1182) アートスペース201 「ヒトリヨガリノサンニンテン 『I★DOL』」 終了・1月２８日（木)～２月２日(火)

○　ヒトリヨガリノサンニンテン
　　　　I★DOL

　会場：アートスペース２０１　
　　　南２条西１丁目７・山口中央ビル ６階Ｂ室
　　　　（東西に走る道路の南側。）
　　　　電話（０１１）２５１－１４１８

　会期：2010年1月２８日（木）～２月２日（火）
　休み：水曜日（定休日）
　時間：１０：３２.～１９：００
　
　【参加作家】
　荻原そのみ　チキタリサ（知北梨沙）　羽山＠（羽山瞳）

ーーーーーーーーーーーーーー（２・１）








　
　３人展だが、会場には写真家・羽山＠と舞踏家・チキタリサの二人の対応。なかなかハッピーな二人組だった。そして、今の彼女たちは燃えている。表現する楽しさ、生の自分を晒す喜びで一杯だ。展覧会そのものは、タイトルに比べれば大人しい。この大人しさはこれからの彼女達の、よりハチャメチャで非日常の世界への進撃の第一歩だ。

　３人は約１０年前の大谷短期大学の同期の桜だ。
　羽山＠は自宅を暗室に換えてでも写真行為はしてきたが、発表歴はひよこの段階だと思う。
　チキタリサは卒業後も演劇活動をしていたという。そして、最近になって暗黒舞踏の世界に踏み込んだ。肉体的パフォーマンスということでは、舞踏は演劇との共通点は多い。だが、決定的な違いがある。徹底的に演技者個人に還元される度合いが違うという点。演劇と「言葉」は友達だが、舞踏は「言葉」の向こう側の世界でのたうち回り、限りなく肉体の美学を伴う点だ。

　チキタリサは暗黒舞踏に踏み込むことによって、ナルシニズムに目覚めたようだ。そういう自分を友人の写真家・羽山＠に撮ってもらう。一方、撮影家として自分の狭い殻を羽ばたきたいとしていた羽山＠は、生きた素材に素直に飛び込んだのだろう。ゲリラ的にチキタリサが白顔白装束で市内を彷徨する。その白昼夢的美学を追っかける。
　そこにもう一人の友・荻原そのみが、「私だって殻を破りたいわ」と、あこがれのアイドル・スタイルで「撮られる女」に変身した。恥じらいを捨てて街をアイドル姿で闊歩することになった。「女３人、パンチラ姿も怖くない」という気分で赤信号も厭わずに写真撮影会になったのだ。その成果が今展だ。


　写真作品におけるチキタリサの表情は、ナルシストを意識しすぎて甘い。荻原そのみは自作のコスチュームをまとう喜びが勝ちすぎて、表情が硬い。撮影家・羽山＠は慣れないアイドル姿の友の姿に、まだまだ接近できてはいない。羽山＠はチキタリサや荻原そのこにポーズ作りの注文を、ガンガンと厳しくせねばならない。怖い演出家にならねばならない。
　だが、そんな批判がましい言葉は今展では必要ない。何かしら、自分をさらさざるを得ない衝動、晒す喜びに目覚めた女達だ。大いにそのエネルギーを札幌とという街に発散して、わけのわからない広がりを作ってもらいたいものだ。


　　　　　↑：チキタリサのイラスト。

　　　　　↑：展覧会初日のチキタリサの舞踏風景。






　↑：撮影・羽山＠、演技・チキタリサ。（市街におけるパフォーマンス撮影。）



　　　　　↑：撮影・羽山＠。
　
　（羽山＠は白黒による渋い作品、しかもバライタ紙にもっかり手がけている。）

　　　　　　↑：荻原そのみ手製のコスチューム。






　　　　　↑：撮影・羽山＠、モデル・荻原そのみ。

　　　　　↑：荻原そのみ作。


　（壁面に飾られた作品は、ほとんどが羽山＠の撮影。）








　舞台中央では、展覧会初日にチキタリサのねじ式アイドル舞踊が披露された。約１０分間で、会場にも小さいながらモニターに流れていた。聖子ちゃん風のＢＧＭに乗って、ぐるぐる回り踊っていた。

　来年も間違いなく「３人展」は開かれる。
　彼女は踊る。彼女は撮る。彼女は絵とアングラ行為？。僕はブログにせっせと載せよう。


　（→：上がチキタリサ、下が羽山＠。）