2009年 06月 24日
○ 所蔵作品展 伊藤正・展 会場:室蘭市民美術館 室蘭市幸町6番23号 電話(0143)22-1124 会期:2009年6月2日(火)~7月12日(日) 休み:月曜日(定休日) 時間:10:00~19:00 ーーーーーーーーーーーー(6・21・日) 若手中心のグループ展「霞」を見に室蘭に行った。当然、昨年出来たばかりの室蘭市民美術館を見るのも重要な予定だった。 室蘭に美術館を!という活動は名前だけは知っていたが、その実体は全然知らない。お金のかかる美術館だ。失礼な言い方だが、その実現性には疑問を持っていた。門外漢の僕なんかの心配などは吹き飛ばして見事に実現した。心からおめでとうございます。 さて、初訪問の展覧会は「伊藤正・展」だ。伊藤氏の遺族が2001年に室蘭市に寄贈された。機縁はわからない。 かなり広い長方形の部屋だ。真ん中に柱が2本ある。天井はそれほど高くはない。絵画を見るには問題ない。 伊藤氏の絵画は札幌の風景画でお馴染みだが、大作はあまり知らない。 21点の作品が4つの時期区分に分かれている。 ① 順風万藩のスタート -構図技法の探求ー。(1915年・大正4年、朝鮮に生まれる。) ② 渡欧 -貞子との幸せな日々ー。(1962年4月、妻貞子と伴に初渡欧。) ③ 家族との死別 -再び欧州へー。(1966年・昭和41年、貞子の死。享年43歳 ④ 晩年 -衰えぬ制作意欲ー。(1989年、逝去。享年75歳。) 瑞々しい作品だ。少女と音楽、画題に負けないくらいの健康的な作風だ。展覧会の初めを飾るには最高だ。 花と女性が画家の絵のエネルギーかもしれない。それに、風景画が加わるのだろう。 後ろの額装が一工夫か。人物をしっかり大きく描く、小道具を構図として利用する。氏の絵画方法のようだ。 「ジャルダン・サン・ボール通りの壁“パリ」・同年。 硬くて暗い。佐伯祐三の初期渡仏滞在時と同様に、型というか構図からパリの風景(建築物)を見つめている。がっしりとした構築物になっている。 初の渡欧以後の帰国作品。妻貞子が癌と判明する。モデルは癌と分かって描いた妻・貞子か?暗さと硬い線描は欧州での壁の絵と同じだ。欧州の壁は喜びで描いた作品だが、この絵の線は苦しみの反映と言う事か? 妻・貞子への挽歌であろう。全出展作の中でも異色の作品。幸せな画題を描く事多き画家にとっても、数少ない哀しき絵であろう。万感の思いの伝わる作品だ。 明るく華やかな絵だ。この人には暗い絵は似合わない。堂々とししっかりした美人がよく似合う。
by sakaidoori
| 2009-06-24 00:59
| ☆(室蘭)室蘭市民美術館
|
アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - 未分類 タグ
個展(242)
グループ展(183) 油彩画(183) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(93) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||