2010年 01月 20日
○ 「春への序奏」展 ーいのちの形、そして色ー (6人の女流画家展 企画者・柴橋伴夫) 会場:ギャラリー・エッセ 北区北9条西3丁目9-1 ル・ノール北9条ビル1階 (南北に走る片側2車線道路の東側。) 電話(011)708-0606 会期:2010年1月19日(火)~1月31日(日) 時間:10:00~19:00 (最終日は、~17:00まで) 【参加作家】 新出リヱ子 阿部正子 秋山久美子 古畑由理子 塚崎聖子 斉藤順子 ーーーーーーーーーーーーーーーーー(1・19) ![]() ![]() ![]() 道展会員・会友、6人の女流画家t展。柴橋伴夫氏の選抜による企画展。 エッセは広い。なのに、大作のみが並んだ空間は、いつもより狭く見える。 それぞれの画家の作風は公募展などで見知っているし、親しく意見交換をている作家もいる。全体ムードは想像していたが、予想以上に新鮮な展覧会だ。新作ばかりということで、今展に寄せる作家の意気込みが伝わる。それと、大作だけだから、一点だけに集中できていい。エッセの広さが鑑賞の幅を広げている。(以下、敬称は省略させて頂きます。) 新出リヱ子以外は具象画で、架空のイメージの構築画。男特有の悶々さとは無縁で、意味不明の部分は少なく、華やかで開放的なエネルギーを感じる。人にこだわる画家も多いが、その人の内面を見つめる、えぐると言うよりも、関係性の中で人物の存在感を生かすという方向だ。企画者・柴橋伴夫氏は「女性としての豊かな感受性・・・、春風のような生き生きさ」を評価しての選抜とのこと。 会期は二週間と長い。まず二人だけですが紹介します。 ○ 塚崎聖子の場合 ![]() ![]() ![]() 作品は未完成。背景の青い部分など、画ききっていないようだ。しかも、構図にしろ全体像にしろ、いままでの画風からはかなり離れている。人物もピンク一色仕上げyりて、驚いてしまった。要するに新しいことを試みていて、何かを妊んでいるのだが、どう視覚化していいのかがわからなくて、画いては消し、消しては画いて、今は多くの絵の具が消されての制作途上の作品だと思う。確かに中途半端なのだが絵としてはそれなりに成立していると思う。構図なりテーマがざっくばらんで、不安定な存在感があるからだろう。 主役の子供と船、未完成の面の世界、それらを取り巻く小道具達の三者が微妙な三角関係で結ばれている。うさぎの茫洋感はいつもの塚崎風ではない。きっちりバッチリ画くのが画家の特徴だ。塚崎風ではないが、こういうとりとめのない生き物は好きだ。画家自身が別のドアを半分ばかり開けたみたい。 5月に個展を予定している。果たしてこの絵はどうなるのだろう?入念な画質感で迫るのだろうか?この抜けた感覚を生かすのだろうか?劇場空間での遊び心を得意としている画家だ。人物には飛び上がる直前の浮遊感はあるが、絵は構築的で一分のスキも許すまじという緻密さで勝負していた。2010年の春、何かが変わるのかもしれない。 (キャプションのメモが不備でした。後日、しっかり書きます。) ○ 古畑由理子の場合 ![]() ![]() 親しい人、その人のたたずむ書斎風景を中央に画き、重厚な建物や春を感じさせる木々、カモなどを周りに配して、その人を讃歌している。透視風描写と色の区別無き乱舞が境界線を不問にして、時空を重ね合わせているようだ。 その人の笑顔、画面全体の華やかさは決して追憶的ではないが、オマージュを得意としている画家のようだ。慈しみや愛情の対象として人物を取り上げ、その人をいっそう華やかな存在としてイメージの主人公にする、絵はそのお手伝いといっった感じなのだろう。 もし、その人物が自画像だったら、背景は心象世界の反映になるのだろう。楽しい気分でも悲しい面持ちでも、背景は色や花や風で満たされるのだろう。絵を画くことが元気の源かもしれない。この元気さがまぶしい。
by sakaidoori
| 2010-01-20 18:11
| エッセ
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![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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