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栄通記

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2009年 12月 14日

1125) 時計台 「春陽会・道作家展」 終了・11月23日(月)~11月28日(土)

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○ 春陽会・道作家展

 会場:札幌時計台ギャラリー・2階全室
    中央区北1西3・札幌時計台文化会館
    (東西に走る仲通りの北側のビル)
    電話(011)241ー1831

 会期:2009年11月23日(月)~11月28日(土)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
 DMを拡大して下さい。

ーーーーーーーーーーーーー(11・23)

 何年か前までは、当館での新春での展覧会でした。なぜだかはわかりませんが、年末のこの時期に変更してしまった。
 絵を見始めた8・9年前は、オトソ気分の抜けない時期で見たものだ。当会の大きな油彩画とその油の匂いに新春を思った。「サー、今年も絵を一杯見よう!」、絵を見初めの頃の新鮮な気分が蘇ってくる。


 春陽会道作家展の特徴?名前のように、「どこか大らかな、女性画家集団」、そんな感じです。独立展のような人間追求型ではなく、極端な具象やマチエールを追及するでもなく、どこか素人集団的な素直で実直な生真面目さを感じる。

 1,2の作家を除いて、会場全体の写真紹介だけにしたいと思います。
 (以下、敬称は省略。)


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     (↑:A室。)

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     (↑:B室。)

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     (↑:C室。)


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     ↑:左から、新出リエ子、「継・遠」・「継・自身」 F130。

 今年、新出リエ子は道展の会員になった。
 勢いによる生命賛歌を基本にしている。

 発表以来、「植物」と「種」がモチーフだ。だが、画題は愛情の対象ではあるが、その形の美や生命力よりも、画家自身の生命力が勝っていた。「植物」や「花」・「種」は愛の対象と同時に、新出リエ子の自由な表現の伴侶になった。
 始めは清楚な色爛漫な美も画いただろう。だれでも過ぎた「初心(うぶ)な花達」だ。可憐な姿、勢い全開の生命力、冬眠の種に託す孕んだ胎動感。とにかく花に託して、「女」を「女の半生」を画いていた。自分自身の生き様の投影だろう。

 おびただしい数の作品は、止まる形をしらない。
 昨年の作品は上手くなっただけ、動きや肝心の生命力に欠けていた。上手さを意識した画家が仄見えて、良い絵ではなかった。
 今回は大人しさはあるが、静かな動きの中で全体の輝きに意をそそいでいる。「これを画きたい」という言葉の主張を超えて、画かれた作品と対話しているような落ち着きがある。タイトルにあるように、自然な作家の「自信」が好ましい。

 僕は彼女に、昔世話になった。だから30年前の人となりを少しは知っている。その後は知らない。旧知の人であるが故に、その人間性からくる作品の特徴も理解できる。知人を離れて作品を語ることができる、心から嬉しい。大きな大きな絵を画き続けて欲しい。


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     ↑:川真田美智子、「STIL」・S100。

 壁を描き続ける女性だ。僕は壁が好きだから、それを画題にする作家はどうしても気になる。

 彼女の良さは素直に画題に向い、可愛くリズミカルに壁の色なり、凸凹感なりを表現することだ。児童画的心許なさも、淡い魅力だ。
 欠点ははっきりしている。新出リエ子とは対照的に、絵をおっかなびっくりで取り組んでいることだ。自信の無さ、あるいは自分の感性のみを信じる心が希薄なことだ。でも、絵を画き続けているから、本当は自信があるのだ。画家自身の人の良さなのか、自分の美学なり感性を、ドーンと見せる気持ちが薄すぎるようだ。
 絵から感じるたゆたゆしい情緒は、一つの魅力だと思う。自分の感性を信じて、大胆に、そのたゆたゆしい絵を画いて欲しい。「壁」は何でも許してくれるのだから。

 今作、今までとは違った「壁」の取り組みをしている。一目では壁には見えず、大きなのんびりした落書き感覚だ。「入り口」をより象徴的に画いている。
 児童画風になって力強さには欠けるが、油彩の約束事にこだわらない直向さが良い。やはりこの人には「自分を信じて」という言葉を贈りたい。その心で、この先を徹底してもらいたい。
 

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     ↑:八木伸子、「宮の森 二月」・S50。

 「白」に万感の思いを抱かせるベテラン画家の八木伸子
 なんて若々しい絵だろう。ロマンに流されずに、宮の森の二月に向かう画家の姿勢にたじろぐ。
 確かに古風な絵だ。だが、小枝の線の画きぶり、小枝と小枝の隙間の空気との呼吸感、小枝と雪の白さとの対話、なんとも冬の気配に取り組む直向さがある。その年齢で輪郭しっかりしたこの緊張感!凛々しさ若々しさに、原点に立ち向かおうとする意気込みを見た。(本当に近作なのだろうか?)


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     ↑:折登朱実、「霙と菊」・F40。

 非常にわかりにくい作品だ。明らかに個展向きの作品だ。公募展として、他の今展の仲間達とは異質過ぎる。

 タイトルにあるように、基本的には具象の世界が背景にあり、それに心象をオブラートさせている作家だと思う。輪郭不鮮明でも、それとなくモチーフがわかるのが過去の作品群であった。
 この輪郭の不鮮明さは何なのだろう。霙(かすみ)と菊?見て直ぐに結論を出さなくてもいいであろう。次の作品を楽しみにしよう。

by sakaidoori | 2009-12-14 22:06 | 時計台


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