栄通記

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2010年 01月 19日

1161) ①アートスペース201 「札幌北陵高等学校 美術部・書道部校外展」 終了・1月8日(木)~1月13日(火)


○ 札幌北陵高等学校 美術部・書道部校外展

 会場:アートスペース201 6階 B・C室
    中央区南2条西1丁目7-8 山口中央ビル
    (北向き)
    電話(011)251-1418

 会期:2010年1月14日(木)~1月19日(火)
 時間:10:00~18:00
    
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(1・19)

 札幌国際情報高校・美術部展を目当てに当館を訪問。嬉しいことに「北陵高校・美術部展」も同時に開催している。しかも、この高校の校外展はあまり聞いたことがない。だから、見たことがない。ふわふわ気分で6階にエレベータでかきあがり、ゆっくり見てきた。
 (昨年末に、年末年始の高校展はなるべくブログに載せようと心に決めた。心に決めても、実現できるかどうかは未知数。だから、今展も顧問の先生に写真掲載の許可を頂いて嬉しい限りです。)


 顧問の先生は、一昨年頃に道東から新しく赴任された。その若い先生の意欲で校外展が実現した。当然、先生にとっては初めてで、学校にとっても初めてのようだ。「実施宣告?」が夏から秋頃のようで、生徒にとっては晴天の霹靂、ということは「時間が無い」、未完成あるいは不本意な部分も多々あることでしょう。それも、第1回校外展参加作品という勲章でしょう。できれば、部活の年中行事にこの校外展を組み入れて、高校の公募展とは違った意欲で自由に取り組んで、伝統を作っていってもらいたいものです。ほかの高校美術部も外に出て欲しい。

 さて、2室を使っての発表。3年生は不参加。B室は全員2年生で、この部屋はなかなか充実している。彼らを中心に語ります。

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 この学校の良さは自由気ままさです。絵を画く楽しみの強さと、絵に対する執着の弱さの間でもたれ合っている感じ。絵の仕上げがイマイチなのは全然構わないのだが、描き足りなさが目立って、画き過ぎによる失敗作がないことが残念なところです。もっと、自分自身のパワーを信じて、小綺麗にまとめないで、ガンガンしてもらいたい。

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   ↑:2年・桑原君、「点の冒険」。

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 実に面白い。何が面白いかというと、画家自身がイメージの自覚が希薄で、それでも取りあえず絵にしようという意欲の高さです。絵に対する自覚と意欲のアンバランスが高校生らしい。もちろん、この段階で止まっていたら、絵の力が立ち上がってはこないと思うが、絵にせざるを得ない何かを持っていて、それを発表したことが素晴らしい。良し悪しを問う作品ではないと思う。ということは次回は良し悪しを問う作品を見たいものです。

 作品は点描をランダムに塗り重ねたもの。最後に白点で終わらせたのが大きな失敗みたい。この点描を重ねる作業が桑原君の絵画意識を高めたことと思う。



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     ↑:2年・佐々木君、「LIFE(Ⅱ)」。

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 淡い細密画。先ほどの桑原君と違って、明快なイメージがあり、描きすすめていくことによって、深まり変容していく絵なのでしょう。色もなく、ただただ点を打っていく作業です。青年の多感なエネルギーを絵に埋め込むのです。次回も楽しみだ。





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     ↑:2年・井藤君、「絶景 -beautiful」。


 おそらく、写真か何かのサンプルがあったのでしょう。それでも、夕焼けや湖面の輝き、雲の妖しげな立体感、それらの色の発色が素適だ。
 もし写真を使うのなら、自分で撮影し構図などの切り取りにも悩み、風景スケッチもバンバン画きためて、得意の色づけをしたらいいと思う。そうして出来た作品は苦労はしたが、今回の作品よりも出来は間違いなく落ちていると思う。全部自分でするということは、そういうものです。その代わりにより強い個性が生まれると思う。何より「井藤絵画」だ。
 ということは、今回の絵は色は素敵だが、有り体の観光風景の一こまで、その辺が絵としては物足りない。井藤君ならではの「風景画」が見たい。


 (続く。)

by sakaidoori | 2010-01-19 23:11 | アートスペース201


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