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栄通記

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2009年 06月 16日

1009) 門馬 「武田響・陶展 -しずくー」 終了・6月9日(火)~6月15日(月)

○ 武田響(きょう)・陶展
    -しずくー

 会場:ギャラリー・門馬・ANNEX 
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38
      (バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055

 会期:2009年6月9日(火)~6月15日(月)
     (会期中無休)
 時間:10:00~18:00

ーーーーーーーーーーーーーー(6・12・金)


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 (記事の編集の為に写真を見ていたら、ついつい沢山載せてしまいました。)

 非常に綺麗な展覧会です。
 手前半分は乳白色の自然光を利用しての透明感、後ろ半分は人口光による影の演出、時間の経過による場の移ろいは、終日(ひねもす)滞在されている作家をも飽きさせることはないでしょう。わずかな時間しか居ない鑑賞家達も、人形のような雫の一つ一つを優しく見つめていったことでしょう。


1009) 門馬 「武田響・陶展 -しずくー」 終了・6月9日(火)~6月15日(月)_f0126829_10111783.jpg 作品は大半が半磁器とのことです。磁器の材料と陶器の材料を混ぜ合わせているのです。砂粒としての石と、泥としての粘土です。焼く温度は陶器と磁器の場合の中間かと思いきや、磁器に近い温度です。

 見た目にどう違うかというと色が違う。左の写真、青みがかったのが磁器で、薄茶色が今展の主役の半磁器です。
 磁器の光沢感や鋭さを減らして、土臭さが加わっているのですが、優しい土色です。もっとも、この色加減は作家の腕で何ともなるかもしれない。


1009) 門馬 「武田響・陶展 -しずくー」 終了・6月9日(火)~6月15日(月)_f0126829_10243467.jpg そして、陶作品につきものの皺を出している。武田・半磁はレースとは言わないが、ゴツゴツした樹皮感覚ではなく、皮膚の表面の化粧模様です。深くなく、しっかり皺を流している。作家の年輪を思う。

 ファージーな作家だと思う。石と泥が共に好きで、その中間を右に左に揺れる事を楽しんでいるようだ。おそらく風も好きだろう。風が揺らすススキの揺れも好きであろう。
 そして今展、ファージーな時間の中に「雫」として結晶化された時間と形に戯れているようだ。

 手前の擬人化されたような「雫」は、明るい場にあるが過去の蓄積だろう。
 後ろの垂れる「雫」、水面に落ちつつある現在そのものの姿だろう。
 波紋は過去と未来が重なり等心円状に形を織りなしている。


 ベランダには波紋の作品が置かれている。砂が隙間に入り艶めかしい、円が少し壊れている。お客さんが間違って踏んだそうだ。素晴らしいお客だ!美しき姿に破片は似合う。

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 黄昏時に見た。気が付けば緑の木立も薄暗い。
 半磁の皺、薄き茶色、壁に立てかけられた小さきドア。
 風は止まるでもなく進むでもなく、白くなっている。
 雫はいつ落ちるのか?
 雫よ、君に黄昏はあるのか?

by sakaidoori | 2009-06-16 11:23 | 門馬・ANNEX


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