栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2009年 12月 02日

1103) CAI02 「川上大雅・展 “mirroom"」 終了・11月7日(土)~11月21日(土)

○ 川上大雅・展
   “mirroom"


 会場:CAI02 raum2・3
    中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 
    (地下鉄大通駅1番出口。
    注意⇒駅の階段を下りてはいけません。昭和ビルの地下2階です。)
    電話(011)802-6438

 会期:2009年11月7日(土)~11月21日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:13:00~23:00 

ーーーーーーーーーーーーーーー(11・21)

 ミラーボールがグルグル廻っている。ネオンチカチカ、闇夜に光る猫の目のような斑点が揺れている。この斑点が妖しげだ。こちら側に接近しかけては離れていき、焦点定まらない動きは気持ち悪くもあり、何が起こっているのかと云う判断力を鈍らせるのが心地良い。

 展示は広めの手前と奥の部屋との2室。
 抜群に手前が良い。作者の意図以上に効果抜群で大成功だ。暗室仕掛け花火になっている。
 以下。始めに手前の部屋の様子を載せます。写真では距離感が縮められ圧縮されていて圧迫感という迫力があるばかりです。部屋の空気感、空気との距離感、空気物質相互の異質性が伝わってきません。

f0126829_10295832.jpg


f0126829_1033271.jpg


f0126829_10333464.jpg


f0126829_10395698.jpg


f0126829_10403928.jpg


f0126829_10411115.jpg



 仕掛けは簡単。
 ミラーボールを何個か床に転がす、ぶら下げる。それらに数個の照明を当てるだけ。そして、吊るされたミラーボールに軽く触れると、猫の目斑点が部屋全体で揺らめいていく。この猫の目が今展の最大・最高の演出効果であり、視覚表現の妙だ。

 鏡や光の持つ強烈で妖しげな物質性が、暗い部屋という空間で、人の視覚・知覚に働きかけて夢うつつの世界だ。虚虚実々、虚実皮膜、可視と不可視の楽しい世界だ。ここを人が行き交うのだが、その姿や影が良い。この日は和服の妙齢な女性の訪問客があり、我が目を疑うほどの演出効果が生まれていた。
 感覚が田舎的で都会的でもある。野暮ったくて成金趣味的だが、そこらへんをピョンピョン飛び跳ねていて、若さの持つ無手勝流さを充分に発揮している。


 さて次は奥の部屋。感動が薄い分、簡単な写真紹介です。

f0126829_10564138.jpg


f0126829_10573499.jpg


f0126829_1059720.jpg



 手前の部屋が動と虚実空間そのものの表現。
 こちらは静と立体という作品展示。
 作者の持つ美術表現の2面性を対比によって自己確認したものだ。今展は「自己確認」という側面が強いと思う。というのは初めての個展であり、しかもことさら美術教育を受けたことのない方だ。まずは自分の感性を吐き出すことが要点だったと思う。何がしたいとか、方向性がどうのこうのという事は今展の体験と訪問者との交流が見定めることであろう。
 今展、作家は二部屋の相互関係を充分に把握しきっていないと思う。非常に並列的な配置になっている。僕はネオンチカチカの部屋が好きだが。人によっては〆縄仕掛けの静かな方が好きな方も多いだろう。それはそれで構わないのだが、両者は視覚効果には役立っているとは思うが通奏低音の重なりと違和感に欠けているようだ。このへんを煮詰める、ということは自分自身の感性を今一度みつめるということだろう。感性と知性の対話が不十分だった。しかし、展示の思いっきりの良さは素晴らしい。何度も何度も経験を重ねられて、アッと驚く「川上大雅・ワールド」を見せて下さい。



 ところで作家は法律の専門家だ。今回は長くなったので紹介を省きます。
 「美術と法律」といったら「川上大雅」、記憶に留めておいて下さい。

by sakaidoori | 2009-12-02 11:30 | CAI02(昭和ビル) | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : https://sakaidoori.exblog.jp/tb/12419461
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by イエローマン at 2009-12-02 13:02 x
草間弥生さんを思い出した。
Commented by sakaidoori at 2009-12-02 18:29
>イエローマン さんへ

 もっともな感覚だと思います。
 僕も最初はそれを感じたのですが、直ぐに違いも明快に気付きました。「狂気」の有無です。
 川上大雅さんは幻想の世界を作る・楽しむことに現時点では重心があるようです。ですが、この方向を推し進めていけば、今の作家の安定感覚を越えていくかも知れませんね。作品の力が自己を未知の世界に持って行く、そうなればいいですね。

 ながく休んでいて、飽きずに訪問されて有難うございました。また何かあったらコメント下さい。


Commented by ひらけポンキー at 2009-12-04 21:58 x
う~ん、これが現代アートか…。法律家も暇だなと思いました。しかし、彼の頭の中がこんな感じだと、弁護も頼みにくいね~。
Commented by sakaidoori at 2009-12-05 09:06
>ひらけポンキー  さんへ

 お早うございます。

 確かにこれを見れば、法律家も暇に見えますね。

 人生において具体的に弁護の依頼をすることは、そうそうないと思います。それ以上に、「美術と法律」のことを専門家と語り合う機会などもなかなかないと思います。そういう人が美術関係者にいるということは悪くはない話です。大いに利用しましょう。
 そういう会話の中で、「川上大樹」という人間の感性が美術作品の見ばえとは別に見えてくるかもしれませんね。

 コメント、有難うございました。


<< 1104) さいとう 「児玉陽...      1102) たぴお 「田名部亜... >>