2009年 07月 19日
○ 中村友三・作品展 会場:ギャラリーたぴお 中央区北2条西2丁目・道特会館1F (中通りの西側の郵便局のあるビル。) 電話・林(090)7050-3753 会期:2009年7月6日(月)~7月11日(土) 時間:11:00~19:00 ※ オープニング・パーティー ⇒ 初日、18:00~ ※ 会期中はずっと作家は在廊です。 ーーーーーーーーーーーーー(7・11) ![]() ![]() ![]() 以上が会場風景。(上の写真は作家ご自身のH.P.より拝借。) 上から右回りで見るわけです。今回の個展は古い作品も展示していて、柱としての作家の流れを垣間見ることができます。 ![]() ![]() ↑:左から、「立つ」・1977年10月、「空洞」・1977年2月。 (この作品の左に、「Tomb(墓)」・2001年8月があります。) ![]() ![]() ![]() (会場全体を左から写したものです。作品も左から右へと、新しくなっていきます。 小品は全て支持体は板。板に 古い作品の黒は作家自身のようだ。 出発は絵画の中で黒として自己が屹立している。色は背景に押しやられている。 次に、その太くて黒い自我が板の線刻の切れ筋の中に拡散し、埋没することによって画面を支配しようとしている。 そして、色がロマンとして浮上し、色自体が小刻みに固まって一つ一つが角型細胞のように画面を構築し始めた。 黒と線刻に滲み出た男の自己主張と、重なる色の世界としての男のロマンティシズム、非常に男臭い作品の流れだ。同時に、線刻は絵画を構築するバック・ボーンになり、色の重なりや配置は見えない作家の意思に支配された道具と云う側面もうかがわれる。 もし自己主張とロマンのせめぎ合いとして全作を見るならば、前回の個展の作品群(②の3点)が程よいバランスを保っていたと思う。今回の作品群はかなり自己を押さえて、ロマンチックさが勝っているようだ。やさしくふんわりした色使いが、画面全体を被い、線刻の隙間隙間に浸透して自我の強さを和らげている。 それは作家のロマンティック性ともとれるが、色自体が作家の強い個性から自由になり始めたともいえる。 絵の模様は集積回路をイメージしたものだ。 無駄の無い物は美しい その直線美は、デザインとは似て非なるものになって人間臭い。そこに色の構築美を重ね合わせること。セザンヌとクレーから多くのインスピレーションを得た画家だと思う。 現代のミクロ美である集積回路、同時にマクロ美としての風景とも地図にもなる。板という日本的素材、それに札幌という大らかな非日本的風土、倦まずたゆまず線・色・面の美の構築を目指しているように思える。なぜだか、線の優しさ、板の優しさ、色の温かみが今展では強まっていた。 ![]() ![]()
by sakaidoori
| 2009-07-19 23:55
| たぴお
|
アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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