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栄通記

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2009年 03月 23日

946) ①アルテピアッツァ美唄 「田村陸・展 VOL.1 『月とナイフ』」 3月15日(日)~3月29日(日)

○ 田村陸・展 VOL.1
    「月とナイフ」

 会場:アルテピアッツァ美唄
     美唄市落合町栄町
    (国道をJR美唄駅を通り過ぎて北に進み、直ぐに「美唄国設スキー場」方面に右折。どこまでも続く一本道、スキー場への途中の右側。)
     電話(0126)63-3137
 会期:2009年3月15日(日)~3月29日(日)
 休み:火曜日(3月17日、3月24日)
 時間:9:00~17:00
    (初日は、11:00~。最終日は、~15:00まで。)

 ※ 作家在廊予定日⇒3・15(日)、20(金)、22(日)、29(日) 11:00~15:00 

 ※ 次回個展予定 ⇒ 2009年8月3日(月)~8月8日(土) 於・オリジナル画廊

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・22)

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 木造の旧校舎2教室を利用しての個展。
 田村陸・君は中学を卒業したばかりの、そしてこの29日で15歳になる少年だ。
 案内を頂いた。個展を見るのは楽しみにしていたが、感想記を書くのには不安があった。この年齢の作品を個展として大量にみるのは初めてだ。彼自身も個展は初めてだし、そんな少年がどんな風にまとめきるかに疑問を持っていた。統一性はなくても多めに展示して、彼の意欲や可能性なり、少年一般の心根に触れることができればそれでいいと思っていた。

 正直にいって驚いている。二部屋を異なるアプローチで演じきっている。もちろん、個々の作品の未熟なのは当然であって、そんなことは鑑賞する上で問題ではない。表現したい何かが伝わり、共に感じあえればそれでいいのだ。

○ A室

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     ↑:①

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     ↑:②

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○ B室

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          ↑:会期中のライブ・ドローイング作品。未完成。


 (どうも、何枚載せても写真では上手く伝わりそうもない。)

 田村君は自分だけに見える世界・感じる世界を絵にしようとしている。それを妄想とも空想とも我々は言うのかもしれないが、本人にとってはリアルな現実であり、それを何とか他者と共有したいと願っているのだ。それらは刹那の世界であっても物語として展開している。作品を取り巻く彼だけに見える世界(物語)があるから、展示をするのにあれこれと悩む度合いが少ないのだろう。経験を積まないと見えにくい「作品の相互関係」が、おもちゃのような感覚で存在しているようだ。作品が他者になっていないのだ。

 A室は公式な部屋だ。
 現時点での自分だけの世界を何とか完成形として絵にした作品群だ。画家の世界だ。それは「青・闇夜の世界」あるいは「羊水の世界」と言えるだろう。具体的に描かれた一つ一つは物語の登場人物であり主人公だが、絵としてはそれを包み込む青をいかに出すかがテーマだと判断した。絵描きとして出発の段階から描かねばならないテーマを持っている人だ。色をマチエールとして発展させるのか?独自な色彩感覚で突き詰めていくのか?闇夜(羊水)を青に捉われずに描いていくのか?長い旅路の始まりがここにはある。描かれた物・事・人がそれをサポートするのだろう。だが、青に拘ってばかりもいられない。物語は次から次へと誕生しているから。それらとも絵として、あるいは他の表現として付き合わなければならない。生む喜びと苦しみを思う。

 B室はより自由な部屋だ。
 紙と鉛筆があれば落書きができる。その紙や鉛筆をいろいろ変えて、絵を楽しんでいる。
 僕はこの部屋が好きだ。A室は他者との交流を許さない自分だけの面持ちがある。B室には画家や詩人やいろんな先輩、同輩と田村陸君から交流しようと目配せをしている。詩もある、線描もある、不思議な形もある、ビルもある、ナイフという自画像もある、習ったばかりの技法もある、気楽な女の子の裸絵もある。全てが距離を詰めて友達として廻っている。

 僕は見えない世界というものをあまり持っていない人種だ。だから、彼の秘部には接近できないだろう。だが、絵などの作品とは付き合えるだろう。
 陸君のお母さんが会場におられた。ついついつまらない会話の相手をしてもらった。有り難うございました。
 そして、会場には小学4年生の妹、七海(ななみ)ちゃんの絵が一枚あった。「私の絵の感想も書いて下さい」とあった。②に作品を紹介します。少し待って下さい。


 「月とナイフ」、おそらく月とは女性(母、妹、異性)であり物語の一方の主人公。時に子宮や太陽や冥界にもなるのだろう。ナイフ、田村陸だろう。それを凶器・狂気と理解するか優しき月の影と理解するか?
 また会えるのを楽しみにしています。

by sakaidoori | 2009-03-23 23:55 | [美唄]


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