意味での美学やデザイン感覚の発揮の場だ。そして器には閉じこめられた空間ができる。そこに自分が入らない。自分を不問にするというか、他者の作品をそこに投げ込むことによって、器全体がどう変化するのかを楽しんでいた。確かに安直な関係性・構築性は実現できただろう。だが、茶器と茶をたしなむ一期一会的な緊張感を、過去の「武田システム」からは伺えなかった。彼の優しさが邪魔をしていたと思う。

 今展、しっかりと自分の器の中に自分を投げ込んだ。
 そこで見えた彼の美学とは、実体のある「美術作品」で、実体のない世界を作りたいという意志だ。
 彼は家を好む。器師・武田浩志にとっては願ってもない世界だ。そして、その住人である個々の「明瞭なる人」よりも、「人と人との関係性」が大事なようだ。ある人とある人が「赤い紐」で結ばれ、いろんな色の世界が淡く重なり合い、「生きている証」を残していく。
 
 これは展覧会を見ないとわからないことなのだが、作家は部屋の中央を、意図的に何もない空間にしているようだ。円陣形に作品が並べられ、舞台中央に焦点が煮詰められていく。神域と言うには少しオーバーだが、相撲の土俵のような場になっている。土俵、それも神域なのだが。


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 画家の妄想が生んだ「タケダクンチ」の住人達。「花子さん、太郎君、ケンチャン、ター坊・・・」、明らかに「顔」を画けない画家の姿だ。そして、人の姿も朦朧とした色の闇に包まれている。「大人になることを・・・」、優しさと拒否の世界。
 一番下の「子供」が特に印象的だった。限りなく「顔」が無くなっている。「顔なんて、いらないさ~、風が持っていったさ~」


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 タケダ・荷車に乗って、お父さん山とお母さん山の移動だ、御神輿だ。
 四角い和紙?を子供たちがペタペタ貼って、淡い色が何層にも重なって見える。「セクシャルさ」や「汚れ」からは無縁な子供達の「家族遊び」のよう。


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 宝石箱のような「タケダクンチ」。
 首飾り風の半円形のデザイン、僕はこれを「タケダ模様」と言っている。彼の発表作品には間違いなくこの意匠があります。もう、こういうのは良し悪しを離れて作家そのもののデザインなのでしょう。


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by sakaidoori | 2010-02-15 15:19 | (カフェ)ト・オン


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