栄通記

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2009年 12月 21日

1139) 地下鉄コンコース 「500m美術館 '09 ~森本めぐみ の場合」 終了・11月1日(日)~11月30日(月)

○ 500m美術館 '09

 会場:地下鉄東西線コンコース
「大通駅」から「バスセンター前駅」間
 会期:2009年11月1日(日)~11月30日(月)
 時間:おそらく地下鉄が利用できる時間帯

 【参加作家】
 18人のメイン・アーティスト
 札幌市立大学美術部・ノイメン
 若手アーティスト・200人展
 
ーーーーーーーーーーーーーーーー(11・23)

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 「第5回 さっぽろアートステージ」美術部門のイベントが、この「500m美術館」だ。
 本体はかなり大がかりな市民芸術祭で、演劇・音楽・美術と色々と組み合わせて、「アートを楽しもう」ということである。行政もからんだイベントだから、いろいろと批判もあるだろう。中味の批判はいいことだ。批判に値するイベントに成長してもらいたいものだ。

 いい機会だから、何か一つでも美術以外のイベントに触れたかったが、結局は見知らぬイベントになってしまった。
 そして、この「500m・展」も一度しか見なかった。一度だけだったのだが、この時期は貸しギャラリーを訪問する元気がわかなくて、ただただ映像のように、路傍の石のように流れるこの展覧会を、かなりゆっくりと見ていった。幸か不幸か、誰一人として美術で知り合った人たちとも出会わずに、500mを歩いた。

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 「500m美術館」を紹介するのだが、第1回目の記事は「森本めぐみ」を中心にすえます。
 なぜかというと、今展で一番気に入ったから。
 そして、現在テンポラリー・スペースで彼女の個展をしているので、その作品の頭と心の訓練を兼ねたいと思っているから。


 余裕があれば、②・③と載せたい。
 もの寂しい地下通路、最終電車は近い。ヒンヤリとした空気、淡々と見た作品を一つでも「記録と記憶」を兼ねて載せたい。どうなるかわからない。雰囲気が伝わればと、「森本めぐみ・作品」の前に、少しだけですが会場風景を載せます。

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     (↑:太田博子、「マーチ」。)


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     (↑:柱を利用した作品は、札幌市立大学美術部・ノイメン、「ぬくもり」。
     昨年のブルーシート作品は良かった。今回は木の色「さみしさ」が他と一体化し過ぎていて、小さく冷ややかな印象。)


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○ 森本めぐみ の場合

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1139) 地下鉄コンコース 「500m美術館 \'09 ~森本めぐみ の場合」 終了・11月1日(日)~11月30日(月)_f0126829_11301056.jpg タイトルに「チャーム(おまもり)」とあるが、それを見なくても「お守り」が宝物のように並んでいる光景だ。

 作品は非常に小さい。真鍮の輝きが、小ささを誇らしげに包んでいて両の手に収めたくなってしまう。
 見知らぬ人たちとのすれ違いの一こまをスケッチし、その姿を真鍮に仕上げて「チャーム」にしたという。方眼紙のスケッチ、日時がメモされている、それにトレーシング・ペーパーが重なり、真鍮作品(お守り)がぶら下がっている。

 「見知らぬ道行く人」との一期一会的出会い。それは「道逝く人」なのかもしれない。


 僕が感心したのは、小さい世界での人の形の大らかさだ。
 確かにその形は動画やマンガで見慣れた可愛いモデルのようでもある。だが、可愛いから大らかなのではない。
 たとえいきずりの人であっても、優しく見つめる視点。その視点のボリューム感が、彼女の持つ倫理観と無理せず調和して、どこか誇らしげだ。

 作品を見た瞬間、ジャコメッティーのデッサン画を思った。
 彼の立体作品は、ひたすら消去されていき、それでも人は存在するのだという雰囲気だ。だが、同じその人のデッサン画の人物は肩幅広くまろやかで、存在の「原点」の重みと「人間」を思わしめる。平面画の「存在のどっしり感」と、立体作品の「研ぎ澄まされた存在感」、ジャコメッティーにとっては同じ存在のありようなのだろう。倫理無き存在の重み、あるいは存在への問いかけだろう。

 森本めぐみは人と人との関係をあまりに倫理的にみている。そこが若き女性らしくて眩しく思う。
 美術は倫理の表現か?文学的情緒の表現か?少なくとも、美術独自のありようとして、形(造形)そのものが何かを訴える。森本立体作品は美術的造形直前で、人間臭さと真摯に向かい合っている感じだ。

 人物のスケッチ・ラインは方眼紙に画かれている。現場でのスケッチに方眼紙を使うのだろうか?立体作品のために、あらためて方眼紙に書き換えたのだろうか?
 少なくてもそこには筆の織りなすながれよりも、正確さを求める計算の目を思う。
 倫理観を表現の根におきながら、空間を図面できるような計算好みの感性。
 今展はその両者が、若い感性に支えられてうまくかみ合っている。
 あまりに真摯な態度が、お祭り的な会場で異色だった。

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by sakaidoori | 2009-12-21 12:58 | 公共空間・地下コンコース


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