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栄通記

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2009年 08月 06日

1057) ②時計台 「自由美術北海道グループ・展」 終了・7月27日(月)~8月1日(土)

○ 自由美術北海道グループ・展

 会場:札幌時計台ギャラリー・2階A B室
    中央区北1西3・札幌時計台文化会館
    (東西に走る中通りの北側のビル)
    電話(011)241ー1831

 会期:2009年7月27日(月)~8月1日(土)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
 大崎和男 北島裕子 工藤牧子 黒田孝 佐々木俊二 佐藤榮美子 佐藤泰子 澤田弘子 杉吉篤 高橋靖子 永井瑛子 永野曜一 比志恵司 深谷栄樹 牧輝子 宮崎亨 森山誠 渡辺励子

ーーーーーーーーーーーーー(7・27)

 ①では自由美術には直接関係のない坂本公雄さんの紹介で終わりました。
 個別作品を何点か載せます。

 

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     (↑:広いA室。)


 会場は2部屋。各々が別の流れとして構成されていた。
 広いA室は静かな研ぎ澄まされた空間、隣のやや狭い部屋は動きのある賑やかな空間。

 A室から何点か載せます。 (以下、敬称は省略。)

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     ↑:杉吉篤、「消えた惑星」。 

 牛のような四足の変な動物を得意とする杉吉篤。
 今作は二つのことが特に印象的だった。
 一つは、顔の辺りが厚めのブロックを何枚か重ねたように画いている。非常にリアルな表現で、重力に抵抗するほどの重さがある。
 一つは、体の部分を自然な線描で処理していて、お腹の部分はリアルさが欠如している。
 この重さと軽さが不思議と調和して、「あー、やっぱり杉吉動物はおもしろい」と、がてんしてしまった。




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     ↑:佐藤泰子、「finish からみ合う情景」。

 佐藤ワールドは桜をイメージしたくなる。ところが、今作は桜などと大人しくがてんするには激しくも爛熟している。からみ合う隙間が黒く変容していき、佐藤泰子の人生を見る闇が露出しそうだ。


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     ↑:高橋靖子、「’09 記  Ⅱ」。

 赤に黒が迫ってくる。

 
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 ↑:左側、渡辺励子・「風の音」。
 青い空間で線が乱れ舞う、音の響きが生まれては反響しえたかどうか?すがすがしい作品。

 ↑:右側、森山誠・「卓上 09-2」。
 静かな広がり、今回は画面の広さ以上に横へと空間が伸びていた。いつもは画かれている人物が居ないからだろう。空間自体が迫ってくる。
 横に伸びる広がりに、背景の四角の枠が子供っぽく戯れているようだ。


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     ↑:永野曜一、「蒼天」。

 アフリカ大陸を連想される不思議な全体像だ。その全体像と画き込みの無い部分との関係が僕には好ましい。隠し味のような色合いと重なって、氏独特の調和と言うのか、音楽・リズムが生まれている。


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     ↑:牧輝子、「砂漠のまち」、「サハラの風」。

 非常に荒っぽいタッチだ。確かに筆跡は激しい方だったかもしれないが、絵に詩情があった。詩情を超えて激情に向かっているようだ。その先にあるのは、さらなる激しさ?回帰する詩情?楽しみに見ていきたい。


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     ↑:佐々木俊二、「疑影」。
 
 とてもA室の作家達と同じメンバーとは思えない世界だ。グロテスクな中で、絵としての美しさや安定感。それは良いことなのか、悪いことなのか?


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     ↑:佐藤榮美子、「Dear Mr. Forest」。

 タイトル同様、土臭く愛すべき作品。牛の歩く姿、鳴き声、草を食む表情が青き世界から迫ってくる。


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     ↑:宮崎亨、「苦い実」。

 人間の闇を求めて止まない宮崎亨。
 今作、直接的に闇に迫る視点から、間接的に迫ろうとしているみたい。画題に負うところが強い作家だから、いろいろなアプローチをされた方が、見ている方も想像がふくらむ。

by sakaidoori | 2009-08-06 21:40 | 時計台


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