2010年 02月 05日
○ 第4回 道都大学・学生作品展 会場:時計台ギャラリー 2階A・B室 3階全室 北1条西3丁目 札幌時計台文化会館 (中通り南向き) 電話(011)241-1831 会期:20010年2月1日(月)~2月6日(土) 時間:10:00~18:00 (最終日は、~17:00まで) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(2・1 4) 卒業生は16日から市民ギャラリーで卒業制作展が開かれます。それ以外の在校生の作品展。 中島ゼミで版画(シルクスクリーン)を学んでいる学生の作品は、中島ゼミ生を中心に展覧会でかなり見ている。だから気分は親しい。 全体の印象は日頃の勉学の成果を淡々と発表しているという感じ。 絵画も沢山見れて良かった。絵画は道展的な傾向で、堅実な風景画もあった。年配の鑑賞者が「こういう風景を画く学生は、ズーッとこういう風に行くのかしら?」と、ほほ笑んで話されていた。「はっきりは分からないが、おそらく変わるでしょう。今は勉強時代だし、とりあえず、風景画が絵の入り口なのでしょう。将来の変化よりも、長く絵を画いて、他人に見せる絵描きになってもらいたいですね」と、返事をしておいた。 絵画と版画の紹介だけにします。 チューリップ達の赤さと全体のピンクさが目立ち、青春らしい深刻さが少し薄れた。人物は当然自画像でしょう。 思い出を誘うような線描と、軽い華やかさで踊っている色の世界。どうせなら、F100位の大判が見たい。タイトルがなかなか意味深です。 オーソドックスな静物画的構図。上部の細やかな華やかさ、ざっくばらんな青や赤や黄の強い主張がお気に入り。まだ2年生というのに、しっかりした技術です。 モデルは親族なのでしょうか?人物画というよりも、モデルを讃える肖像画的要素の強い作品。 この大学の絵画の作風を見ていると、指導者は古典的な細密画を得意としている画家のようだ。学生の短期間での技術の習得には驚かされる。情熱的というか、きびしい指導をされているのだろう。きつく対象を見る目を育てているのだろう。あとは、学生自身が自分自身と対話し、この技術を伸ばすか、放棄するか、自己表現という大海にでるしかない。 突っ張りひょうきん族の児玉ワールド。何かにつけ雑な仕上げが彼女の特徴。細かいところよりも、遠くを見つめていたいのでしょう。雑さ加減は青春模様とも繋がっていて、悪くはない。将来は、その雑なところも意識的に取り組まなければならないのでしょう。 (↑:B室。中島ゼミ室。) 意欲的出品の中村理紗。ご本人同様、あどけなさが漂う作風だが、「自分にはこれっかない」という直線的姿勢が好ましい。幼き頃のイメージが主体のようだ。丸くてまろやかなまんじゅうを頬ばるような輪郭線、皮膚感覚のもつれ具合にチャレンジしているようだ。セクシーというより、こそばゆい。 以前の個展時に、日記のようにして作品を沢山展示していた。その賑やかさに比べると、ムードは一変している。たゆたゆしく詩を紡ぐ、という印象。 「狡兎三窟(こうとさんくつ)」(=ずるいうさぎは三つの穴を用意して、逃げ道を確保している)、ポエムという趣は、何かの逃げ道かもしれない。 中村理紗と同様に、。「・・・いつの間にか少女は、大人に成っていく・・・」そんな詩が聞こえてきそうだ。 ↑:3年・住吉直通、左から 「脳欲望に焼かれ、体毒に蝕まれる」・H2 シルクスクリーン 手彩色 紙、「透明になるための儀式」・B1 シルクスクリーン 紙。 にぎにぎしく、住吉踊りの全開!!もう一作のタイトルは「お先真っ暗田舎娘」、ワンダフル・ネーミングだ。さて、未来ある都会坊やに乾杯しよう! 海産物を干してリズミカルな絵にするのを得意とする工藤悠。 道都大学シルク・テキスタイルにとって、この展示スタイルは基本のようだ。こういう発表は大事なのだが、応用編みたいなものも見たいものだ。安直な意見だが、浴衣を作るとか、他の表現者に作品素材を提供して、インスタレーション的作品に仕上げるとか・・・、方法はいくらでもあると思う。工藤君!期待しています。
by sakaidoori
| 2010-02-05 11:54
| 時計台
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丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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