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栄通記

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2009年 12月 09日

1113) ①コンチネンタル 「平岸高校デザインアートコース三期生卒業制作展」 12月8日(金)~12月13日(日)


○ 札幌平岸高校デザインアートコース三期生
    卒業制作展


    
 会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1条西11丁目 コンチネンタルビル・B1F
    (西11丁目通の西側)
    電話(011)221-0488

 会期:2009年12月8日(金)~12月13日(日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)
  
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(12・8)

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     (↑:A・B室を3コーナーに分けての展示。)


 とても良い展覧会です。
 自分の表現したい事を、今の自分の技術・スタイルで貫いている姿勢が良い。
 目一杯、チャンと作品を作っている。確かに「楽しんでいる」、という言葉は間違いではないが、作品に対する執着度がこちらにグッ迫るから、そんな言葉だけを学生達に贈るのはとても失礼な感じだ。
 「表現したい具体的な何か」という目標が定まっていて、使う道具・技術にも「これっかない、これで行こう、足りなければ勝手に作ろう」という姿勢だ。悩み苦しみ楽しみなどはどこ吹く風という、作品と学生との一体感がはっきりしている。悩み・苦しみ・楽しみが作品に会場全体に詰まっている。
 この自分を信じる姿勢を今後も貫いて欲しい。結局、最後は自分しかないのだから。作品と社会生活とはイクオールではないのだから、安心して「傲慢」な「我」を通した作品を作って欲しい。


 30人以上の作品群です。とびきり驚いた二人から載せます。

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     ↑:橋本康平、「精一杯の抵抗」。

 鹿?会場入り口でドーンと迎えてくれる。
 材料は流木。流木の収集や乾燥、塩抜きの苦労話の説明がなされている。「抵抗」の中味は作品で勝手に理解せよ!と突き放している。
 おそらく、流木拾いが楽しくて楽しくて仕方がなかったことだろう。ある流木には作品全体像のどの位置が良いかが見えていて、早く作りたかったことだろう。ただただ流木の姿・形・感触に満足して拾い歩いたことだろう。打ち捨てられた場の匂いや空気に浸ったことだろう。なるほど。
 担任?の先生が「幼い頃の積み木(ブロック)遊びの延長みたいな・・・」、そんなことを語ってくれた。
 一個々の流木が、彼の現在の抑えがたい悶々の結晶で、細胞や骨のようにして自画像としての鹿の内部に存在している。「何か」を叫んでいる。体つきは細身でなくてはならない。

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     (↑:頭と尻。)


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     ↑:小野穂奈美、「カンパニー・オノ」。


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 古さと新しさ、コピーとオリジナルが混ぜこぜになった雑貨屋さん。

 ラジカセが鳴っている。(なんてレトロなんだろう。)聴きたい音楽のメニューに通し番号が打ってあり、それらのCDがビニール袋に入れられている。(自由に聞いていいのだ。)全てのカバー意匠は、パソコン仕立てで作り替えられている。展示物は「商品もどき」で、個々の作品性よりも展示全体のムードを重んじている。だから、どれを見ても同じに見える。重たい小野・金太郎飴だ。
 展示机の下にダンボールがあり、何かの箱が無造作に入れられている。商品の在庫だ。まるで演劇の小道具のようで、隅から隅までの配慮は心憎い。

 恐るべき手作りさで、他人の世界を強引に自分の世界(価値観)に作り変えている。コピーとオリジナルの境界がない。柔な不透明な境界線でなくて、強い一体感で境を吹き飛ばしている。デザインの色合いはベッタとしていて匂いにもなり、虚脱感めいた音楽は色を漂わせている。
 個々も全体も自分好みに作り変えている。この執着心、強引さが良い。
 今は小さなシュールな世界だが、それを徹底して大きくしてもらいたい。大きく成長して欲しい。間違いなくいろんなことが出来る人だ。


 (思いの外、二人のことばかり考えてしまいました。②に続くと言うことで。)

by sakaidoori | 2009-12-09 15:29 | コンチネンタル


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