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栄通記

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2009年 09月 10日

1097) たぴお 「2th. 9の会展」 9月7日(月)~9月12日(土)


○ 2th. 9の会展

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F
    (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
    電話・林(090)7050-3753

 会期:2009年9月7日(月)~9月12日(土)
 時間:11:00~19:00
(最終日は、~18:00まで)

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日 18:00~

 【参加作家】
 今荘義男 西城民治 田中麻里 名畑美由紀 西澤宏生 林教司 藤川弘毅 島貫久子・・・(8名)

ーーーーーーーーーーーーー(9・9)

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 今回のグループ展は明るくてこざっぱりしていた。
 もちろん、一人一人の作家の主旨はそんなところにないのだろうが、どうしても見る方は全体の印象にもひっかかるものです。

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     ↑:田中麻里、「満月の詩」から。

 C.G.絵画に詩が添えてある。詩に基づいたメルヘン絵画。
 詩の文章が綺麗に丁寧に書かれていて、つい3篇とも読んでしまった。叙情的なリズムや歯切れの良さは好ましいのだが、最後の言葉が結論じみているので余韻に欠ける感じだ。どうして若い方の詩は結論をまとめたがるのだろう?


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     ↑:西澤宏生。左側は「小樽埠頭」、右側は?

 両者をともに「小樽埠頭」と見て楽しんだ。
 左側は小樽を懐かしむようにして、裸婦を風景に取り入れたり、走り描きふうにして「モダン」を演出。
 右側は小樽を具象風景でチャンと伝える。
 両者の対比として「小樽」の良さや古臭さを思った。


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     ↑:名畑美由紀

 名畑ファンですから載せておきます。原画はこんなに赤茶けてはいません。
 フリーハンドの四角のリズム。名畑絵画の音楽性の一端。色を控えて、線と四角の動きを確認しているのでしょう。


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     ↑:島貫久子

 左のピンクは花で、右の赤は太陽として見てしまった。たぴお版印象派みたい。
 この作品と今荘作品が入り口正面でドーンと迎えてくれるので部屋全体が明るいのだろう。


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 コリ(古里)が遊んでいる。

 ケンケンパタパタの足音、
 いろんな太陽が現れては競い合い、
 ドロの饅頭ゴッコ、
 ホッペを膨らましてにらみ合い、
 土に潜む虫たちは黄色い声に顔を出し、
 夕日に朝日に写る顔顔顔・・・。





















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     ↑:林教司。左から、「標的(1)」、「metam-4」。

 廻りのしっとりした明るさに、林「標的」も狙いを外しそうです。それでもめげずに狙うのが林ワールドの良い所です。
 発射10秒前、「9,8,7、6,5,4,3,2,1、・・・」
 数字が響く。「1」野郎が目をふさぐ。「4」が登場して、第2幕。林物語は尽きることがない。


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     ↑:西城民治、「絶望と希望」。

 黒は大地、赤はマグマ。黒は闇、赤は情念。黒は社会、赤は個人。黒は絶望、赤は希望。

 以前の「矛盾に立ち向かう火の玉心」の新シリーズでしょう。主旨は同じだと思う。
 緊張した二項対立概念とは裏腹に、西城絵画の楽しみはそのユーモラスさにあると思う。
 林ワールドの緊張感も二項対立を宿しているだろう。だが、その二項は常に激しい火花を求め合い、その火花の中に諦めにも似た静かさがある。
 西城民治の場合は主体があり、それは「赤」であり、赤に置き換えられた「人間・自己」だ。その赤は林・ワールドのように屹立せずに、悩んでいる。弱弱しくもあるが、そこが西城絵画の魅力で、人の悩みが聞こえてくる。
 「闘うぞ!あ~、困っちゃったな~、敵は強いしかなうかな?闘うぞ!でも・・」
 その折れそうな心のブレが赤の突端を傾けている。

 画家は絶望に立ち向かう「赤」の姿に希望を見ているのだろう。
 僕は絶望の「黒壁」を前にして、それでもたたずむ「赤」に、人の素直な有り様を見ている。画家の意図せずに出てくる表情であり、そこが魅力だと思っている。

 

by sakaidoori | 2009-09-10 14:45 | たぴお


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