栄通記

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2010年 01月 28日

1174) 時計台 「野口裕司・展  LAYER (レイヤー)」 終了・1月12日(月)~1月17日(土)

 野口裕司・展
   LAYER (レイヤー)


 会場:札幌時計台ギャラリー C室
      中央区北1条西3丁目
       札幌時計台文化会館
      (東西の中通りの北側にあるビル)
     電話(011)241ー1831

 会期:2010年1月11日(月)~1月16日(土)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで)


ーーーーーーーーーーーー(1・16)

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

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 「皮膚の人・野口裕司」と理解している。

 明るく美しい白地の皮膚であったり、腫瘍が浸食しているような皮膚であったりと、その時々の作家のありようで個展会場を埋め尽くしていた。
 皮膚ーー情報・感情・社会を受け取る場であり、内から外に発信する場でもある。関係の出入り口だ。
 
 野口裕司は枠内の絵画表現では収まらない作家ではあった。今展では大胆に音楽・映像を取り入れて、それぞれが4分、描画が2分の割合での視覚聴覚表現になっていた。

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 展示の全貌は、上の写真である程度わかるかもしれない。

 屏風仕立ての描画が10組、低く並んでいる。花道のような通路にもなっていて、鑑賞者は適当に歩くことが出来る。もっともその時は映像の邪魔をするかもしれない。こそっと、壁際を歩いたほうが良いだろう。
 映像が、部屋の天井と音楽プレイヤーの後ろ壁に映し出される。そして、デジタル構成された音楽が流れている。

 いつものように、しっかりと「自分自身」を具体的に出している。
 背後の中央で立っている立体はスピーカーだ。細く屹立する作家自身でもある。そこから、作曲家・野口裕司の新たな切り口がスタートした。細かいことは分からないが、タッチ・パネルによるコンピューター・デジタル方式で、音楽が奏でられるのだ。作曲できない画家が、音楽表現出来た喜びが会場を覆っていた。

 映像は断片的模様が派手に映し出されている。スピカーの上からは、いつもムカデが直線に伸びてピクピクしている。時々、先っぽの方だけが大胆にのたうち回ってハッとさせられる。ムカデはまさしく画家自身だ。心の震えや悶え、喜びの感情表現なのだろう。他者への愛のメッセージかもしれない。

 皮膚表現は本格的音楽・映像へと膨らんで、目を見張るものがあった。その、外に拡がった喜びを、更に内側でこねくり回して外に吐き出す、その繰り返しがこれからの作業であろう。今展は新たな表現手段を確保したと言う意味では、「喜び展」と言える。これから更に今回の成果を咀嚼して、より太く大胆になるのだろう。なってもらいたい。大きな表現者としての角立ち展のような気がした。


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by sakaidoori | 2010-01-28 23:14 | 時計台


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