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栄通記

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2009年 08月 13日

⇒1066) さいとう 「石尾たか司・展」 8月11日(火)~8月15日(日)

○ 石尾たか司・展

 会場:さいとうギャラリー
    中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
     (北東角地。
      1階が日産のショールーム。)
     電話(011)222-3698

 会期:2009年8月11日(火)~8月15日(日)
 時間:10:30~18:30
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーー(8・11)

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 妖艶なる大坂写真展を後にして、隣室の石尾たか司展へ。

 デザイン風の作品が目に飛び込んでくる。白と赤、線だけだ。
 DMで作品を予想していたが、思いのほか小さい。
 マットが支持体(画かれる物)で、白い部分はマットの地肌そのもの。そのマットをカッターで斜めに切り目を入れて、線が画かれている。マットを直接こがして茶を着色し、派手な赤が面をつくる、全て同じ技法だ。わずかに黄色が塗られたのもある。

 赤と切り目の線で白を切り取り、線と面でリズムを醸し出している。ふとマティスを思った。
 この線は何だろう?そう思って見回っていると、上の作品に出会った。明らかにトルソだ。こういう作品に出会うと、抽象的な作品群は特定の具象画のイメージでくくりがちになってしまう。
 つまり、切り目の線は裸体のボディー・ライン、赤面は人体の体の抽象化されたもの、全体で裸体の持つ健康的なリズム、ダンス。白は比喩的に言えば艶めかしい皮膚そのもの。そんな思い付きが脳裏を走った。

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 あらためて始めから見直す。おーっ、これは足か、ズボンか?

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 この薄いグチャグチャな部分は恥毛ではないか。作家は裸婦をマットとカッターと赤で抽象化している、遊んでいる。

 石尾たか司氏は70歳を過ぎたベテラン作家だ。マットを使った技法は長く取り組んでいるとのことだ。今回の作品を僕は裸婦と理解したが、作家はその長い画歴の中でいろんな事を試みたことだろう。
 何より、切ったり燃やしたりする行為自体は非常に激しい。マットを人間の皮膚と見て、燃える抽象のようなギラギラする作品も作られたことだろう。
 逆に、マットのシンプルさに着目して、デザインンと抽象との関係を研究されたかもしれない。

 いろんな事を試みた一つの終着点として、無駄を排した裸婦の踊るリズムや健康美、肌自体の生命力を最近は追及されているのだろうか?

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     (↑:以上、トルソ風の作品以外は今回用の新作。


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⇒1066) さいとう 「石尾たか司・展」 8月11日(火)~8月15日(日) _f0126829_1020503.jpg このビルのエスカレーター付近にもショー・ウインドウ風に展示されています。八カ所あります。こちらの方が、より人体らしいです。

by sakaidoori | 2009-08-13 10:22 | さいとう


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