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栄通記

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2009年 12月 18日

1133) ①茶廊法邑 「内海真治・坂田真理子 二人展 ~コロンブスの卵~」 12月16日(水)~12月21日(月)

○ 内海真治・坂田真理子 二人展
    コロンブスの卵


 場所:茶廊法邑
    東区本町1条1丁目8-27
    電話(011)785-3607

 期間:2009年12月16日(水)~12月21日(月)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00
 (最終日は、~16:00まで)

※ クリスマス・パーティー ⇒ 12月18日 19:00~ 1,000円

ーーーーーーーーーーーーーーーー(12・17)



 (以下、敬称は省略。僕は内海・ワールドがことのほか好きなので、彼を中心に語ります。)

 人間や古道具などの形に遊びや、本質に迫りたい内海眞治、彼に触発されながらも空間を作りたい坂田真理子。中年の男と女の違った主張と感覚、挑発し調和する赤と黒の濃い世界でもある。

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 内海眞治には二つの資質がある。
 一つは、甘くロマンチックな夢物語。黄色や薄ピンクによる可愛い少年小女が主役だ。物語作家。
 一つは、そういうロマンチックに浸る自分は何だろう?許されるのだろうか?遊んでいる一つ一つの古道具は何だろう?彼らに命はあるのだろうか?本質探求者。
 共に少年らしい素朴なありようと、疑問だ。
 物を作る人は、あえて本質を問わなくてもいいかもしれない。立ち上がる作品の一つ一つが返答になるから。

 彼の時代は人が沢山居た。人が居れば物語は生まれる。逃避という形でも物語りは増幅される。その意味を問うていたら落伍するから無視しがちになる。

 内海眞治は落伍もせず無視もせず、ふわふわな心理だったのかもしれない。
 そして、陶の世界に入った。そこは自分だけの世界だ。しかし、自己に耽溺すればロマンに流れる、存在の本質を追求したいがそれは疲れる。
 幸か不幸か物質豊でふわふわな時代になった。競争しなくても生きていける。不思議なことに、競争を避けてきた内海眞治は、時代に抗するかのように挑発的になってきた。自分自身という競争の相手を見つけたのだ。誰も文句は言わない。その競争は全てを認めた終わり無きレースだ。自己のロマン主義を認め宣言する。反ロマン主義の存在のありようもちゃんと追求する。ロマンと非ロマンの追いつ追われつの駆けっこだ。
 
 実際、古い甘ったるい作品を公表しだしてから、大いに彼は変わった。
 デフォルメする自分の手の動きだけでは物足りないようだ。
 今回、秘宝館に一番似合いそうな、夫人像が沢山ある。メタボ・レディース・シリーズだ。美しき法邑だから、そのギャップが面白い。
 その水着姿に人の醜さ・傲慢・驕りもあるだろう。若きルオーのように。存在の喜怒哀楽の姿かもしれない。「見る人の勝手」、人生に開き直った作家は、ますます「人」を見せていくだろう。

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1133) ①茶廊法邑 「内海真治・坂田真理子 二人展 ~コロンブスの卵~」 12月16日(水)~12月21日(月)_f0126829_1063348.jpg 随分と具象力がついたと思ったら、マネキンにキンキラキンを貼っているだけです。中近東趣味というか古代・異国情緒たっぷりの作品。










1133) ①茶廊法邑 「内海真治・坂田真理子 二人展 ~コロンブスの卵~」 12月16日(水)~12月21日(月)_f0126829_10125635.jpg
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 ↑:これは、正面から見ると、「囚われのアホー鳥」です。横から見ると、「泣き叫ぶ内海眞治」かな?
 作品は四隅の方にある。氏は暗いところが好きだから、「良い作品」は隅っこに置きがちだ。


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 「オジャマ虫」のような感覚、彼の密やかさがでている。
 中央に似た作品が展示されています。今展の代表作の一つです。撮影に失敗。共に自画像でしょう。顔を抽象化し始めたのが、内海ファンとしては注目。
 この顔、クビが磁石で引っ付いている。しかも納豆のような粘着力で怪しいのよ。


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 氏、自慢のステンドグラスもあった。キリがないので省略。職人的手抜きを酷使して、華やかでロマンたっぷり。
 手抜きに磨きがかかったのが、大いなる成長の証だろう。手抜きをすることによって早く仕上がり、その時間を新たな造形に向けることができる。そしてまた手抜き、新趣向の開発・・・、氏はその回転が早く巧みになってきた。
 ステンドグラスとしての実用性には疑問だが、壁面作品としては重厚・異国的で、リッチな気分になる。


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 あまりにも坂田女史の紹介がなさすぎます。②に続くということ。

1133) ①茶廊法邑 「内海真治・坂田真理子 二人展 ~コロンブスの卵~」 12月16日(水)~12月21日(月)_f0126829_1049946.jpg

 

by sakaidoori | 2009-12-18 10:57 | (茶廊)法邑


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