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栄通記

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2009年 12月 06日

1108) コンチネンタル 「油展  -2009-(道教育大学岩見沢校油彩画)」 12月1日(日)~12月6日(日)

○ 油展  -2009-
   北海道教育大学岩見沢校芸術過程美術コース油彩画研究室

    
 会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1条西11丁目 コンチネンタルビル・B1F
    (西11丁目通の西側)
    電話(011)221-0488

 会期:2009年12月1日(日)~12月6日(日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)
  
※ レセプション・パーティー ⇒ 12・5(土) 18:30~ 無料

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 今年の全体の印象はソツなくまとめているという感じ。若さからくる乱れた作品がないのは、少し物足りない気がする。おそらく、どの学生も個展発表だとしたら自分なりの現状なり気分をもっと正直に伝えれるだろう。グループ展での1点となると、どうしても目立つ作品が話題になりがちだ。「オレがオレが!」の姿勢だ。そういう気分を押しとどめて、普段していることをそのまま見せているのだろう。

 以下、何点かの個別作品です。(敬称は省略。)


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     ↑:院2年・齋藤由貴、「深く、上る」・1000×1200 油彩。

 独立気味の狭い白壁に一つだけの展示。壁の白さとうまく呼吸している。
 齋藤由貴は多い煙を立ちこめたふわふわ感と、そこからはみ出る裸婦を描いていた。さわやかな絵で、イラストや漫画にも通じそうで親しみやすかった。その傾向を推し進めるのも一つの方向だろうが、そのさわやか感・もやもや感と裸体と言う具象表現から離れて、いろいろと模索しているようだ。
 青闇の森の木立ちが深く昇る、そんな印象。
 この絵の問題は、そういうイメージから出発しながらも、森の木々という具象性を排した絵画を目指したのに、イメージのメッセージ絵画に終わったことではないか。
 画家の持つ具象イメージへの愛着の強さが、新たな試みの邪魔になったようだ。


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     ↑:院2年・金吉恵理、「Fiction」・1820×1820 油彩。

 イメージ性の強い作品だが、背景の暗灰色などは大きな刷毛目調の筆跡を残し、輪郭線も骨太だ。荒々しくはないが、「柔なイメージで見るな」と言っているようで好ましい。
 個人的には輪郭線に一発仕上げの流れ、深みと巧みさがあればと思う。もっとも、そうなればこの絵の特徴である若さは消えてしまうだろう。


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     ↑:左、院2年・上野莉奈、「きりんさん」・F30 油彩。
     右、2年・岩崎加奈、「朧々」・F50 油彩&アクリル&墨。

 岩崎加奈、ドロッドロ感は2年生らしくて良い。この執着心、より強くなるのだろうか?軽くなるのだろうか?


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     ↑:2年・山越美里、「交錯」・F60 油彩。

 画学生らしくて、どこか安心してしまう。折角だから100号の交錯した世界が見たかった。


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     ↑:2年・橋本知恵、「子ども達」・F50 油彩。

 子どもの微笑ましさ、絵を一所懸命に画いている画家の微笑ましさ、一つの原点だろう。今展では数少ないカラー作品。油らしくて気持ちが良い。


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     ↑:院2年・鵜沼範考、「思春期」・S30 油彩。

 鵜沼範考は異性をいろんな角度から取り組んでいる。激しいところもあるが、どうなるのだろうと見続けている。
 今回は大人しい。異性への恋心と美化・理想化、これが若い男の基本だろう。それと静かに向き合っているみたい。


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     ↑:4年・山内太陽、「いつの事か見当もつかない」・1551×1939 綿布 油彩。

 山内太陽はグループ展で昨年から親しんでいる。何と言っても、作風よりも名前の方が記憶に焼きついてしまう。「ヤマウチタイヨウ」、素晴らしい。
 彼は上手く描こうと思えばそれなりにかけるのだが、若かりし多情多感さが手伝って、部外者にはその作風の全貌を示してはくれない。今回は現代山水画気分でカッコ良い。
 帰りしな、本人とも初めて会えたので記念写真をパチリ。名前の通り大きくおおらかな青年であった。聞けば大学には残らないと言う。もし道内に居るのなら、アグレッシブルな作品を出し続けてもらいたいものだ。本格画人になるのかどうか?その画論をうかがいたいものだ。


 書き始めれば個別作品の印象を楽しく思い出す。もう少し載せたいが時間がない。もっと早くパソコン操作ができれば、もっともっと早く言葉が出てくれば・・・。

by sakaidoori | 2009-12-06 10:24 | コンチネンタル


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