栄通記

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2009年 07月 26日

1045) たぴお 「三浦恭三・展」 終了・7月20日(月)~7月25日(土)

○ 三浦恭三・展 

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F
    (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
    電話・林(090)7050-3753

 会期:2009年7月20日(月)~7月25日(土)
 時間:11:00~19:00

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日、18:00~

ーーーーーーーーーーーーー(7・25)

 やはり個展はいいものだ。30号を最大にして21点の作品が並んでいる。ほとんどが新作で、2年前の未完成の作品を仕上げきったのが古い部類に入る。

 「水の人・三浦恭三」と呼びたい。その水は川だろう。川の人、時には流れの人、と挿入句を入れて呼びたくもなる。


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 ↑:①・②、「浮遊」(全て同じ)。


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     ↑:③・④。


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     ↑:⑤・⑥。


 タイトルは全て「浮遊」。水を背景にして何かが浮遊している。
 ①・②の作品は三浦・水(川)ワールドを代表しているだろう。背景は清く美しく透き通るような中間色、淡い波しぶきが白模様をなし、抽象形の何かがボロンボロンと浮遊しているような流れているような、可愛くコンパクトに自己主張している。何年か前の抽象派作家協会展の作品は、よりデザイン的であったが、最近は水に託した呼吸感、接触感、生命のリズム感という人間っぽさを表現しているようだ。上の二点も、少しうるさいくらいに波立ち、抽象物が騒いでいるのも、生命の動きそのものと素直に向き合いたいのだろう。

 ③・④の作品はより動きにチャレンジしたものだろう。画質(マチエール)の美しさに比べると、少し表現主義(フォーブ)的試みに違和感を覚えるが、今は「動き」に着目しているベテラン作家にとっては、こういう絵を描く事が大事なのだと思う。

 ⑤・⑥、こういう作品を見れるのが個展の楽しみだ。
 特に左側の真四角の作品、普段の作家らしさを限り無く遠慮させて、「どうしたの?」と聞きたくなってしまう。幅広の横殴りに近い筆跡を鮮明に残して、いかにも「波ですよ」と、具象的表現だ。さらにビックリしたのはピンクなどの赤系の色を散りばめていることだ。「今までピンクも描きたかったのだが、とうとう描いちゃった」という作家の微笑が見えるようだ。

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 (作家のデザイン好みが強く出た作品群ではないでしょうか。)


 ところで、三浦作品を見ていると、背景と描かれた形の関係をいろいろと考えてしまった。風景画で言えば空と山の関係だ。氏の場合は水としての背景の青や黄と描かれた物(抽象形)の関係だ。
 もし両者が平等だったら「地と図」の関係に置き換えられて、常に反転可能だろう。
 だが、氏の場合は背景は全体を包み込むもので母体のようなもの。抽象形はその中で散りばめられて、時に背景を際立たせ、時にそれ自体の主張をしたりもする。そして、「男の美学」という観点にたてば、描かれた物(抽象物)は自己の反映という擬人化されたものになりがちだ。「自己主張の絵画、あるいは自己と全体とのせめぎ合い」という様相を呈すると思う。際立たせる何かを描かないと気がすまないと思う。どうしても「オレが、オレが」という絵になりがちだ。

 それでは「女の美学」とは?全体性の美学ではないだろうか?・・・。

 (ふと、思いついた事を書いておくことにします。まとまりの無い文章でしたが悪しからず。)

by sakaidoori | 2009-07-26 11:27 | たぴお


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