栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2009年 09月 06日

1091) 近代美術館 「北海道版画協会  創立50周年記念展」 9月2日(水)~9月13日(日)

○ 北海道版画協会
    創立50周年記念展

    
 会場:北海道立近代美術館
    中央区北1条西17丁目   
    電話(011)644-6882

 会期:2009年9月2日(水)~9月13日(日)
 時間:9:30~17:00
    (入館は16:30まで。
     金曜日は、~19:30まで。)
 休み:月曜日(定休日)
 料金:一般・700円 高大生・500円 小学生以下・65歳以上・無料

 主催:北海道版画協会
 共催:(財)北海道文化財団
 助成:日本芸術文化振興会 札幌市 

※ 公開制作&体験講習会 
    ⇒ 9月6日(日) 10:00~12:00 (木版・リトグラフ)
                13:00~15:00 (銅板・シルクスクリーン)

※ 移動展 ⇒ 滝川市美術自然史館 9月26日(土)~10月25日(日) 

ーーーーーーーーーーー(9・5)

f0126829_22102094.jpg


 今展はあくまでも「北海道版画協会」に属している版画家の版画展だ。
 確かに、かなりの道内版画家が在籍し、著名人も多く含んでいる会派だ。今展で今の北海道の版画人の関心をつかむことはできるだろう。

 一方で、属してない版画かも沢山いると思う。
 それに、「版」あるいは「版画」という概念がかなり緩やかに怪しくなっている。写真もお札も版画なのだ。版画を部分的に取り入れた絵画もあるだろう。それも版画といえないことはない。まことに難しい「版」及び「版画」なのだ。現代の機械化学技術が進めば進むほど、「版画」を分類することにむなしくなるかもしれない。作家がある技法を中心に制作している。それがたまたま「版」だから版画家と呼ばれている。そうなるかもしれない。

 だから、版画のグループとは規約の明示に関わらず、こういう展覧会で、そのグループの存在基盤を確かめているのだろう。
 僕らはそれを後追いするのだ。そこに緩やかな枠を見出すだろう。

 
 穏やかに心ゆるりと見ることができた。
 若い作家が少ないせいか、作風一般がおとなしい。
 北海道の風景や空気を背景にしながら、個々の作品を見る思いだ。

 写真を酷使した映像的作品、シルクスクリーン、技法などを実験性に富んだ作品は少ない。
 木版の情念を彫りに食い込ませる、そんな極端な作品もない。
 そういう意味ではバリバリの個性派は少ない。作家と鑑賞者との交じり合う緩い電波、そこを軽やかに歩みながら見ていったらいいのだろう。



 以下、会場風景を何枚か載せます。北海道の空気を楽しめる展覧会だと思う。
 個々の作家はかなり意欲的に出品されている。版画なのにこれ程の大きさをまとまって見る機会は少ないのでは。一人が5点前後の出品ですが、しっかりと構成されていて、その個性を損なわないような展示です。


f0126829_23843.jpg


 第1室は創立期からの現会員、創立会員で現在は非会員、創立会員を含めた協会関係者で亡くなられた作家、そんな方の作品が並んでいます。
 写真は主に非会員や物故会員。単作展示なので、見応えよりも、意外な作家に出会えた喜びがあると思う。僕の場合は北浦晃氏だ。ふりむけばそこにご本人が居られた。図録にサインを頂いた。


f0126829_23171361.jpg


 第1室と次室とを隔てる壁。
 「黒」です。展示は部屋の移動シグナルに「黒」を取り入れている。しかもかなり印象的な作品ばかりです。
 左側、(物故会員)佐藤克教・木版画。
 右側、(現会員)渋谷正己・銅版画。


f0126829_23241560.jpg



 第2室。
 何を見ているかというと・・・、

f0126829_23252299.jpg


 版画の原板や制作道具です。
 日本の職人は自分用の道具を作れるようになって一人前と言われていました。版画家は職人的要素がかなり強い。個々の作家はいろいろと道具には工夫をされているでしょう。


f0126829_23303512.jpg


 次室への移動空間。
 ここにも「黒」です。しかも、右側の作品は今展の僕のお気に入りです。真ん中の「花」の続っぽさと「種のような大地のような黒」の不可思議さ、ミスマッチかグッドマッチか?植物の生命を追求する鳴海伸一・銅版画。


f0126829_23374273.jpg


 鳴海作品の左は第3室。右を向けば・・・4室と5室の境界壁。そこにも「黒」。
 竹田道代・作品。縁取りの黒の分量が不ぞろいだ。おそらく、画題の人体のフォルムと呼応させるためだろう。面白い。が、見る人の好みの分かれるところでもあろう。「普通でいいよ」、「いや、このアンバランスが良いのよ」


f0126829_23434774.jpg

f0126829_2346185.jpg


 第4室。
 やはり今展の一つの華でしょう。
 上の写真の白地に赤っぽい十字の作品、赤いのは人の足形です。村田由紀子・モノタイプ。
 下の写真のピンクのカーテン?橘内美貴子・シルクスクリーン。こういう記念展にこういうお祭り的作品は良く似合う。会場全体が版画特有の暗めの雰囲気に、若さで大きく勝負してきました。


f0126829_23541086.jpg


 第5室の最後のコーナー。
 800円の図録です。

by sakaidoori | 2009-09-06 22:24 | ☆札幌・近代美術館 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://sakaidoori.exblog.jp/tb/11882364
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]


<< 1092) ②市民ギャラリー ...      1090) 門馬 「田中野穂・... >>