1075) セントラル 「大島潤也・展 2009」 終了・8月11日（火）～8月16日（日）

○　大島潤也・展　　2009

　会場：大丸藤井セントラル　７Ｆスカイホール
　　　　電話（０１１）２３１－１１３１
　　　　中央区南１条西３丁目
　　　　　（東西に走る道路の南側）

　会期：2009年8月11日（火）～8月16日（日）
　時間：１０：：００～１９：００
　　　　　（最終日は、～１７：００まで）

ーーーーーーーーーーーーーーーーー（８・）

　同じ場所での一年おきに見る三回目の鑑賞。
　時期はいつも同じ頃で、暑い夏だ。それもお盆の頃。





　会場にはいつも黒い板がぶら下がっている。
　この板を「南無阿弥陀仏、－－－－」と書かれた墓標に見えて仕方がない。作家にはそんな意志は無いだろう。美術作品だ。どう見てもいいのだ。
　その板は作家が場を大島空間にしたい工夫であり、作品を個別的なものでなく、大島ワールドという全体で見てもらいたいのだろう。それは美術作家の強制でもあり、祈りのようなものかもしれない。もし、祈りや儀式の場として作家が展覧会に臨んでいるのならば、実態的だが黒い板を「墓標」と見られることも悪くはないだろう。お盆の時期なのだから。

　

















　作家は二つのことを確認しているようだ。

　壁面作品と彫刻作品、立体空間感覚と平面さ、円や左右対称という完形とその壊しやズレ、見た目の重さと実態としての軽さ、黒と白、静と動、部屋全体の沈鬱さと作品の表面のドロドロした賑やかさ・・・。

　それらは作家の二つの心、あるいは引き裂かれた情念ではなさそうだ。関連せずに向き合う存在基盤のようだ。それらを美術様式・表現で目に見えた形に置き換えて、より深部での関係性を確認しているように見える。
　いや、最初から美的感性の持ち主で、そのことが作品に破綻無く２者両立を成り立たせ、その隙間を画家らしく遊んでいるのかもしれない。

　大きな会場で、大きな作品で、儀式めいた雰囲気があるが、パブリックということから最も遠く、パーソナルな関心に生きているのかもしれない。唯我独尊的作家だ。