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栄通記

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2009年 03月 18日

938) ミヤシタ 「守分美佳・展」 3月4日(水)~3月22日(日)

○ 守分美佳・展

 会場:ギャラリーミヤシタ
    中央区南5条西20丁目-1-38 
    (南北の中小路の、東側にある民家)  
    電話(011)562-6977
会期:2009年3月4日(水)~3月22日(日)
 休み:月曜日(休廊日)
 時間:12:00~19:00 
     (最終日は ~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・3)

 まずは会場風景から。

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          ↑:①

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          ↑:②


 この数年続けている画風だ。
 線と色面とのリズムによる抽象画だ。抽象画といっても、「抽象の何たるか?」を問う作品ではないだろう。はっきりと言えば、支持体が大地であり、靄のかかった原風景に見立てて、その上に自分らしさを表現しようとするのだ。
 
 支持体は板だ。その上に砂をまぶして凸凹を作る。下地処理する。一番下の色は黒だろう。右手に任せて線を引く。下地が砂で凸凹しているから、一気には線を引けれない。ゴツゴツした筆触を楽しみながら引いていく。おそらく横線から始めるのだろう。
 下地面が区切られたら、その面に色を入れていく。
 絵の色のリズムと無意識の自分との会話に時間は過ぎていく。

 ところでそうして出来た作品で、どこか相反する絵が上の①と②だと思う。

 ①は正面左壁にデンと展示されている。守分由佳美佳の一番の満足作だろう。だって、一番良い所に飾ってあるのだから、今の彼女の気分をだいべんしているのだ。
 ②は右奥の隠し場所のような所で目だた無いような展示だ。

 困ったことに、隠したいような②の作品が一番目立つのだ。紫が部屋の四隅で輝いている。その色面積もやたらと広くて、他の絵の安定した色バランスを崩している。
 この作品の意味は二つ考えられる。
 一つは、自分の中の新たな可能性を感じたが、まだまだ暖める段階。
 一つは、本当は出したくないのだが出来ちゃたから展示しないわけにはいかないという消極的立場。
 「さずかり婚」と「できちゃった婚」の違いと言えばいいのか。
 作家本人は後者の立場で作品を説明していた。「自分らしくない作品」だと。

 「自分らしさ」、今の彼女は寒色系の色に覆われて安定した世界を望んでいるようだ。画面の白と黒が示すように春近き雪解け時の気分を噛み締めているのだろう。
 寒色中心の安定した世界でも構わないと思う。だが、気分転換に「自分らしくない絵」を描くことも大事だと思う。だが、この作品の場合は違う。無意識に「今の自分は認めがたい作品」が誕生した。そのことに作家は否定的だ。
 この紫の絵は小品の絵が小さく区切られている現状に、無意識に何かを訴えているのだと思う。あまりにも小さく自分を縛っていることに、「いろんなドアを開けては」と促しているのでは。

 大きな絵を描いてみたらと勝手に思った。50号の広さの前だと筆を持つ手も大きくなるだろう。視点もあっちこっちに飛び交い戸惑うだろう。50号の次は100号だ。それから小品へとユーターンしてみては。
 「春を待つ心」、「何かを待つ心」が「春の心」「夏の心」「秋の心」と、願望から今へと変化するかもしれない。

 しっかりと強い色だ。色境界をクレヨンがなぞっている。境界線であることを忘れて、領域をはみ出ては幅広く引かれている。区切ることを拒否しつつ、区切ることを楽しんでいるようだ。

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by sakaidoori | 2009-03-18 13:54 | ミヤシタ


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