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栄通記

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2009年 06月 16日

1010) 槌本紘子のストックホルム記  ⑨


 すっかりご無沙汰してしまいました。日がなかなか落ちないストックホルムからお伝えします。

 気づくと、あっという間に日が長くなり、日差しも強く、スウェーデンも夏モードです。待ちにまった夏。スウェーデン人は20度を超えるとたちまちノースリーブ。時にはトップレス?少しやりすぎなくらい、短い夏(未だ夏とは言えないのですが)を楽しみます。
 週末はピクニック、バーベキュー。公園に行くと、シートを敷いて日焼けを楽しんでいる人多数。日傘、白い手袋の日本人とはまさに真逆で、夏にこんがり肌をやくことを好みます。この春から夏にかけての、スウェーデン人のモチベーションの変化には正直驚きました。

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     (↑:① Jenny。)


 さて、そんな中、メールを通してスウェーデンのイラストレーターの方にインタビューすることが出来たので、今回はその前半の内容をお伝えしたいと思います。

 彼女の名前は、Jenny Hellström (イェニー ヘルストゥーム:スウェーデン語はJの部分の発音はYに近く音になります。例えば、ジョエル(Joel):ヨエル、ジョンソン (Johnson):ヨンソン)。


1010) 槌本紘子のストックホルム記  ⑨ _f0126829_744294.jpg1010) 槌本紘子のストックホルム記  ⑨ _f0126829_7443794.jpg















     (↑:②・③ Jennyが住んでいるスウェーデン北部の様子。)

 スウェーデン北西の郊外で育った彼女。イギリス、ケンブリッジに住んでいた経験もあり、スウェーデンの中でもストックホルム、ウプサラ、ゴットランドの学校でアートを学び、現在はスウェーデン北部の田舎でイラストレーターとして活動しています。



1010) 槌本紘子のストックホルム記  ⑨ _f0126829_21571854.jpg 彼女が2005年に書いた、Vegobiffar&Kolasås(ヴェゴビファー&コラソス)という、イラスト料理本がスウェーデンでヒット。彼女の独自の世界観を、料理を通して楽しむことが出来ます。

 (←:④ Vegobiffar&Kolasåsの表紙。意味は、「ベシタリアン・バーガーとキャラメルソース」。)







 槌本イラストを始めたきっかけは何ですか?

 イェニー:いつも何かを描くことが好きだったから、高校を卒業した後、出版会社でイラストレーターの実習をしたの。それからアートとアニメーションの勉強をして、自分の本を出版した。いわゆる、自然の流れでイラストレーターになったって感じね。


 槌本料理本を出版したきっかけは何ですか?

 イェニー:うーん。料理にはいつも情熱をそそいでいたわ。アートやドローイングと同じくらいにね。以前、メレンゲケーキの作り方を見せる映像をアニメーションで作ったの。その時に料理本も一緒に作りたいと思ったの。突然、料理とアート、私の中の2つの大きな情熱が一緒になったのよ!幸運なことに、その後に自分の本を出版するきっかけがやってきたの。


 槌本料理本では、スウェーデン料理を現代的にアレンジしていますが、スウェーデン料理の特徴は何ですか?

 イェニー:そうね、他の国の料理と比べると、味自体はマイルドでシンプルだと思うわ。スパイスはディル、パセリ、白胡椒、カーネーションを使うことが多いかしら。じゃがいも、根菜を、肉や魚に添えて、ちょっと甘いものを付け加えるのが、いわゆる伝統的なスウェーデン料理ね。例えば、ミートボールやニシンのフライにこけももやベリーのジャムかけたり。でも最近のスウェーデン料理は、アジア料理風やもっと簡単にアレンジされているわね。ここ数年、ちょっとお洒落なレストランで、現代風にアレンジした伝統的なスウェーデン料理が流行っているわ。


 槌本おすすめのスウェーデン料理は何ですか?

 イェニー:ほとんどのスウェーデン人は、伝統的な料理は、お祝い事の時しか食べないわ。クリスマスとか、夏至祭、イースターとかね。ニシン漬け、スモークサーモンが定番のおすすめかしら。


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     (↑:⑤ "Sommarlovsfrukost"  夏休みの朝ご飯という意味。子供たちのための朝ご飯、だそうです。)

 槌本あなたの出版した料理本の表紙の色は”黒”ですが、何故黒を選んだのですか?料理本としてはあまり一般的とは言えないと思うのですが。

 イェニー:最初、出版社の担当者が私のアイデアに反対だったのを鮮明に覚えているわ。この”黒”のことでいっぱい討論したわね。黒を選んだ理由はシンプルよ。ブラックの背景に色鮮やかなイラストを入れるとポップでよりカラフルに見えるじゃない?うーん、まあでも、正直ちょっと反抗的になりたかったのもあるわ。他の本と何か違ったものを作りたかったのよ。

 T:・・・・・・・・。
 J:・・・・・・・・。


 まだまだインタビューは続きますが、予想以上に彼女が真剣に質問に答えてくれたので、続きはまた次回ご報告します。彼女の田舎での生活のこと、日本のイメージなどなど。
 彼女のHP、ブログも是非見てみてください。スウェーデン語ですが、彼女の素敵な日常が写真、イラストから窺えます。

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(→:⑤ Jennyのイラスト、。
     "Folkdräkt" 民族衣装という意味。)


http://www.hejajenny.se

http://hejajenny.blogspot.com





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 最後に私の近況報告も少しだけ。


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     (↑:左、⑦ 台湾にて。
     ↑:右、⑧ マルメにて。)


 5月に台湾、スウェーデン南部のマルメで展示を行いました。台湾でも展示の際に短い間でしたが、札幌にも帰ることが出来ました。やっぱり北海道の食べ物は格別でした。

 台湾で展示をした作品の写真、マルメでの展示模様の写真です。


 スウェーデンでの生活も9ヶ月目に突入です。
 最初に持っていたスウェーデンのイメージとも大きく変わり、新たな一面もちらりちらり。その辺のことも少しずつお知らせできたらと思っています。
 またも不定期の報告になることが予想されますが、ご一読していただけたらと思います。次回も宜しくお願いいたします。


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 (栄通から。)

 イェニー、若いですね。それに何ともいえないポーズです。槌本さんが撮ったのですか?

 今回の文章、生き生きしていますね。翻訳、上手いですね。槌本さんも誰かにインタビューされたら、貴女が翻訳したようなノリで対応したらいいですよ。
 他人の言葉を介して、槌本さんの生理がよく伝わってきました。

 やっと出てきた槌本・作品です。待ってました。
 左のドレスの作品、貴女がハイヒールを履いて、胸を張って、顎を上げて、街を闊歩したらいいな~。このゴウジャスさに負けないぐらいの気位ですね。変わる日本、深化する日本女性。

 右の吊り下げられた作品、門馬AMNEXを思い出します。
 それにしても床のシーツ、真っ赤で野獣の血のようではないですか!大胆大胆。

 なんだか、当地に慣れたというか、一皮向けた槌本報告記でした。
 次回もよろしく。

by sakaidoori | 2009-06-16 23:00 | 槌本紘子ストックホルムキ記


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