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栄通記

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2009年 04月 14日

969) 山の手 「中野邦昭・日本画展」 3月27日(金)~4月16日(木)

○ 中野邦昭・日本画展

 会場:ギャラリー山の手
    西区山の手7条6丁目4-25・サンケンビル1階
    (発寒川に面しています)
    電話(011)614-2918
 会期:2009年3月27日(金)~4月16日(木)
 休み:日曜・祝日(定休日)
 時間:10:00~17:00
     (最終日は、~16:00)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・14)

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 中大作は民家のある風景と滝、それと女性画(美人画)が中心、他は葉書き大の肉筆画や中野さんには珍しく猫などの焼き物があります。

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     ↑:「月の日」・S30号。

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     ↑:「雪の日の月」・S30号。

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     ↑:「たおれてもなお (コスモス)」・S30号。

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     ↑:「北の干場」・S150号。

 今展随一の大作。他の作品もそうですが、制作年が明記されていません。最近作なのかはわかりませんが、最近の力作でしょう。干場に雪が舞い散り、季節の重さが伝わってきます。人がいないのが良い。干された魚たちの後ろに無数の人影が、人の力が感じられます。絵巻ものです。

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          ↑:「炎舞」・200×50cm。

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 ↑「天の川」・120変。









 中野邦昭ー1948年に小樽で生まれ道東で育ち、京都で日本画を学ばれた。
 若い時には寺が炎上する激しい絵も描いていた。その全画歴は知らないが、今は動きが少ない絵が多い。気品漂い温かく爽やかな絵だ。特に雪降る北の大地の生命観を追求しているように見える。「灯り」にその原点を見ている。
 画題に多く見られる古き民家、おそらく作家の原風景だろう。ストーブを描くことはないが、その明かりが部屋を灯し人の影が窓に写る。家自体が擬人化されてどっかりと存在する。樹木や全ての物も、厳しい風土の中で静かに生きている証なのだろう。だから、中野風景画に人物は必要ない。画面全部が生き物の生気で覆われているのだろう。
 東洋美を表現するのに「気韻生動」やそれに類する言葉がある。日本(和人)伝統少なきこの北海道で、いかに気品や命の輝きを表現するかが画家の課題だと思う。中央で学び、日本美の伝統を若き体験で知っているから、それへの親近感と画家としての独自性に悩まれたのではないか?
 古き民家といい、童顔の少女といいロマン性の強いのも確かだ。だが、男からロマンを取ったら何も残らない。時代は古き民家をあざわらうように、あるいは伝統建築物などと称して過ぎていく。画家はそれに拘る。その拘りが見る者を過去から、今へと引っ張る。

 画家はようやく60歳を過ぎたばかりだ。決して若い年ではない。静かに自分と向き合う年代だ。生命力や行動力は落ちる。ストーブの炎は、裸婦にからむ赤いスカーフとにもある。ストーブは激しく静かに人の頬を照らす。瞳に炎が宿る。心は温かく明るくなる。それを力に画家は筆を進めているのだろう。


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by sakaidoori | 2009-04-14 23:50 | 山の手


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