2010年 02月 14日
○ 上海摩登 ~中国現代美術展~ (2会場での、上海を代表する現代美術作家8名の展覧会) ◎ 会場:CAI02・raum1 中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 (地下鉄大通駅1番出口。 注意⇒駅の階段を下りてはいけません。 昭和ビルの地下2階です。) 電話(011)802-6438 会期:2010年2月6日(土)~2月20日(土) 休み:日曜・祝日(定休日) 時間:13:00~23:00 【参加作家】 ◎ 会場:ギャラリー 門馬 中央区旭ヶ丘2丁目3-38 (バス停旭ヶ丘高校前近く) 電話(011)562ー1055 会期: CAI02と同じ 時間:11:00~18:00 休み:月曜日 ※ オープニング・セレクション ⇒ 初日 18:00~21:00 於・CAI02 (無料ですので、気楽に参加して下さい。) 主催:上海現代美術実行委員会 企画:Office339 ーーーーーーーーーーーーーーー(2・13) 上海からの「中国現代美術展」です。門馬ギャラリー本宅と、大通のCAI02の2カ所を利用した展覧会です。 こういう機会は少ないので、美術ファンは是非見ておきたいところでしょう。もちろん、「現代美術」ということですから、意見の違いや好みの分かれるところが、多々あるのは当然です。 今日は、CAI02を紹介します。 全員で8名の参加ですが、当館では3人の出品。上の会場風景は全作品をカバーしています。 「色の強さを全面に出した抽象絵画であり、前向きな悩みのない元気良さ」、という印象です。元気は良くて、伝統色も薄く古色さはないのですが、「一本勝負の古さ」を思う。 「元気良さ」は現代中国社会の幾つかの反映かもしれない。 一つは、中国は共産党主導の社会主義だが、市場原理を大胆に取り入れて、経済発展が著しい。バブル的要素を内包しながら、急激な右肩上がりの元気良さが美術界にも反映しているのだろう。 一つは、かつての毛主席主導の「文化大革命」を限りなく否定して(毛沢東が建国の父だから、全否定出来ないのが苦しい)、ある一点を覗いて自由に意見交換が出来るようななった。経済に負けず劣らず、前向きな疾風怒濤の思想界・美術界かもしれない。 ただ、「現代美術」の健全な表れの指標として、政治批判、特に中国共産党批判が出来ないのが致命的なところです。だから、社会批判も中途半端になる。社会の負と表現者とが対峙することを困難にさせている。 あるいは、欧米の美術界は「個の表現として作品」いう視点よりも、「作家ー作品ー社会という関係性」を重視している。現中国は美術表現者の過去にこだわらない社会関係の構築に、見えない「フタ」をしているかもしれない。その代わりに「売れる、儲かる」という、「商」の世界を官民の共通話題にして美術と社会を結びつけているのかもしれない。 上海は現中国の市場社会の縮図なのに、今展を見る限りでは「中国作品」であるかないかも疑わしい印象すら覚える。作品も、ニューヨークのビルディングに展示するのにピッタシのようだ。CAIの地下室は人間臭い舞台装置を妊んでいるが、今展はデザイン的に合うようで、個性的な美術表現としては合わないような、ちぐはぐな感じがした。 だが、「中国現代美術」は、厳密な意味では始まったばかりかもしれない。いつまでも「売れる」のが美術の表看板ではないだろう。定期的に見続けていけば、他ではわからない中国人の精神世界が見れるかもしれない。 いつものような前置きが長くなってしまいました。個別作品を載せます。 ○ 曲丰国(Qu Fengguo) 世界地図という空間がキャンバスで目くるめくようにのたうち廻り、緯度線がシャープに世界を斬る。線は横断して見果てぬ世界に突き抜けていく感じ。 綺麗さと同時に、画面全体に手を抜かない脂っこさがある。 ○ 薛 松(Xue Song) 「モダンアート刺青」のよう。肉体の上を彫り師が、「字」や「写真」という意味というしがらみを埋め込んでいるみたい。最後は格好良く、もろ肌を晒す。だが、生肌は色と模様で覆われている。己を隠して完成だ。 配布パンフには、コラージュによる政治的主題の作品も載せてある。そういう作品が見たかった。 ○ ○墻(Chen Qiang) ・・・(注意⇒漢字は略字体のため書けれなかった。) 「アメリカ輸出向けの爆竹」、そんなイメージ。自転車のチェーンを想像したりと、一番遊び心がある感じ。もっとも印象に残ったのだが、「だから何だ」と問われれば、「意味不明のモダン・アート」と応えておきます。
by sakaidoori
| 2010-02-14 18:27
| CAI02(昭和ビル)
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丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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