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栄通記

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2009年 08月 21日

1077) ①アートスペース201 「北翔大学合同展覧会  よね展(D室)」 8月20日(木)~8月25日(火)

○ 北翔大学合同展覧会(美術サークル米・在校生・卒業生)
     よね展


 会場:アートスペース201 
   南2西1ー7・山口中央ビル5階DE室
    (東西に走る道路の南側。)
    電話(011)251-1418

 会期:2009年8月20日(木)~8月25日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーー(8・14)

 5階全室(2部屋)を使っての元気な展覧会だ。発表者に出品数の濃淡があるのが良い。意欲ムンムンの人が沢山出して、今年は最低限の作品数で次回に満を持すというスタンス、グループ展はそれでいいと思う。他人に刺激を与える人、刺激を貰う人。いつしか逆転しているかもしれない。時の流れは凸凹なものだ。


○ D室

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     ↑:6期生・山谷美由紀、「魑魅魍魎劇・残」・油彩。

 黄色が好き、絵巻物が好き、少女が好きの山谷美由紀。
 絵にメリハリがあり、全道展ではいつも目立った存在だった。しかし、メリハリの強さが静かにまとまっているのが物足りない。どう成長するのかを楽しみにしていたのに、今年の全道展に彼女はいなかった。落選ではなく出品していなかったのだ。それはイカンことだが、こうして小品でも絵を描いているのにひと安心した。

 今作はいつになく早描きでクローズアップに少女を描いている。素肌の出しかたなどはチョッとチラリズムでこそばしい。顔も漫画的童顔で可愛い。絵に強さは無いが楽しく描いているのが伝わる。
 聞けば大作の一部を切り抜いての作品とのこと。その描いている様子が6回の「妖怪展」にビデオで出品していた。三日間の制作時間を何分間にまとめたものだ。
 今回は絵よりも絵を描く姿勢を見つめる時期のようだった。就職したばかりだ。ゆったり厳しく今後を見つめよう。


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     ↑:4期生・宮下佳菜未、「Is there nothing? Ⅰ・Ⅱ」・油彩。

 アリの人・宮下佳菜未。
 アリがますます成長していて、凄みがましてきた。丹念な一列描写は絵本的だが、大地のうねり感は呼吸が聞こえそうだ。
 個人的には、100号の大きさ一杯にアリが無秩序ランダムにうごめいている姿が見たい。それはこちらのあらぬ願望かもしれない。だが、宮下佳菜未は政治的メッセージも絵にしたいようだ。画面一杯のアリ地獄こそ強いメッセージがあると思う。もし本気で政治性・社会性を絵に込めたいのならば、一度は遠慮せずに大胆に表現したらいいと思う。そうすれば本当にメッセージ的絵画を描くタイプの画家かどうかがわかる。是非チャレンジしてもらいたい。壮絶な青春画になるだろう。宮下・アリは美でも醜でも、芸術でも政治でも相手にしてくれるだろう。


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     ↑:3期生・濱美智子、「夏の使者」、「秋の使者」・油彩。

 かなり会場がうるさい中で、一人静かに物語を紡いでいる。


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     ↑:9期生・能和暁

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     ↑:「沈む物ものたちあるいは淡い皮膜」・油彩。

 非常に印象的な作品。白い部分が水面の波なのだろう。それは画家の拙さからくる不思議さなのか、意図的に描くにはしゃれた波だ。
 2年生とのことだ。今年の新道展にも入選している。見よう。

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     ↑:「そこにある」。

 靴の描き具合、その輪郭線の太さ。この靴は自画像だろう。少し漫画的なのが青春だ。足を見下ろす画家の目が見える。


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     ↑:9期生・清水翼、「忘却」。

 予期せず抽象画に出会うと、絵を見ているという変な実感がわく。この絵はまさにそんな絵だ。印象派風に緑色主体に色を重ねた。さて、その心は?来年も楽しみにしたい学生だ。いずれにせよ、もう少しまとまって絵がみたいものだ。



 (なぜだか長くなってしまった。B室は項を改めということで。E室はなんと言っても石川潤だ。)

by sakaidoori | 2009-08-21 22:57 | アートスペース201


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