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栄通記

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2009年 08月 03日

1051)①帯広市民ギャラリー 「『愛』をテーマのグループ展&米山将治展」 終了・7月9日(木)~7月14日(火)

○ 帯広圏現代アートパーティ企画展 4&5

 ◎ アートキャンプ・アートストーリー  愛
      表層の浮かぶ平原の杜

 【参加作家】
 池田緑 鈴木隆 橋本勇 伽井丹彌 熊澤桂子
 吉野隆幸 小林由佳 上山孝浩 梅田マサノリ

 
 会場:帯広市民ギャラリー A-1、A-2スペース 
    帯広市西2条南12丁目 帯広JR駅地下
    電話(0155)25-7250

 会期:2009年7月9日(木)~7月14日(火)
 時間:10:00~20:00
    (最終日は、~15:00まで)
 休み:水曜日(休廊日)

 主催:帯広圏現代アートパーティ

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 グループ展から載せます。


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 9名の帯広圏在住作家による美術展。いわゆる現代美術だ。

 9名の参加だが、展示スペースは恐ろしく不平等だ。この不平等さが実に良い。
 展示スペースで今展を別に名付けるならば、「鈴木隆とその仲間達展」と言いたくなる。

 会場はJR帯広駅の地下。テナント予定地が入居者不在により、市民ギャラリーとして出発したものだ。だから、美術家からすれば照明や間取りの問題でいろいろ不満な点もあるかと思う。だが、会場は広い。駅直結でこれほどの広さ、後は関係者がどれだけ自分のものにするかだろう。天井そのものは無茶苦茶低くはないのだが、間仕切りや柱の関係で低く感じるかもしれない。高さを求める時は外ですればいいのだろう。特徴を生かした作品が出来るかどうかにかかっているのだろう。

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     ↑:鈴木隆、「アブラムシ退治」。

 その広い会場を鈴木隆が思う存分に使っている。L型の通路のような残りのスペースを、他の作家がそれなりに巧みに見せる事になる。

 さて、鈴木作品は「アブラムシ退治」だ。何mあったかなー、天井から銀紙を床まで垂らして、かなり広い長方形の部屋を作り、中にミラーボールが点滅しているだけだ。「だから何だ!」、と聞かれると困っちゃうのだが、とにかくあっさり大きく無意味な存在が好ましかった。
 「無意味な存在」と言ったが、タイトルはついている。害虫であるアブラムシをこの装置で退治して、帯広の大地を実り豊にするのだ。ミラーボールは現代消費文明の象徴で、社会風刺なのかもしれない。だが、解釈すると何てつまらないのだろう。そうかもしれないが、違うかもしれない。
 作家は内なるエネルギーが溢れる時期なのだろう。


 以下、通路の順番で作品を載せます。

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     ↑:橋本勇(1970年 帯広生まれ)・「宇宙(そら)への道」。

 流木を使ったコンパクトな作品。鈴木隆が外に外にエネルギーが行こうとしているのに対して、非常に対照的な作品。内に内に綺麗にまとまろうとする感性の持ち主のようだ。卑弥呼の鏡のような拡大鏡があり、中の中を見せようと工夫している。


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     ↑:伽井丹彌、「曖昧な皮膜」。


1051)①帯広市民ギャラリー 「『愛』をテーマのグループ展&米山将治展」 終了・7月9日(木)~7月14日(火)_f0126829_18541542.jpg 首吊りかとギョッとした。人形の中に仕掛けられている電飾のコードが、首吊りロープのような役割をしていた。電気は点滅し、皮膜だけを見せることを拒否し、存在感を際立たせていた。

 伽井丹彌女史は関節人形で著名な方だ。紙人形のヒップラインは締まって健康的だ。首吊りに反して若くて健康的だった。



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     ↑:梅田マサノリ(1958年 帯広生まれ)、「細胞の風景  ある余白の生」。

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 (見にくい写真になりました。失礼しました。)
 昨年、札幌のテンポラリーで見た作品と似た作品。同じとは思うが、展示空間が違うと「細胞の風景」が違って見える。札幌の展示は民家の木目調と光サンサンの中で健康的でシニカルというものであった。今回は暗くひんやりとした空間だ。いかにも人体の一部の標本のようで、薄気味悪さ100%だ。なぜか、見る人を寄せ付けない冷ややかなムードがある。札幌の個展と同様に時計の音がしている。静かなビルの地下にカチカチとせわしなく響いていた。


 以下、②に続く。

by sakaidoori | 2009-08-03 19:58 | [帯広]


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