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栄通記

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2009年 09月 05日

1090) 門馬 「田中野穂・個展 『あのひ』」 9月1日(火)~9月6日(日)

○ 田中野穂(のほ)・個展
     「あのひ」


 会場:ギャラリー 門馬・ANNEX 
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38
      (バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055

 会期:2009年9月1日(火)~9月6日(日)
 時間:11:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーー(9・5)

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     (↑:会場中央から入り口に向かって。)

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     (↑:奥から入り口に向かって。)


 健康的で初々しい個展だ。
 作家は京都造形芸術大学・陶芸コース四年の学生。北海道猿払出身で京都在住。

 作品はまだまだ拙い。そんなことよりも、作家が意図的にやりたいこと以上に、表現者として自ずと出てくるものにストレートに立ち会えたことが嬉しい。

 作品は3部構成。本棚にそのまま収めることを目的にした本シリーズ。陶板。箱とその中に納められた花シリーズ。

 面白いのは陶板だ。小さくてエスキスのような存在だが、コンパクトなだけに作家の感性がストレートだ。下の写真は、今展お気に入りの3作だ。

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     ↑:左から、「集まって」、「いつかみた」。


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    ↑:「水路」。


 このチマチマさが好きだ。
 主旨は花や茎などの植物に託す生命、あるいは生命力なのだろう。細胞一つ一つに愛着を込めているのだろう。当然、美しいイメージだ。
 僕にはその土っぽさが好ましい。土の中のミミズやワラジムシや、とにかく何やら蠢いているのが好きで好きで、ついついそれらと遊んでしまって、ついついその姿を画いちゃった。いや、作っちゃた。そんな作品群だ。

 やけに土っぽい。聞けば道北猿払の酪農家の娘さんだ。人も少ない処だ。土と自然が友達だったのだろう。牛や動物達もそうだろう。
 どっぷり自然に囲まれた女性が京都という日本美の権化のようなところに行き、陶を選び、小さい世界に夢中になっている。
 おそらく学ぶことは多いであろう。否、学ぶこと以上に、学ばなければいけにという意識の方が強いだろう。だが、こうして出きた作品達は拙くはあっても田舎臭く、淡い土の匂いがする。学ばれることは大事なことだとは思うけれども、自分自身を更に更に見つめることはもっと大事だと思う。

 気になるのは、表現された世界が収縮的なことだ。
 猿仏の故郷はガスが多くて広さを感じさせないのだろうか?あまりに広すぎて、日常は狭い世界ばかりをみつめていたのだろうか?彼の地の海はどんな色だろう?

 大都会の狭間で、今は狭い原点からの発信だろう。必ずいつかは大きくなるだろう。その時を楽しみに待つことにしよう。
 ミミズを愛し、小さく小さく這い回る世界。ミミズの棲む土は広く深く黒い。


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     ↑:「本の森の中で」。

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     ↑:「おくるはな」。

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by sakaidoori | 2009-09-05 23:42 | 門馬・ANNEX


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