栄通記

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2009年 04月 05日

960) ①品品法邑 「色なき風」(2人展) 久山春美の場合」 終了・3月20日(金)~3月29日(日)

○ 北海道教育大学大学院1年2人による工芸と日本画の展覧会
    「色なき風」 (佐藤あゆみ 久山春美)     
 会場:品品法邑(2階)
    (北郷13条通の北側。道路を挟んだ同じ北側に法国寺有り。)
    東区本町1条2丁目1-10
    電話(011)788-1147
 期間:2009年3月20日(金)~3月29日(日)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00 
     (初日は、14:00~。最終日は、~16:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーー(3・29)

 壁面作品は久山春美、立体造形が佐藤あゆみ。

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     (↑:奥の方にある3点の白い立体造形だけは久山春美・作。)

○ 久山春美の場合

 以下、会場のチラシより

 2003年 北見北斗高校卒業
 2008年 金沢美術工芸大学美術科日本画専攻 卒業
  現在  北海道教育大学大学院西洋画所属
 
 (コメント:素材をさわっているのが好きです。素直に表現したいです。)

 概ね、今までの描き溜めていた作品のセレクト展。其の年の代表作?

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     ↑:「みのり」・2004年。

 大学2年生時の作品。初めての本格的日本画だ。はっきり言って非常に上手い。写真では目立たないが、背景の色は艶やかカラフルで画面全体が清々しさで充満している。人物描写が少し変だが、それはこれからの課題だ。かえって初々しい。ピンク、黄色、黄緑といった爽やかな色使いの始まりだ。

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     ↑:「温」・2006年。

 一応、何処かの景色がモデルだろうが、心象風景だと思う。彼女の心象風景は原風景のようなもので、古き良き楽しい思い出を描き綴っているようだ。他人から見ればそれほど盛り上がらない画題をこんなにも大きく描ききっている。何かを描くというよりも気持ちを描いているから、本人にとっては楽しいのだろう。
 大学3年生時の作品。

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     ↑:「歓喜」・2008年。

 卒業制作。
 意欲的だが、作品としては失敗作だろう。
 どこが失敗かと言うと、見る人に何を描きたいかが伝わらない。学んだことを見せるという意識が勝ちすぎて、描きたいことが中途半端になってしまった。それと、レンガの部分に現れているが、見る人を意識してサービス過多になったことだろう。

 ピンクの部分、カーテンを開けた窓の向こうの幻想風景を描きたかったのだと思う。それを具象的にではなくて、好きなピンクだけで表現したかったのだ。画家だけに見える回顧的とも思える原風景をピンクに埋め込みたかったのだ。だったら、黄色を描く鈴木悠高君のように、抽象表現に走ればいいのだが、そうはしない。
 「抽象なんて、何て味気ない!」と彼女は言うだろう。
 単純に言えば、非常に難しい絵心に無意識にチャレンジしたのだ。なまじ、ピンクが好きで得意だから恐いもの知らずでピンク中心に描き進めたのだ。だが、それに徹底するにはだんだんと弱気が差し込んできて、レンガを大きく描いてしまった。何を描きたいかが見るものにはわからなくなってしまった。

 朝、カーテンを開けて窓の向こうを見た。例えば、そこに朝日に映る雪しか見えなかったかもしれない。だが、彼女は朝の臭いと肌触りで、美しい光景を見てしまったのだ。何にも無い空間に。それは我々が言う幻想でもある。レンガの七色はその時の幸せな気分だ。

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     ↑:「green」・2008年。

 昨年の教育大学「七月展」での出品作。
 メルヘンチックな楽しい絵。雲の円、レールだか垣根に囲まれた円い部分に注目したい。画家は何にも無い所に、言い知れぬ愛着を抱くようだ。どういう風に絵画化されていくのだろう?

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     ↑:「記憶」・2009年。

 少し変だと思って画家に確認したら、制作途上の作品とのこと。他にも作品は一杯持っているはずなのに、どうしても近作を出したかったのだろう。その年の力作中心の展示にしたいのだ。
 勢いで描くところもある人だが、こうして計算もちゃんとしている。「勢い」と「計算」が作品に良い結果を残すにはまだのようだ。
 メルヘン的画風に拘らずに見ると魅力がいくつも顔を出している。

 

by sakaidoori | 2009-04-05 20:58 | (くらふと)品品法邑 | Trackback | Comments(0)
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