2009年 05月 25日
○ 栗田健・展 『硝子戸のなか』 会場:TO OV cafe(ト・オン・カフエ) (地下鉄中島公園駅から東に徒歩1.5分) 中央区南9条西3丁目1-1・マジソンハイツ1F 電話(011)299ー6380 会期:2009年5月12日(火)~5月24日(日) 休み:会期中は無休 時間:月~土→10:30~21:00 日 →10:30~20:00 ーーーーーーーーーーーーーーー(5・24・日) ![]() ![]() ![]() 個展を見るのは3回目。今回も喫茶店ではあるが、個展としての空間に余裕があり、充分に栗田ワールドを発揮したのではないかと思う。いままでの流れで小品中心で心象風景作品というイメージで訪れたが、あまり固定観念を強くひきずって見てはいけないとつくづく思った。 白を基調にしてピンク・青・黄・緑などが線描として走っている。白を殺して色面が浮いている作品もある。ノイズのような線の走りでイメージを浮き出させようとしている。ノイズ画と言ってもいいと思うが、うるさくない。清々しく優しく強い線だ、色だ。 ノイズのような世界から何かのイメージが立ち上がっているのだが、画家は具体的なイメージを動機にしては描いていないという。気の趣くまま、筆の走りのまま。画くという作業を楽しみ、形になっていく色界を納得しながら自分好みに仕上げていくのだろう。 面白いのはタイトルだ。今回はかなり具体的な形を描いている絵がある。これらは栗田ワールドを楽しむ入門編だ。 ![]() ![]() ![]() タイトルとは「作品をこのように見れ」という作家の強いメッセージだ。栗田作品はそういうタイトルの機能を逆さに利用している。「これは『ドア』や『川』だけど、本とはなーんだ?」という謎々遊びみたいだ。別にタイトルのように見る必要はないのだ。タイトルは方便なのだ。だが無題とい不定形では「画家と作品」、「作品と鑑賞者」の関係だけが強すぎて、「画家と鑑賞者」の回路が危うい。もともと「画家と鑑賞者」の間には深い溝がある。不思議なタイトルを付けることによって、「俺には画家の気持ちはわからないが、例えばドアの絵を見ていると、色や形が心地良いから、ドアという言葉が頭の中を3周位してしまうなー。あれ、後ろで画栗田君が微笑んでいるよ」。そんな錯覚をしてしまいそう。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「瞼」(まぶた)、きつい作品だ。 部屋の一番隅っこ、向こうの空間に続く狭間に展示されている。まるで境界を見つめる瞳のよう。きつく感じる絵だが、画家にとっては他の作品と同じテンションで画きあげたのだろう。 他の作品は空間から浮き出てくるというイメージだが、この作品は強い存在感とリアリティーがある。どうしても異質に見えた。 会場に展示されていた詩を最後にー 「硝子戸のなか」 硝子戸の真ん中で うちと外がまざった それを聴いていたら あしのうらを感じた 視線は飛び回って ワタリドリのよう 壁を抜けてく風 眺めてる途中に ![]()
by sakaidoori
| 2009-05-25 15:01
| (カフェ)ト・オン
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アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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