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栄通記

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2010年 02月 03日

1181) ②アイボリー 「LOOP(2会場でのグループ展)」 2月1日(月)~2月6日(土)

○ LOOP

◎ 会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー)
    中央区南2条西2丁目 
      NC・HOKUSENブロックビル4階
    (北西角地、北&西に入り口あり)

 【参加作家】
 道内作家: カトウ タツヤ(絵画) 川口巧海(版画) ヒグチ リサ(イラスト・絵画) 児玉陽美(彫刻) 佐々木仁美(金工・彫金)
 道外作家: 芦野公平(イラスト) 小崎慎介(映像・立体表現・他) 黒石美奈子(版画) 佐藤美紀子(平面造形) 野嵜貴子(油絵) 平井うらか(絵画) 平野直哉(版画) 東影智裕(立体)

◎ 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F


 (両会場とも同じ)
 会期:2010年2月1日(月)~2月6日(土)
 時間:11:00~19:00
     (最終日は、~18:00まで)

 事務局: 鈴木悠高造形芸術研究所


ーーーーーーーーーーーー(2・2)

 グループ・ループは、若手中心、美術分野混合、札幌在住者を中心に幅広く国内から、を謳っている。彼等自身は「境界を越えた活動を目指すノマド(遊牧民)的表現者集団」と自称している。

 さて、2カ所の会場雰囲気はかなり異なる。
 当館アイボリーは、広い、高い、綺麗。そんな空間で、それぞれがテリトリーを微妙に侵犯しながら、静かにギラギラ自己主張している。道外作家の今の傾向だろう、ちょっとポップに、ちょっと胸騒ぎ、コンパクトで綺麗な仕上げ具合。
 ギャラリーたぴおは、広くない。会場をもっと埋め尽くしたかったと言わんばかりにエネルギッシュだ。ストレートな一本勝負と言った感じ。


 さて、アイボリー作家を何人か載せます。会期終了後でも、もう少し載せたいと思っています。

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     ↑:カトウタツヤ、「(全て無題)」。

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 見つめる男(自画像)に背を向ける見つめられる女。
 確かにイメージの世界だと思う。男と女の役割も若者心を反映していてロマンチックではある。だが、イメージを二次平面にバッチリと構築しようという、作家の強い意志が伝わり、一つの傑作だ。

 作家は札幌出身で金沢の大学で美術を学んだ。今回、見知らぬ人ではあるが道外作家と交わるわけだ。そのことに非常に刺激を受け発憤したと思う。もっとも、昨年来、自分の殻を飛び越えたいという意欲が、画面に透かし見えた。そういう作家自身の方向性に、上手くグループ展が混じり合って一つの結果を出したのでは。

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 つぶされた目、深みは無いが大胆な行動だ。女の背、いつも男はそれに魅せられる。もう少しエロチックだったらと思うが、それは僕の勝手な願望。


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     ↑:小崎慎介(埼玉出身)、バブルジェットプリント 阿波和紙。

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     ↑:小崎慎介、(ともに)「a guidepost」・バブルジェットプリント 阿波和紙。


 入り口付近の展示なのだが、帰る時に非常に人の心を悩ます作品群だ。ほんとに小さい作品なのに広い壁一面を使って、ズルイ!と仲間が言うかもしれない。だが、この壁には他者が入り込めない雰囲気。表現演出が抜群に秀でていて、他者は負けちゃいそうだ。

 作品は黒から赤提灯の舞台が立ち上がるというシチュエーション。「黒と赤」だが、闇夜を貫くどす黒く激しい哀愁ではない。深い意味はないのだが人の脳裏に入り込んで、入ったら心地よく遺伝子に組み込まれそうなウィルス的生命体だ。
 作家はとても器用な人だろう。写真・映像・音楽・舞台作りと何でもこなせるのでは。新しさの最前線に位置する人だが、大衆の人情にも気配りができる。神社からリッチ・バーまで等価に彼の前には「風景」があるのだろう。
 目の前に分かれ道がある。細い道と広い道。彼は悩みはしない。気分の趣くままに、進むのだろう。選ぶ道?選ぶ前にどんな「風景」にも、向こうの世界を軽く作るのだろう。



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     ↑:黒石美奈子(山形県出身)、エッチング メゾチント。


 これまた、小さな世界に若い女性心の軽さ楽しさ、そして、ちょっと悩ましい世界だ。
 意図的に「黒」表現にいろいろと取り組んでいると説明されている。その黒さがベストかどうかは解らない。こだわっている姿勢が強く作品に出てていて、イメージ作風のたゆたゆさと重なり眩しい。


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 ↑:左から、「何かを透かしてみる」、「ぺぇ」・エッチング メゾチント 雁皮刷り。

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     ↑:「待ってるの」・・エッチング メゾチント キャンバスに雁皮を裏打ち。



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     ↑:佐藤美紀子(北海道出身、関東在住)、全て「手の詩」・紙粘土 アクリル その他。

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 何とも、怖いような心地良いような・・・摩訶不思議な世界。
 ネズミの巣の世界を思う。ネズミの糞はほこりと土が混ざり合い、固まり形を与えられ、一つの生き物ー「手」として蘇生した。妖しきまでに人を手招きする。素性は綺麗な物ではないが、「生」を与えられた存在には浄・不浄は意味をなさない。
 巣穴を一生涯の住み家とし、何かに寄り添い、手招きし、孤独という友と遊び詩(うた)っている。






 

by sakaidoori | 2010-02-03 11:49 | 北専・アイボリー


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