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栄通記

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2009年 03月 16日

935)資料館 「北海道教育大学札幌校写真部・写真展 三橋夏希の場合」 終了・3月3日(火)~3月8日(日)

○ 北海道教育大学札幌校写真部・写真展

 会場:札幌市資料館2F・1室
     中央区大通西13丁目 
     (旧札幌控訴院、大通公園の西の果ての建物)
     電話(011)251-0731
 会期:2009年3月3日(火)~3月8日(日)
 時間:9:00~19:00
  
ーーーーーーーーーーーーーーー(3・16)

 資料館で一番広い部屋で学生達がそれぞれの表現をしていた。
 3年生の三橋夏希の写真が印象に残った。今春の学生写真展の中でも秀作だと思う。申し訳ないが彼女だけの掲載だ。

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     (↑:彼女の全作品の会場風景。)

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     ↑:①・「さらさら」

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     ↑:②・「うつろう」

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     ↑:③・「光と余韻」

 写したい事を明快に意識した人だ。ありふれた風景、光と影、自分の気持ちとヒットした瞬間・・・、そういうことは他の学生達も同じだろう。だが徹底している。余計な物を入れない禁欲さがある。自分の意識の中でキューッと対象を絞り込んでいる。いつも「心の風景」と「視覚風景」を見ていて、その重なりとズレを感じているのだ。

 ③の「光と余韻」特に良い。ノブの付いた引きドアが開き、影が壁に写っている切り取りだ。影の黒に釘付けになった。「ドア」と「影の黒」が開閉、遠近、明暗という矛盾する空間を同時に表現していて、見る意識がついていけなくなる。トリッキーさに騙された心地良さもあるが、それ以上に文学的な象徴さに意識が強く目覚めさせれれた。

 おそらく撮影者は「光と影」に強い興味を抱いているだろう。多くの撮影者もそこに拘りを持っているだろう。あとはその人にとっての「光と影」はどういうことかと云う、個性だ。
 写真は誰が撮ってもモノトーンで現像すれば「光と影」ができる。難しきかな、個性的な「光と影」は!



 確かに三橋写真はありふれた心象風景でしかないと言う人がいるだろう。「風景写心」には違いない。むしろドキュメンタリー写真を含めて撮影者の心が投影されない写真などは無い。
 問題は自分の心をどれだけ見つめているかという質量だ。自分が被写体とどういう関係にあるかだ。被写体そのものも物としての存在であり、撮影者とどういう関係を保っているかだ。物や現象には心が無いかもしれないが、見つめればそこに「心」の存在を感じるのだ。それは人間の傲慢さかもしれないが。
 それをいかにくみ上げるか。そこに写真技術の重きもあるだろう。だから技術は磨かなければならない。だが、何のための技術で、何を表現したいかという意識が無ければ作品を見ていても面白くない。


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     (↑:会場風景。)


 

by sakaidoori | 2009-03-16 16:02 | 資料館


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