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栄通記

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2009年 12月 07日

1109) ①北広島市芸術文化ホール 「はこ展」  11月20日(金)~11月29日(日)

○ はこ展

 会場:北広島市芸術文化ホールギャラリー
     北広島市中央6丁目2番地の1 
     (JR北広島駅東口4番出口、徒歩1分。
      札幌駅から当駅まで快速で16分。)
     電話(011)372-7667

 会期:2009年11月20日(金)~11月29日(日)
 時間:10:00~18:00 
    
※ 作家によるギャラリー・トーク ⇒ 11・21(土) 13:00~

 【参加作家】
 田村陽子 西山省一 橋本祐二 林玲二 森迫暁夫 脇坂淳
 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(11・25)

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 会場はJR北広島駅の東口の敷地内で、特徴のある建物ですぐわかります。
 そのドーム風のスタイルが何とも大仰な感じがしないでもありません。アッそうか、広島の原爆ドームを意識したのか。そう気付くと北広島市の心意気を伝えているよで、これはこれでいいのだろう、そんな感じで建物へ。
 中は綺麗で広々としている。入り口右側に図書館があります。書架も低く、ショッピングのような開放感、蔵書もしっかりしていて一見の価値があります。

 何も考えずに入り口から円形のホールを真直ぐに進むと展覧会会場です。
 ホールの円さに反して完璧長方形です。一番の特徴は天井の高さです。この高さが無味乾燥になりがちな四角さを生かしていて、明るさ清潔感と交わって市民的な公共空間を作っています。近代建築の持つ冷ややかさに不満を持つ方も居るかもしれません。ですが、この広さは立体作家には喜ばれるでしょう。

 「栄通記」初登場の会場ですから、前置きが長くなりました。

 さて、「はこ展」です。

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 「はこ」にこだわったテーマ展です。「はこ」をどう理解するかは自由。当然「箱」が主流のようですが、そんな常識で全てが終わるようでは芸術作家の名前が泣きます。
 何より好ましいのは、与えられたテーマによって、普段と同じ制作をしながらも作家心の可能性を広げていることです。芸術は自立自尊、独創性が常に問われますが、半強制的枠組みが作家自身の枠を開くことがあるのです。その小さな事例を本展で見る思いです。

 それぞれは知的な側面を備えた作品群です。正面から眺めてスッキリしたというものではないので、多角度から写真を載せたいのですが6人という中所帯、そのさわりだけでも伝えれればと思います。

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 ↑:西山省一(1960年 札幌市出身)、「古代の鳥かご」。

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 上掲作品、ネーミングが素晴らしい。右から「ハコロガシ」、「ハコンドル」、「ハコガネムシ」。特にハコロガシとハコンドルは今年の栄通ネーミング大賞です。ただただ「ハ」を入れただけで、ただただ箱の作品を作っただけで、人の心に残るなんて。美術は作品そのものだけで語る時代ではない小さな小さな証です。
 作品自体は「ハコガネムシ」は色もあっていいのですが、余りにも普通で、箱の上に乗る鳥の「ハコンドル」(箱・運ンドル)の超常識を超えるものではないようです。


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     ↑:脇坂淳(1961年 羽幌町出身)、「The Seed -二つの種ー」。

 籠二つがザ・ピーナッツみたい。中の丸い球には文字が張られていて、見る人のイメージを強引に作家の方に引っ張ろうとしています。おそらく、生命や社会と同時にそれらの桎梏のようなものも表現したいのでしょうか?今作の文字は作品との一体性が強くて、読むものの意識を膨らませるのには不成功と思いますが、真面目で真摯な作家だと創造されます。


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     ↑:橋本祐二(1953年 網走出身)、「内にあるもの、なにもなにも」。

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 ガラスアートです。
 自己の展示空間を斜線という直線、箱形のL字形で切っている知的行為に着目すべきでしょう。
 ガラス作品は中は光を湛えた曇りガラス状で、中から表皮やボディーを美しく着飾るというものです。そして白と黒の対比、インテリア感覚ですが知的操作が心憎い。


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 思いの外長くなりました。久しぶりの続編スタイルということで。(②に続く。)

by sakaidoori | 2009-12-07 09:36 | 【北広島・由仁】


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