2009年 07月 22日
○ 澁谷俊彦・展 -森の雫 09- 会場:紅桜公園内 茶室寿光庵 南区澄川4条13丁目389-6 電話(011)581-4858 会期:2009年7月18日(土)~7月20日(月) 時間:10:00~17:00 (初日のみ、12:00~) 料金:園内での散策を含めた鑑賞のみの場合は入園料(300円)が必要。 飲食メニュ⇒茶屋利用(菓子付き抹茶 680円、他) 茶室メニュー (問合せ下さい。) 【公共交通手段】 地下鉄真駒内駅6番バス乗り場より、 [南81]西岡線「豊平清掃事務所前」行き乗車。 「澄川南小学校前」下車、徒歩12分です。 時刻表。 行き、真駒内発 10:00 12:25 14:25 16:25 帰り 澄川南小学校を 10:22 12:47 14:47 16:47 18:47 (土日祝ダイヤ) ーーーーーーーーーーー(7・20) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 最近の天気は晴れ間が少ない。この日は幸い良い天気であった。 「久しぶりに晴れて、良かったですね」 「そうですね。でも、昨日は雨だれの音も聞こえてなかながでしたよ。・・・」 確かにそうだ。和の空間は自然を取り入れて成り立つものだ。満月よりも朧月夜を良しとした平安貴族の美学を忘れてはいけない。 足を運ぶには少し不便な所だが、訪問客は途絶える事はない。本来ならば、作家はじっくり座ってお客と対話したいと思う。代わる代わるの客人に、笑みを浮かべて嬉しそうに対応されていた。 写真は玄関から、二つの茶室、隣接する赤いカーペットのひかれた廊下と進行方向に掲載。(最後の写真は逆向き。) 茶室、廊下と沢山の作品が並んでいる。畳に座って、ゆっくりと個別の作品を愛でるというものではない。あたかも柱状の作品が茶室の主人とお客で、白テーブルを囲んで茶をたしなんでいる。その空間を我々人間がお邪魔をしているみたい。 主人公は作品だ。だからお邪魔している「ひと」達は作品の動き・視線と同じ高さで向き合うのが望ましいのだろう。 柱状作品と会話をする、意志の疎通を計る、光がくればその変化に優しく対応させる、椀状の作品とは茶会の会話のように、「畳の部屋の気分はどうですか?色はうまく反射してますか?」と、心の中で掌に乗せて聞いてあげたらいいのだろう。 インスタレーションにおける美学に、二つのアプローチがあると思う。全体(空間)に重きをおくか、作品を生かすことに重きをおくか。 例えば、前者は展示される壁を生かすのに、たった一点の作品をどの位置におくか。 後者は、作品を引き立たせるために、壁のどの位置に展示するか。 前者は和みやインテリア空間に応用され、時には絶対美学の追求の場にも発展する。 後者は作品そのものとの関わりが大事で、作品と作家と鑑賞者の関係がより人間臭いものになるかもしれない。 おそらく、澁谷俊彦氏は後者だろう。 氏の作品は宇宙の広がりや四季の移ろいを感じさせる。日本美に親和性の強い作家だと思う。ところが、展示となると額装の白さなどを利用した日本美なのだが、沢山展示して余白美とは異にしている。 氏はもともとは版画家で平面展示作家であったと聞く。最近の発表はインスタレーションが主流だ。なぜそうなったのだろうと時々考える。思うに、平面空間での大人しい展示に物足りなさを抱いたのではないのか。展示壁面に作品と鑑賞者(作家自身)の間に見えない壁が見えてきた。見る人が作品に行かないならば、作品の方からこちらに出向かせよう、何とかして作品自身が世の中を闊歩する、させたい。そのことが触れる作品ということにもなって、親しみやすい澁谷・ワールドになったのだろう。 点描がおびただしく画面に重なり、内に内にとエネルギーが向かう絵画だ。そのエネルギーがお椀や柱の形を借りて、外の外に行こうとしている。それは、もともとは外に爆発させたかった氏のエネルギーが、ようやく美術の形式て実現しているのかもしれない。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
by sakaidoori
| 2009-07-22 22:51
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![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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