2009年 12月 18日
○ 内海真治・坂田真理子 二人展 コロンブスの卵 場所:茶廊法邑 東区本町1条1丁目8-27 電話(011)785-3607 期間:2009年12月16日(水)~12月21日(月) 休み:火曜日(定休日) 時間:10:00~18:00 (最終日は、~16:00まで) ※ クリスマス・パーティー ⇒ 12月18日 19:00~ 1,000円 ーーーーーーーーーーーーーーーー(12・17) (以下、敬称は省略。僕は内海・ワールドがことのほか好きなので、彼を中心に語ります。) 人間や古道具などの形に遊びや、本質に迫りたい内海眞治、彼に触発されながらも空間を作りたい坂田真理子。中年の男と女の違った主張と感覚、挑発し調和する赤と黒の濃い世界でもある。 ![]() ![]() ![]() 内海眞治には二つの資質がある。 一つは、甘くロマンチックな夢物語。黄色や薄ピンクによる可愛い少年小女が主役だ。物語作家。 一つは、そういうロマンチックに浸る自分は何だろう?許されるのだろうか?遊んでいる一つ一つの古道具は何だろう?彼らに命はあるのだろうか?本質探求者。 共に少年らしい素朴なありようと、疑問だ。 物を作る人は、あえて本質を問わなくてもいいかもしれない。立ち上がる作品の一つ一つが返答になるから。 彼の時代は人が沢山居た。人が居れば物語は生まれる。逃避という形でも物語りは増幅される。その意味を問うていたら落伍するから無視しがちになる。 内海眞治は落伍もせず無視もせず、ふわふわな心理だったのかもしれない。 そして、陶の世界に入った。そこは自分だけの世界だ。しかし、自己に耽溺すればロマンに流れる、存在の本質を追求したいがそれは疲れる。 幸か不幸か物質豊でふわふわな時代になった。競争しなくても生きていける。不思議なことに、競争を避けてきた内海眞治は、時代に抗するかのように挑発的になってきた。自分自身という競争の相手を見つけたのだ。誰も文句は言わない。その競争は全てを認めた終わり無きレースだ。自己のロマン主義を認め宣言する。反ロマン主義の存在のありようもちゃんと追求する。ロマンと非ロマンの追いつ追われつの駆けっこだ。 実際、古い甘ったるい作品を公表しだしてから、大いに彼は変わった。 デフォルメする自分の手の動きだけでは物足りないようだ。 今回、秘宝館に一番似合いそうな、夫人像が沢山ある。メタボ・レディース・シリーズだ。美しき法邑だから、そのギャップが面白い。 その水着姿に人の醜さ・傲慢・驕りもあるだろう。若きルオーのように。存在の喜怒哀楽の姿かもしれない。「見る人の勝手」、人生に開き直った作家は、ますます「人」を見せていくだろう。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ↑:これは、正面から見ると、「囚われのアホー鳥」です。横から見ると、「泣き叫ぶ内海眞治」かな? 作品は四隅の方にある。氏は暗いところが好きだから、「良い作品」は隅っこに置きがちだ。 ![]() 「オジャマ虫」のような感覚、彼の密やかさがでている。 中央に似た作品が展示されています。今展の代表作の一つです。撮影に失敗。共に自画像でしょう。顔を抽象化し始めたのが、内海ファンとしては注目。 この顔、クビが磁石で引っ付いている。しかも納豆のような粘着力で怪しいのよ。 ![]() 氏、自慢のステンドグラスもあった。キリがないので省略。職人的手抜きを酷使して、華やかでロマンたっぷり。 手抜きに磨きがかかったのが、大いなる成長の証だろう。手抜きをすることによって早く仕上がり、その時間を新たな造形に向けることができる。そしてまた手抜き、新趣向の開発・・・、氏はその回転が早く巧みになってきた。 ステンドグラスとしての実用性には疑問だが、壁面作品としては重厚・異国的で、リッチな気分になる。 ~~~~~~~~~~ あまりにも坂田女史の紹介がなさすぎます。②に続くということ。 ![]()
by sakaidoori
| 2009-12-18 10:57
| (茶廊)法邑
|
アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - 未分類 タグ
個展(242)
グループ展(183) 油彩画(183) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(93) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||