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栄通記

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2009年 12月 15日

1126) ②CAI02 「Point Of Color -4人のいろ・4人の平面ー」 終了・7月17日(金)~7月29日(水)


○ Point Of Color -4人のいろ・4人の平面ー
   笠見康大 蒲原みどり 西田卓司 森本めぐみ



 会場:CAI02・raum1・2・3
    中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 
    (地下鉄大通駅1番出口。
    注意⇒駅の階段を下りてはいけません。
      昭和ビルの地下2階です。)
    電話(011)802-6438

 会期:2009年7月17日(金)~7月29日(水)
 休み:日曜・祝日(定休日)
 時間:13:00~23:00 

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日、17::00~。

ーーーーーーーーーーーーーーー(7・17)

 今日からテンポラリーで「森本めぐみ・展」が開かれる。
 (以下、敬称は省略。)

 彼女は札幌高専を昨春卒業し、今は教育大学岩見沢校に通っている。
 「可愛い可愛いばかりが女の子じゃないんだよ!」と言わんばかりの抵抗心に興味を持っている。
 その成長振りも見たいので、鑑賞した作品はなるべく載せたい。この展覧会と、「地下鉄500m美術館」が未掲載だ。後者はお守りのような作品群で「小品だがキラリと光る秀作」だった。これも近々載せたいと思っている。
 
 今日からの彼女の個展の参考にもなるでしょう。同室の笠見康大は、こちらの時間の都合上、今回は写真だけにしておきます。彼のファンには申しわけありません。


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 当館の飲食ルームのある白くて細長い部屋が、彼女と彼のためにあてがわれた展示室。
 二人の作品には兄妹くらいの年齢差以外には何の因果関係もないのだが、男性・現代美術作品が、女性ルームの若き門番のようにして居構えている。
 二人は部屋を半分づつにしている。それはしかたがないことだが、結果的には女性ルームを窮屈なものにしていた。

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 白いカーテンの丸い囲いとか、古着の床詰めとか、壁のジュエリー的おまじない品、ばら撒かれた豆、それらは何度も試みているインスタレーション展示の小道具でもある。だから、一つ一つにはとりたてて新しさはないのだが・・・、ちょっと困ったのは「幸せ気分」が覆っていることだ。

 昨年、市民ギャラリーの「教育大学・七月展」の時と似ている。
 その時は、床に燃えるような感覚で古着を並べていた。種もあった。過去との断絶とか、どこか痛々しさを感じた。抑えきれない情熱の発散を思った。その直截な姿勢に惚れ惚れと見とれてしまったものだ。大きな部屋での展示が、彼女の気分を際立たせていた。

 今展、どこをとっても非常にコンパクトだ。丸いカーテンルームは、古着の部屋を異次元の世界に誘う装置だろう。小さく身を引き締めて、「ほんとの森本ルーム」へ入っていくのだ。
 古着は綺麗に広げられ、裁縫されて並んでいる。心地良く遊ぶ場だ。過去と現在と未来の連続、その中での安らぎの場だ。
 散らかった豆は遊びであり、命の種なのだろう。
 壁の絵画ーー僕自身は今作がこの部屋にあってはいけないと思うーー、目元は確かにいつもの森本仕様だが、自分のハッピーな将来像のようだ。未来の夫婦とも言える。子供?部屋を見守る両親のようでもある。これほど、具体的なイメージを喚起させる作品はここには向かない。笠見君には失礼だが、入り口に彼の作品と並べたらよかった。その唐突な位置が何かの暗示を示すかもしれない。

 いずれにせよ、心穏やかな部屋だった。いつものように正直な作品でもあった。願望表現というよりも、その時の素直な心理状態なのだろう。
 個展のような展示だが、個展に徹しきれない弱さもあった。その辺の欲求不満がテンポラリーでの個展につながったのかもしれない。あそこは上下に伸びる空間だ。どんな風に伸びるのだろう?


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 笠見康大、近代美術的王道を研究しているようだ。平面での立体構成、ルネッサンス的遠近法によらない色と線と形による遠近感覚、要するに「平面とは何か?」、そんなことをテーマにされているのではないだろうか。
 画かれた色や形に、心象なり実態の余韻があるのかないのか?絵は個人の脳や心のフィルターの結果だから、何ほどかの情緒なり、画家自身の情報が入り込むのは当然なのだが、そのことと「平面研究」との関係をも視野にいれているのかどうか?
 いずれにせよ、現代美術の研究が作品の基礎になっている感じだ。「現代美術」に造詣の深い方の意見を聞きたいところでもある。

 おそらく、普段はいろいろな絵を画いているだろう。発表となると、禁欲的というか、研究の本筋を残すという態度のようだ。
 今展、いつになくドロドロとしていた。それは研究の一環でもあろうが、妙に新鮮に見えた。特に上掲写真の右側の大作であった。


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by sakaidoori | 2009-12-15 17:13 | CAI02(昭和ビル)


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