栄通記

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2010年 02月 11日

1191) ①市民ギャラリー 「2010 第3回 道展U21」 2月10日(水)~2月14日(日)

○ 2010 第3回 道展U21
      
 会場:札幌市民ギャラリー
     中央区南2条東6丁目
     (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2010年2月10日(水)~2月14日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:10:00~17:30
     (初日は 13:00~、最終日は ~16:00まで)

 主催:道展

ーーーーーーーーーーーーーー(2・10)

 昨年も沢山の作品の展示だったが、それを超す作品数のような気がする。天井高き第1室は4段掛けというアクロバットさ、大盛況のお祭り展だ。道展関係者の見事な展示振りに拍手喝采を送りたい。

 それでは、その展示風景を楽しんで下さい。


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     (↑:1階ホール。)

 これから先の部屋の展示には辟易だ、そういう鑑賞者はホールだけ見て帰られても良いかもしれない。個別個別の作品がしっかり見れるし、それなりに選ばれた秀作の展示空間です。
 完成度の高い木工作品は、ほとんど「おといねっぷ美術工芸高校」です。まろやかな表面仕上げと、夢のある造形です。

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     (↑:第1室。)

 アッパレと言うしかありません。
 作品が余りに高い場所にあるので、キャプションの位置に困ったようです。作品の横に添えたら、高すぎて読めなくなってしまう。そこで考え出てきた、道展的知恵袋。下段の真上に横並びの配置。目の高さで、読むには最高です。そして、「上段 ○○」、「中段の上 ○○」、「中段の下 ○○」、「下段 ○○」、若干不便だが、関係者の苦労を思うと、涙がでてきそうです。


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     (↑:第2室)

 二段組みの中で、中央で独立した展示作品が、今展の最高賞です。「U21大賞 大谷短期大学部・佐藤綾香、「INSIDES BLACK」。

 
 以下、そのリズミカルな展示の紹介です。

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 ②に続く予定ですが、1階ホールから自分好みを何枚か載せます。

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     ↑:北海道美術館協会賞 札幌稲雲高校・笹村美穂・「くうねるところにすむところ」。

 抜群の暗さだ。店の商品棚に、普通に寝そべって食べて「生活」している。身をかがめていない描き方が良い。身のこなしではなく、表情が全てを語っている。死んだ顔だ。全ては満たされている、不満など一つもない。食って、寝て、学校に行って、だべって、ただそれだけだ。


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     ↑:入選 稚内高校・相澤里咲・「凡庸」。

 こういう作品を見ると、自分好みがつくづく分かる。中央にドーンと画きたい主題を置いて、廻りをカラフルに飾る。そして、主題のふっくらとしたお餅のような小太り感。もう少し格好良く言えば、何かを雪が覆っているような大らかで膨らんだ造形感覚ということです。
 ニンマリと作品を見た後でタイトルを読むと、「凡庸」とある。ガーンと後頭部を打たれそうだ。「私の絵が好きだって、何て『凡庸』な人でしょ。でも、私も同じだから、そういう人、ダ~イ好キ!!」
 凡庸なるかな、我が絵画感。


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     ↑:奨励賞 岩内高校・原島勝成、「生きる代償」。(1階ホールの展示作品ではありません。)

 やはり、中央にドーンという視点の作品。排水溝に注ぐ太い排水管を見る目です。ずーっと見ていると、排水管が「目」に見えてくる。
 廃水とその設備を「生きる代償」と学生は見ている。絵で見る限り、汚く画いていないから「負としての代償」のようには見えない。なぜかしら、排水管の辺りが好きになって画いてみた。タイトルは後から格好良く付けてみた。そんな感じでは?

 ところで、岩内高校は伝統的にクローズ・アップにして学生の心象を画くという傾向があると思っている。そういう意味で、好きな学校です。美術顧問の指導法だと思う。「素直に自分を見ろ、そして絵にせよ」
 今展、このクローズ・アップ法の作品がかなり目立った。最高賞の作品もそうだ。特におといねっぷ高校の作品は目を惹いた。
 おといねっぷ高校絵画作品。確かに上手い。上手いが、こう画けば印象的だという方法論としての作品が多過ぎるようだ。クローズ・アップせねばならない学生の心が伝わらない。もしかしたら、強い心の表れかもしれないが、見せ方の上手さや技術の方が優先され過ぎているのかもしれない。確かに多くの賞を確保した学校だ。学生や関係者の努力は並大抵のものでは無いと思う。だが、「おといねっぷ」という地方に住んでいる「田舎・臭さ」が伝わらない。札幌という地方の中核・都市に目が行き過ぎているようだ。
 音威子府とは無縁な学生が大半かもしれない。他の高校生と同じく田園風景が原風景という青年はいないかもしれない。だから、彼等に素朴な田園風景や田舎らしさを求めはしない。これだけ上手い絵を描く学生達だ。技法の指導は当然として、学生自身の独自の感性を引き出す指導、山を見てもそれぞれの山、古典的・デザイン的構成を無視することによって出てくる感性の視覚化、要するに「学生臭い作品」をより多く見たいものだ。


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 (会期終了後になると思いますが、②に続く。)

by sakaidoori | 2010-02-11 12:50 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(1)
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Commented by 根保孝栄・石塚邦男 at 2013-01-16 02:51 x
さすが道展、厚みが違いますね。

具象、抽象それぞれの味と高い技術が目立ち、光ってます。


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